【クレジット市場】欧州銀のサムライ債、今年も発行活発か-金利差で

欧州と日本の利回り差が記録的水 準に拡大する中、欧州の銀行は低コストの資金を求めて今年も活発に 円建て外債(サムライ債)を発行しそうだ。昨年の発行高は過去最高 だった。

サムライ債の利回りは平均で日本国債を90ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)程度上回る。これに対し、ユーロ建ての 金融債は指標の欧州債の利回りに236bp上乗せした水準。野村証券 とバンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数が示してい る。日本で発行する場合の利回りは欧州での発行に比べ315bp低い。 指数によれば、これは2009年3月に付けた319bp以来の最大。

昨年は英バークレイズやクレディ・スイス・グループなど欧州の 銀行が過去最高となる8355億円をサムライ債で調達した。ブルームバ ーグのデータが示した。バークレイズの試算によれば、欧州の金融機 関は今年、総額7650億ユーロ(約85兆7200億円)の借り換えを必要 としており、この利回り差が欧州金融機関の一助となりそうだ。

新生証券の松本康宏シニアアナリストは、「欧州のトップクラスの 銀行はサムライ債発行で昨年よりもコストをある程度払わなければな らないだろう。しかし日本と欧州の投資家には温度差がある」と指摘。 欧州の投資家は域内金融危機への警戒を強めているが、日本の投資家 としては「リターンを求めるとサムライ債しかない」と述べた。

ブルームバーグのデータによれば、バークレイズやクレディ・ス イス・グループ、HSBCホールディングス、ロイヤル・バンク・オ ブ・スコットランド・グループ、UBSなどの欧州銀行のサムライ債 が今年中に満期を迎える。野村のデータによると、日本の国内社債の 平均スプレッド(上乗せ利回り)は27bpと低い。

株式非公開の欧州銀行の中で唯一「AAA」格付けを付与されて いるラボバンクネダーランドは、今年の欧州金融サムライ債第1号を 発行し、21日に743億円を調達した。303億円の5年債の利回りは円 スワップレートを22bp上回る水準となった。同行東京支店の 田中一秀長期資金調達部長は18日のインタビューで、日本には「高格 付けの発行体を評価する巨額の資金がある」と述べた。

モルガン・スタンレーMUFG証券の大橋英敏クレジットストラ テジストによると、サムライ債市場は欧州の銀行の発行拡大で今年、 2兆5000億円規模に拡大する可能性がある。同氏は電話インタビュー で、「欧州はまだドタバタしている」ため、多額の償還を迎える銀行の 借り換えが「欧州ですべて賄えるのかという漠然とした不安がある」 と指摘した。

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