【クレジット市場】米国、GS起債はインフレ懸念後退を示唆

米投資銀行ゴールドマン・サッ クス・グループによる約3年ぶりの30年債起債は、インフレ加速を めぐる投資家の懸念が後退しつつあることを示唆するものだ。

米国みずほ証券によると、ゴールドマンが21日起債した25億ド ル(約2100億円)規模の30年債に対し、90億ドルの応札があった。 ブルームバーグのデータによると、この優先債(表面利率6.25%)の 発行条件は、利回りが同年限の米国債を170ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上回る水準となり、同社が提示した5bpのレンジ の下限だった。

エコノミストらは、消費者物価上昇率に関する来年の見通しを引 き下げている。ブルームバーグがまとめたエコノミスト55人の予想 中央値は今月1.9%と、昨年12月時点の2%から低下。20日に実施 された過去最大規模となる130億ドルの10年物インフレ連動債(T IPS)入札では、応札倍率が過去の平均を下回り、10年債とTIP Sの利回り格差(ブレークイーブンレート)は昨年5月以来最大の縮 小となった。

LPLファイナンシャルの市場ストラテジスト、アンソニー・バ レリ氏(サンディエゴ在勤)は「インフレ懸念はさほど強くない」と した上で、「30年債に需要があり、起債をやり遂げられるとゴールド マンは判断した」と述べた。

30年物米国債利回りは消費者物価指数(CPI)を307bp上回 る水準。これは、2000年初め以降の平均238bpより高い。ゴールド マンのエコノミストらは、今年の個人消費支出(PCE)を0.6%増 と見込んでいる。ブルームバーグがまとめたエコノミスト59人の予 想中央値は1.05%増。

米国みずほ証券の債券資本市場担当エグゼクティブディレクター、 ティモシー・コックス氏(ニューヨーク在勤)は、ゴールドマンが 「『ちょっと聞いてくれ。市場は30年債を欲しているのだから、そ れを提供しよう。今から1年後の発行では、金利が100bp高くなる 公算が大きいためだ』と言っているようなものだ」と指摘。「景気回 復の初期段階にあると考えるなら、30年債利回り上昇を予想するのは 当然だろう」と述べた。

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