ユーロが2カ月ぶり高値から反落-米指標やFOMC控えてドルじり高

東京外国為替市場ではユーロが対 ドルで約2カ月ぶり高値をつけた後、反落した。ドイツの企業景況感指 数が過去最高となったことを手掛かりにユーロ高が進んだ前週末の流れ を引き継ぎ、朝方はユーロ買いが先行。しかし、先週からほぼ一本調子 でユーロ高が進んできたこともあり、その後はユーロを売ってドルを買 い戻す動きが強まった。

ユーロ・ドルは朝方に1ユーロ=1.3647ドルと昨年11月22日以 来の水準までユーロ買い・ドル売りが進んだが、その後急速に伸び悩み 、一時は1.3581ドルまで値を切り下げた。午後4時4分現在は

1.3586ドル前後で推移している。

また、ドル・円相場は1ドル=82円台半ばからドルがじり高とな り、一時は82円83銭まで値を切り上げる場面がみられた。

日興コーディアル証券国際市場分析部の為替ストラテジスト、松本 圭史氏は、「先行きはEFSF(欧州金融安定ファシリティー)を中心 としたセーフティーネットの拡充という形で国債入札なりストレステス ト(健全性審査)なりをこなしながら欧州不安はピークアウトするだろ う」と予想。ただ、EFSF拡充もまだ先送りの状態で、アイルランド の政局など個別の不安材料もあるなかで、このまま一方向にユーロ高が 進むとは思えず、目先は米国の材料などをきっかけに「ユーロ上昇の反 動が出る可能性もある」と語った。

今週米国で発表される経済指標では、2010年10-12月(第4四 半期)の成長率が加速したことが示される見込み。また、米連邦準備制 度理事会(FRB)はあすから2日間の日程で金融政策の運営方針につ いて討議する米連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。

ユーロ高に一服感

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は、米紙ウォールストリー ト・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、商品相場高が賃金上昇 につながっている兆候は見られないと指摘し、ECBがインフレ率の一 時的な高まりを見守る姿勢であることを示唆した。同総裁はまた、現在 のECB政策金利は「適切」であり、必要となれば、ECBの非標準的 な措置の変更とは無関係に動かすことができると述べた。

米商品先物取引委員会(CFTC)によると、シカゴマーカンタイ ル取引所(CME)の国際通貨市場(IMM)では、今月18日時点で ユーロが約2カ月ぶりに買い越しとなった。

クレディ・スイス証券外国為替調査部の深谷幸司チーフ通貨ストラ テジストは、「ユーロはECBのタカ派スタンスも織り込みながらここ まできたが、さすがに上昇も一服で、今週は米国サイドに焦点が移って もおかしくない」と指摘。テクニカル面でも「特に対ドルでは一目均衡 表の『雲』の上限まできているし、RSI(相対力指数)も買われ過ぎ に近いところまできているので、さすがにユーロの上昇はペースダウン してもおかしくはない」と語った。

ユーロは対円でも早朝に一時、1ユーロ=112円71銭と同23日 以来のユーロ高値をつけたが、その後伸び悩み、一時は112円28銭ま で値を切り下げる場面がみられた。

アイルランドのレニハン財務相は24日、ダブリンで、緑の党や野 党の議員と予算案通過の日程について協議する。予算の成立は、国際通 貨基金(IMF)と欧州連合(EU)による850億ユーロに上るアイ ルランド支援の条件の一つ。カウエン首相率いる共和党と連立を組んで いた緑の党が23日に政権からの離脱を表明したことで、政府は混乱に 陥っている。

FOMC、米GDPに注目

オバマ米大統領は22日公表されたビデオで、25日の一般教書演 説では財政赤字の削減や雇用の拡大、経済の競争力確保に重点を置く方 針を示すことを明らかにした。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、 米商務省が28日に発表する昨年第4四半期の国内総生産(GDP、速 報値、年率)は前期比3.5%増となり、7-9月(第3四半期)の同

2.6%増から伸びが加速するとみられている。また、第4四半期の個人 消費は前期比4%増と、06年10-12月(第4四半期)以来の高い伸 びとなる見通し。個人消費は米経済の約7割を占める。

米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)はFRBが今年最初のFO MCで、景気回復への信頼感が増す中で、経済予測を見直す予定だと伝 えた。同紙によると、26日に発表されるFOMC声明は経済に対する 慎重な楽観論を反映し、6000億ドルの国債購入を維持する内容となる 見通し。

クレディ・スイス証の深谷氏は、2011年はフィラデルフィア連銀 のプロッサー総裁とダラス連銀のフィッシャー総裁が新たな投票メンバ ーとなるため、「どちらかというとタカ派の方に振れるリスクがある」 と指摘。その上で、ユーロの買い戻しもかなり進んだ感があり、FOM Cや米経済指標の結果次第ではドルの買い戻しが強まり、足元もたつい ているユーロ・ドルが「もう少し調整する可能性もある」と語った。

オーストラリア・ドルは対ドルで1豪ドル=0.9900ドル前後から 後から0.98ドル台後半へ下落。同国の2010年10-12月(第4四半 期)の生産者物価指数(PPI)の前期比の上昇率がエコノミストの予 想を下回ったことが手掛かりだった。

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