米国債(21日):上昇、当局の購入や売られ過ぎ感で

米国債相場は上昇。10年債利 回りは2週間ぶりの高水準から低下した。前日の相場の下げは行き過 ぎていたとの観測が広がったことや、米連邦準備制度が通常の1日の 国債購入額より多く買い入れたことが背景。

国債相場は前日には下落していた。米経済指標で、新規失業保険 申請件数の減少や、中古住宅販売の予想以上の増加が示されたことを 手掛かりに、景気回復が勢いを増しているとの観測が強まった。前日 実施された10年物インフレ連動債(TIPS)の入札後には、日中 の安値を付けた。需要が過去の平均を下回ったことに反応。発行額は 過去最高の130億ドルだった。

ジェフリーズの米ドル・デリバティブ取引責任者、クリスチャ ン・クーパー氏は、「市場は売られ過ぎの状態から少し戻している」 と指摘。「前日はTIPS入札後に痛手を受けた。この日は、当局の 国債購入を受けて堅調に推移している」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時15分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の3.41%。週間では8bp上昇と、 昨年12月10日終了週以来の大幅な上げ。前日は一時3.47%と、 5日以来の高水準を付けた。同年債(表面利率2.625%、2020年 11月償還)価格は11/32上げて93 1/2。

30年債利回りは5bp低下の4.56%。前日は一時4.63%と、 昨年4月29日以来の高水準となった。週間では3bp上昇。

レンジ取引

10年債利回りは12月16日に、昨年5月以来の高水準となる

3.56%まで上昇して以降、31bpのレンジ内で推移している。

この日の米国債相場は、ニューヨーク連銀が2018年2月-20 年8月償還の国債84億ドル相当を買い入れた後、この日の安値圏か ら上げに転じた。購入額は保有者が差し出した総額の44.1%。過去 10回の購入の平均は31.1%だった。

前日のTIPS入札では、最高落札利回りは1.170%と、入札 直前の市場予想の1.108%を上回った。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.37倍と、09年4月以 来の低水準。10年物TIPS入札の規模としては、財務省が1997 年にTIPS入札を開始して以来の最大だった。

インフレ期待

償還期限までの消費者物価見通しを示す10年債と同年物インフ レ連動債(TIPS)の利回り格差はこの日、一時15bp縮小。縮 小幅は昨年5月以来で最大だった。同格差は2.18ポイント。前日は

2.33ポイント、今週の平均は2.09ポイント。

米財務省は来週25日から2年、5年、7年債入札を実施する。 発行総額は990億ドル。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は25、26両日に会合を開く。

全米不動産業者協会(NAR)が前日発表した昨年12月の中古 住宅販売件数(季節調整済み、年換算)は528万戸と、5月以来の 高水準となった。米労働省が同日発表した15日に終わった1週間の 新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週から3万7000件減 少して40万4000件。2010年2月以来で最大の減少だった。

「上向きの軌道」

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオ ン(ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、クリストファー・ サリバン氏は、「米経済は上向きの軌道上を進んでおり、それは短期 的には持続可能かもしれず、幾分の利回り上昇を示唆している。ただ、 当局が依然として国債を購入しているほか、インフレは抑制されてい るため、劇的な上昇とはならないだろう」と述べた。

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