1月21日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:ユーロが対ドル上昇、独企業景況感を好感

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロが対ドルで上昇、約2カ 月ぶりの高値をつけた。昨年12月の独企業景況感が上昇し、ユーロ 圏の景気回復に対する楽観が強まった。一方、ドルは対円で下落した。

ユーロは主要通貨の大半に対して上昇。欧州の政策当局者がソブ リン債危機に対する長期的な解決策を見いだすとの観測が背景。先物 取引動向によると、昨年11月以来初めて、対ドルでのユーロ上昇を 見込むポジションが下落を見込んだポジションを上回った。資源輸出 国の通貨は上昇。株式や商品相場の値上がりが強材料だった。

オンラインでの為替取引を扱うGFTフォレックスの為替調査担 当ディレクター、キャシー・リーン氏(ニューヨーク在勤)は、「ユ ーロにはよく買いが入っている。その理由は、非常に力強い経済統計 が発表されたからだ」と述べ、「そのため投資家の関心はソブリン債 から離れている」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで1.1%上昇 して1ユーロ=1.3621ドル。一時は昨年11月23日以来の高値と なる1.3625ドルまで上昇した。ユーロは週間ベースでは対ドルで

1.7%値上がりした。ユーロは対円で0.6%上昇して1ユーロ= 112円48銭。ドルは円に対して0.5%下げて1ドル=82円57銭。

独企業景況感

ドイツのIfo経済研究所がまとめた1月の独企業景況感指数は 上昇し、過去最高を更新した。

21日発表された1月の独Ifo企業景況感指数は110.3と、 前月の109.8(改定前=109.9)から上昇し、1991年に東西再統 一後のドイツの統計が始まって以来の最高を更新した。ブルームバー グがまとめたエコノミスト41人の予想中央値では前月比変わらずの

109.9と見込まれていた。

アイリッシュ・タイムズ紙が匿名の関係者を引用して報じたとこ ろによると、欧州の財務相らは、ギリシャが流通市場において割引価 格で債券を購入する際、その購入資金として、ユーロ圏救済基金が同 国に融資できるようにすべきかどうかを検討している。

ナショナル・バンク・オブ・カナダの外為担当マネジングディレ クター、ジャック・スピッツ氏は、欧州で発表される明るい内容の経 済統計は、「周辺国が抱える問題への対処法とも関連してくる」と述 べ、「ユーロ圏の中でも、支援を受ける側ではなく提供する側と受け 止められている国では、経済統計の内容が良好な可能性がある」と続 けた。

ユーロのネットロング

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、18日の ユーロのロングからショートポジションを差し引いたネットロングは 4109枚と。前週は4万5182枚のネットショートだった。

英ポンドは週間ベースでユーロに対して0.9%下落。この日は 1ユーロ=85.13ペンス、対ドルでは0.7%上昇して1ポンド=

1.6000ドル。

スイス・フランは対ドルで0.9%高、対ユーロでは0.2%下げ た。

◎米国株:上昇、GE決算好感し産業株が高い

米株式相場は上昇。ゼネラル・エレクトリック(GE)の利益が アナリスト予想を上回ったことで工業株が大きく上げ、世界の景気回 復に対する楽観的な見方が強まった。S&P500種株価指数は、週 間ベースでは昨年11月以来の下げとなった。

GEが高い。同社の業績動向は世界の経済成長の指標とされる。 S&P500種の地方銀行株指数も上昇。サントラスト・バンクスや BB&Tの決算がアナリスト予想を上回ったことが好感された。ワー ナー・ミュージック・グループは大幅高。事情に詳しい関係者によれ ば、同社は身売り先を模索するためゴールドマン・サックス・グルー プを起用した。バンク・オブ・アメリカ(BOA)は下落。問題のあ る住宅ローン債権を買い戻すための引当金を積み増したことなどから、 決算で赤字が拡大した。

S&P500種株価指数は0.2%高の1283.35。週間では

0.8%安となった。先週まで7週連続高となっていた。ダウ工業株 30種平均は49.04ドル(0.4%)上げて11871.84ドル。

フェデレーテッド・インベスターズの株式市場チーフストラテジ スト、フィリップ・オーランド氏は「かなり力強い決算シーズンだ」 と指摘。「指標的な企業の利益が予想を上回っている。それに加え、 景気の基調も大幅に改善した。」債券から資金を引き揚げ、株式に投 資しようと考える投資家には大きな材料だ。私は上昇トレンドを予想 している。S&P500種は年末までに1450に達するだろう」と述 べた。

企業決算

ブルームバーグのデータによれば、S&P500種の構成企業で 10日以降に四半期決算を発表した57社のうち、42社で1株当た り利益がアナリスト予想を上回った。アナリスト予想(平均)は昨年 第4四半期が22%の増益、11年通年では14%の増益となっている。 売上高では57社中43社が予想を上回った。

べスポーク・インベストメント・グループが今週発表したリポー トによれば、ほぼ2年にわたる株価の上昇基調が始まって以降、米企 業の66%で利益がアナリスト予想を上回ったほか、売上高も59% が予想を超えた。

ルーミス・セイレスのシニア株式ストラテジスト、リチャード・ スキャッグス氏は「米株の上昇基調は変わっていない」とし、「相場 の回復が始まってから2年が経った。業績見通しの修正は2011年 の株式のプラス材料になるだろう。利益の伸びは鈍化しているが、9 -11%の持続的な利益成長率という正常化への過程にあるといえる」 と付け加えた。

個別銘柄

GEは7.1%高の19.74ドル。上昇率はダウ平均の構成銘柄 中で最大となった。同社の10-12月(第4四半期)決算は3四半 期連続での増益。金融やヘルスケア、輸送部門の持ち直しが寄与し、 アナリスト予想を上回った。

サントラストは5.9%高の29.50ドル。ジョージア州に本拠 を置く同行が発表した第4四半期決算では一部項目を除く損益が1億 8500万ドルの黒字となった。信用損失に備えた引当金の減少が寄与 した。前年同期は2億4800万ドルの赤字だった。

BB&Tは4.8%高の28.39ドル。ノースカロライナ州の銀 行BB&Tの第4四半期決算は、前年同期比12%増益となった。与 信費用の減少が寄与した。

ワーナー・ミュージックは27%と急伸し、6.01ドル。事情に 詳しい匿名の関係者によれば、同社は数週間前にコールバーグ・クラ ビス・ロバーツ(KKR)から買収の打診を受けた。

BOAは2%安の14.25ドル。同行の第4四半期決算は、赤字 が12億4000万ドルに拡大した。問題のある住宅ローン債権を買 い戻すための引当金を積み増したことや訴訟コスト、住宅金融事業の のれん代償却が響いた。

◎米国債:上昇、当局の購入や売られ過ぎ感で

米国債相場は上昇。10年債利回りは2週間ぶりの高水準から低 下した。前日の相場の下げは行き過ぎていたとの観測が広がったこと や、米連邦準備制度が通常の1日の国債購入額より多く買い入れたこ とが背景。

国債相場は前日には下落していた。米経済指標で、新規失業保険 申請件数の減少や、中古住宅販売の予想以上の増加が示されたことを 手掛かりに、景気回復が勢いを増しているとの観測が強まった。前日 実施された10年物インフレ連動債(TIPS)の入札後には、日中 の安値を付けた。需要が過去の平均を下回ったことに反応。発行額は 過去最高の130億ドルだった。

ジェフリーズの米ドル・デリバティブ取引責任者、クリスチャ ン・クーパー氏は、「市場は売られ過ぎの状態から少し戻している」 と指摘。「前日はTIPS入札後に痛手を受けた。この日は、当局の 国債購入を受けて堅調に推移している」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時15分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の3.41%。週間では8bp上昇と、 昨年12月10日終了週以来の大幅な上げ。前日は一時3.47%と、 5日以来の高水準を付けた。同年債(表面利率2.625%、2020年 11月償還)価格は11/32上げて93 1/2。

30年債利回りは5bp低下の4.56%。前日は一時4.63%と、 昨年4月29日以来の高水準となった。週間では3bp上昇。

レンジ取引

10年債利回りは12月16日に、昨年5月以来の高水準となる

3.56%まで上昇して以降、31bpのレンジ内で推移している。

この日の米国債相場は、ニューヨーク連銀が2018年2月-20 年8月償還の国債84億ドル相当を買い入れた後、この日の安値圏か ら上げに転じた。購入額は保有者が差し出した総額の44.1%。過去 10回の購入の平均は31.1%だった。

前日のTIPS入札では、最高落札利回りは1.170%と、入札 直前の市場予想の1.108%を上回った。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.37倍と、09年4月以 来の低水準。10年物TIPS入札の規模としては、財務省が1997 年にTIPS入札を開始して以来の最大だった。

インフレ期待

償還期限までの消費者物価見通しを示す10年債と同年物インフ レ連動債(TIPS)の利回り格差はこの日、一時15bp縮小。縮 小幅は昨年5月以来で最大だった。同格差は2.18ポイント。前日 は2.33ポイント、今週の平均は2.09ポイント。

米財務省は来週25日から2年、5年、7年債入札を実施する。 発行総額は990億ドル。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は25、26両日に会合を開 く。

全米不動産業者協会(NAR)が前日発表した昨年12月の中古 住宅販売件数(季節調整済み、年換算)は528万戸と、5月以来の 高水準となった。米労働省が同日発表した15日に終わった1週間の 新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週から3万7000件減 少して40万4000件。2010年2月以来で最大の減少だった。

「上向きの軌道」

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオ ン(ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、クリストファー・ サリバン氏は、「米経済は上向きの軌道上を進んでおり、それは短期 的には持続可能かもしれず、幾分の利回り上昇を示唆している。ただ、 当局が依然として国債を購入しているほか、インフレは抑制されてい るため、劇的な上昇とはならないだろう」と述べた。

◎NY金:3週連続安、金利先高観で代替需要が後退

ニューヨーク金先物相場は続落。週間では3週連続で下げた。景 気回復に伴って借り入れコストが上昇し、代替投資としての金の魅力 が低下するとの思惑から売りが出た。

ダウ工業株30種平均はこのままいけば8週連続の上げとなり、 10年債利回りは6週間ぶりの大幅な上昇。2010年は金が30%高 と、株式や債券を上回る収益率となった。

MFグローバルのアナリスト、トム・ポーリッキ氏(シカゴ在勤) は「金利が上昇すると、低い機会コストは金の支援材料になるとの強 気な見方が後退する」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 2月限は前日比5.50ドル(0.4%)安の1オンス=1341ドルち ょうで終了した。週間では1.4%安。

◎NY原油先物:4日続落、在庫増と中国利上げ観測で

ニューヨーク原油先物相場は過去9週間で最長の4日続落。米国 での在庫増加に加え、中国がインフレ対策で利上げを実施するとの懸 念で売りが続いた。

前日のエネルギー省発表で、前週の石油在庫が増加していたこと が明らかになった。この日はドイツのIfo景況感指数が予想外に上 昇したほか、フランスの景況感が大きく改善したことを受け、原油は 上昇する場面もあった。

IAFアドバイザーズ(ヒューストン)のマネジングディレクタ ー、カイル・クーパー氏は、「1バレル当たり100ドルを見込む人 は 多いが、やや楽観的過ぎるようだ」と指摘。「在庫は潤沢で需要 はさほど強くないことを思えば、バレル90ドルでも実際のところ、 やや高すぎるように見受けられる」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前 日比48セント(0.54%)安の1バレル=89.11ドルで終了。一 時は 72セント安の88.87ドルをつけた。過去1年では17%の値 上がり。

◎欧州株:3日ぶり反発、独景況感改善を好感-RBSが高い

欧州株式相場は3日ぶりに反発。ストックス欧州600指数は前 日までの続落で5カ月ぶり大幅安となっていた。1月のドイツ景況感 が過去最高を記録したほか、銀行株の上昇が相場上昇への要因だった。

英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(R BS)は6.5%の大幅高。RBSが英政府と不良・リスク資産に対 する 政府保証制度からの離脱を協議したとの報道が手掛かり。鉄鋼 最大手のアルセロール・ミタルは2.9%上昇。ウニクレディトによ る投資判 断引き上げが好感された。イタリアの防衛航空宇宙関連会 社、フィンメッカニカは4.5%高。同社の2010年営業キャッシュ フローが予想を上回ったことが買いを誘った。

ストックス欧州600指数は前日比0.7%高の281.26で終了。

前週末比では0.9%下げ、週間ベースでは2011年初のマイナス となった。年初来では依然としてプラスで、上昇率は2%。経済統計 が世界的な景気回復を示しているほか、欧州各国の首脳が債務危機 の拡大を阻止する取り組みを強化するとの期待が背景にある。

ラース・クレッケル氏率いるエクサンBNPパリバのストラテジ ストチームはリポートで、「11年が欧州株式にとって良い1年とな るとの見方を堅持する」と記述し、「バリュエーション(株価評価) は大半の指標で歴史的な平均を引き続き下回っている。にもかかわら ず、短期的な強気傾向が著しく強まり、一時的な調整の公算が大きく なったと指摘していた」と記述していた。

ブルームバーグのデータによると、ストックス欧州600指数構 成銘柄の予想PER(株価収益率)は約11倍と、2009年4月以来 の低水準に近い。

21日の西欧市場では、デンマークとギリシャを除く16カ国で 主要株価指数が上昇。スペインのIBEX35指数は1.8%、イタリ アのFTSE・MIB指数は1.4%と、大きな伸びを示した。

ドイツのIfo経済研究所がこの日発表した1月の独Ifo企業 景況感指数は110.3と、前月の109.8から上昇し、1991年に東 西再統一後のドイツの統計が始まって以来の最高を更新した。

◎欧州債:独2年債下落、約1年ぶり高利回り-景況感改善で

欧州債市場ではドイツ2年債相場が下落し、同利回りは過去1年 余りの最高となった。この日発表された経済統計でドイツの景況感が 予想に反して改善したことが示され、インフレが加速するとの見方を 高めた。

スペイン国債を中心にユーロ圏の高債務国の国債相場が上昇した。 ドイツのIfo経済研究所が同日発表した1月の独Ifo企業景況感 指数は110.3と、前月の109.8から上昇し、東西再統一後のドイ ツの統計が1991年に始まって以来の最高を更新した。ドイツ国債 は週間ベースでは3週連続安となった。株高を背景に域内で最も安全 とされるドイツ国債に対する需要減少が響いた。

2年債利回りは先週に28ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)上昇していた。欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁が インフレリスクの高まりに言及したことが嫌気された。

ノルデア・バンク(コペンハーゲン)のチーフアナリスト、ニー ルズ・フロム氏は、「利回り上昇はドイツ経済の好パフォーマンスが 主な原動力だった」と述べ、「ECBの早期利上げ見通しを考慮する と、市場はかなり後手に回っている。利回りにはまだ上昇の余地があ る」と述べた。

ドイツ2年債利回りはロンドン時間午後4時17分現在、前日比 4bp上昇の1.29%。この日は7日以来の最大の上げとなる場面も あった。同国債(表面利率1%、2012年12月償還)価格は0.07 ポイント下げ99.47。10年債利回りは3.16%と、前日からほぼ 変わらず。前週末14日からは12bp上げている。

スペイン10年債利回りは14bp低下の5.2%。週間では17 bp下げた。イタリア10年債の利回りは8bp下げ4.7%。アイ ルランド10年債は8.8%と、前日からほぼ変わらず。1週間前は

8.52%だった。

◎英国債:10年債下落、インフレを警戒-週間で3週連続安

英国債相場は下落し、週間ベースでは3週連続安となった。10 年債利回りは8カ月ぶり高水準を付けた。インフレ率が予想以上に上 昇したことを背景に、年内の利上げ観測が高まった。

英政府統計局(ONS)が18日発表した昨年12月の消費者物 価指数は前年同月比3.7%上昇した。ブルームバーグ・ニュースが エコノミスト31人を対象にまとめた調査の中央値では3.4%上昇 が見込まれていた。11月は3.3%上昇だった。

UBS(ロンドン)のG10通貨ストラテジスト、クリス・ウォ ーカー氏は、「市場では利上げが織り込まれつつあるようだ」と語る。 「イングランド銀行(英中央銀行)は信頼を失うよりは、インフレの 芽を摘んでおいた方が得だと考えているのではないだろうか」と述べ た。

ロンドン時間午後4時14分現在、10年債利回りは前日比1ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.70%。週間ベ ースでは9bp上げた。同国債(表面利率4.75%、2020年3月償 還)価格は0.6ポイント下げ108.10。2年債利回りは1.34%と、 前日からほぼ変わらず。前週末からの上げは1bp未満。

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