米金融業界:金属トレーダーの報酬、最高2.5億円に-相場高騰で

オバマ米大統領が米金融業界のリ スク軽減を目指す金融規制改革法「ドッド・フランク法」に署名し、業 界全体で報酬が減少するなか、金属トレーダーの賞与が膨らんでいる。

コモディティー・サーチ・パートナーズのフロントオフィス人材仲 介担当者ピーター・ヘンリー氏(ニューヨーク在勤)によると、金属ト レーダーの昨年の報酬は前年比で最大20%増加し、最高で200万- 300万ドル(2億5000万円)に達したとみられる。この額については、 他の人材仲介会社の担当者3人も、匿名を条件に確認した。商品業界全 体の給与水準は横ばいか10%減だった。

ヘンリー氏は「金融業界では報酬削減への圧力があるが、金属トレ ーダーは例外だ」と指摘。「金属トレーディング部門は業界の他の部門 より利益を上げており、賞与はその現状をある程度反映している」との 見方を示した。

バークレイズ・キャピタルは銅やニッケル、すずの不足と価格上昇 を予想しており、金属トレーダーにとって今年は当たり年となりそう だ。昨年は、米JPモルガン・チェースの投資銀行部門やゴールドマン ・サックス・グループなど業界の報酬の平均は減少。先週の届け出によ ると、モルガン・スタンレーも投資銀行部門の報酬を削減した。昨年7 月に成立したドッド・フランク法は、過度のリスクにつながる報酬制度 の見直しを目指している。

ロンドン金属取引所(LME)のデータによると、同取引所の昨年 の取引高は1億2000万枚を超え、前年比7.4%増となり過去最高に達し た。人材仲介各社によると、昨年10月に開かれた毎年恒例の「L MEウィーク」には約5000人が参加したが、ニューヨークやロンドン の金融業界で勤務する金属トレーダーは数百人にとどまるとみられる。

ゴールドマン・サックス

ゴールドマンの債券・通貨・商品のトレーディング収入は2010年 10-12月(第4四半期)に48%落ち込み、JPモルガンは自己勘定の 商品取引部門を閉鎖した。このような状況にもかかわらず、他の一部企 業は採用を増やしている。

スイス最大手の銀行、UBSは先月、商品部門の規模を倍増させる 方針を発表。米シティグループと英スタンダードチャータード銀行も採 用を計画していることを明らかにした。豪銀大手オーストラリア・ニュ ージーランド銀行(ANZ)は昨年、増員を実施。仏ソシエテ・ジェネ ルはRBSセンプラ・コモディティーズの資産を買収後、電力とガスの スペシャリスト130人を確保した。センプラは他の商品事業をJPモル ガンに売却した。

銅とすずは昨年、過去最高値に達し、ニッケルも63%高騰した。 一方、原油の上昇率は09年の78%から15%に鈍化、米国の天然ガス 相場は21%下落した。

ブルームバーグ・ニュースが昨年12月にアナリスト27人を対象 に実施した調査の中央値によると、亜鉛は今年最大21%、銅は12%、 それぞれ上昇すると予想されている。

コモディティー・サーチのヘンリー氏は、金属取引に関しては 「7桁の報酬を稼ぐトレーダーが通常より多くなるだろう」との見方 を示した。

ニューヨークを拠点に企業幹部の人材あっせんや報酬に関する助言 を手掛けるオプションズ・グループは顧客調査を基に、商品関連業界の 報酬は昨年、横ばいか10%減少したものの、移籍したトレーダーらは 30%かそれ以上昇給した可能性が高いと指摘した。

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