【今週の債券】長期金利1.2%中心か、入札続く米債安警戒も需要は旺盛

今週の債券市場で長期金利は1.2% を中心に推移する見通し。米国債相場が景況感の改善や入札が続くこ とへの警戒感から下落基調が鮮明になれば、円債市場では売り圧力が 高まる見通し。半面、株式相場は上値の重い推移が続くとの見方が出 ているほか、金利上昇局面での国内投資家の旺盛な需要が相場を支え そうだ。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、今週の長期 金利について、1.2%付近のもみ合いが継続すると予想。「新興国にお けるインフレや金融引き締め懸念が株式市場に及ぼす悪影響を見極め る展開。日米とも金融政策が変更される可能性は低く、相場を動かす 材料にはならないだろう」と説明した。

長期金利の指標となる新発10年債利回りについて、ブルームバー グが21日に市場参加者4人に聞いた今週の予想レンジは全体で1.15 -1.28%となった。前週末終値は1.205%。

米国債市場では、米10年債利回りは3.2-3.5%のレンジでの推 移が続いている。しかし、今週は25日に2年債、26日に5年債、27 日には7年債と入札が続く。また、28日発表の昨年10-12月期の米 実質国内総生産(GDP)速報値では、前期比年率3.5%上昇と、同 7-9月期(同2.6%上昇)から伸びが拡大する見通し。

BNPパリバ証券の島本幸治チーフストラテジストは、「需給は悪 くないが、景況感が改善していることもあり、米国債相場の上値が重 くなっている」と話した。

また、日興コーディアル証券の野村真司チーフ債券ストラテジス トは、「米10年債利回りが3.5%を明確に上回ってくれば、円債市場 には長期金利上昇、利回り曲線の傾斜化という形で影響する可能性が 高い」とみている。

株安なら債券の下支え

もっとも、国内株式相場が中国の利上げ懸念などから軟調な推移 が継続すれば、債券相場の支えとなる。前週末の日経平均株価は大幅 続落し、終値は昨年12月30日以来の安値となった。大和住銀投信投 資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダーは、「株価には高 値警戒感も出ており、株安となれば支援材料になる」と説明した。

投資家の潜在需要は強いとの声もある。長期金利は19日に約1カ 月ぶり高水準となる1.26%まで上昇したが、そこでは買いが増えてお り、翌20日には一気に1.20%まで急低下した。岡三アセットの山田 氏は、「先週までと同様に金利上昇時には押し目買いが入る」との見方 を示している。

一方、24、25日に日銀金融政策決定会合、26、27日には米連邦公 開市場委員会(FOMC)開催されるが、いずれも金融政策は据え置 きが見込まれている。JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷 厳治債券運用部長は、「FOMC、日銀決定会合で目新しい内容は出な い」として、債券相場への影響は限定的とみている。

2年債入札、心配ないとの声

需給面では、27日に2年利付国債の入札が実施される。21日の入 札前取引では0.19%で推移しており、表面利率(クーポン)は0.2% に据え置かれる可能性が高い。発行額は前回債と同額の2兆6000億円 程度。

JPモルガン・アセットの塚谷氏は、今回の2年債入札について、 「心配ないだろう。最近、日銀が資金供給を増やしており、短期ゾー ンの利回りが低下している。日銀オペでは札割れが多く、資金の潤沢 さが示されているので、2年債にも買いが入るだろう」と語った。

市場参加者の予想レンジとコメント

21日夕までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の 通り。先物は中心限月3月物、新発10年国債利回りは312回債。

◎三井住友海上火災保険投資部の高野徳義グループ長

先物3月物139円20銭-140円20銭

新発10年債利回り=1.15%-1.25%

「10年債は1.2%を挟んでもみ合い。20年債入札を通過したうえ、 月内は2年債しか入札が残っておらず、相場が大きく売られる材料は ない。株価が上昇しきれないまま下がってきており、株も債券ももう 一度相場の仕切り直しだ。米国の景気見通しは見方が分かれており、 米10年債は3.3-3.5%のレンジ。GDPなど今週の指標に対する反 応も限られそうだ」

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

先物3月物138円80銭-140円00銭

新発10年債利回り=1.18%-1.27%

「横ばい圏。年度末に向けた銀行勢の持ち高調整も上値を重くし そう。FOMC、日銀決定会合で目新しい内容は出ないだろう。米国 では量的緩和第2弾の継続は既定路線で6月以降の対応の話が出るに はまだ早い。2年債入札は心配ない。日銀が資金供給を増やしており、 短期ゾーンの利回りが低下している。2年債にも買いが入るだろう」

◎BNPパリバ証券の島本幸治チーフストラテジスト

先物3月物139円00銭-140円40銭

新発10年債利回り=1.18%-1.28%

「米国債市場の入札が焦点。需給は悪くないが、景況感が改善し ていることで米債の上値は重くなっている。日米とも金融政策の変更 は見込めず、景況感の改善や原材料価格の上昇に関する発言が注目さ れる。昨年後半から米株価が上昇した後、足元は企業の好業績にも反 応せず、伸び悩んでいる」

◎岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長

先物3月物139円10銭-140円10銭

新発10年債利回り=1.16%-1.26%

「1.2%付近でもみ合い継続とみる。新興国におけるインフレや金 融引き締め懸念が株式市場に及ぼす悪影響を見極める展開。一方、国 債入札のピークを越えたことで需給不安は後退するため、先週までと 同様に金利上昇時にはたんたんと押し目買いが入る。日米とも金融政 策が変更される可能性は低く、相場を動かす材料にはならないだろう」

--取材協力:赤間信行、船曳三郎 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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