月例経済報告:足踏み状態も一部持ち直し-判断上方修正で

与謝野馨経済財政担当相は21日午 後、1月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出した。報告は「景気は 足踏み状態にあるが、一部に持ち直しに向けた動きがみられる」とし、 判断を昨年6月以来、7カ月ぶりに上方修正した。9月末のエコカー 補助金終了で落ち込んだ自動車生産・販売が持ち直しつつあることが 上方修正の主因。

ただ、失業率が5%台で高止まりしていることなどから、基調判 断では、「依然として厳しい状況にある」との認識も示した。個別項 目では、生産について「下げ止まりの兆しがみられる」とし、前月の 「このところ減少している」から判断を引き上げた。生産の上方修正 は、2009年6月以降19カ月ぶり。他の項目についてはすべて判断を 据え置いた。

経財相は会議後の会見で、「若干、上方修正しているのは、自動 車を中心としたところで、やや明るい兆しが見え始めたというところ による」と説明。一方、雇用情勢については、日本の伝統的な雇用環 境からみて失業率は「まだ高い」と述べ、新卒者の内定率が70%を割 っていることは「深刻だ」との認識を示した。

月例報告では、景気の先行きに関しては「当面は弱めの動きが残 る」とし、前月の「当面は弱めの動きがみられる」から表現を若干変 更した。その上で、海外経済の改善や各種の政策効果などを背景に「 景気が持ち直していく」との見方を維持した。リスク要因では、海外 景気の下振れ懸念や為替相場の変動から「景気がさらに下押しされる リスクが存在する」とし、デフレの影響や雇用情勢の悪化懸念が「依 然残っていることにも注意が必要だ」との判断をあらためて示した。

包括的緩和の効果

白川方明日銀総裁は月例会議の席上、日銀が昨年来採用している 包括金融緩和策が、金融環境をさらに緩和する方向に働いていると説 明。世界経済のリスク要因としては、商品市場と新興国の状況に欧州 周辺国の金利動向について説明したという。内閣府の西崎文平参事官 が同総裁の発言内容を明らかにした。

政府・日銀の関係について与謝野経財相は、日銀は「国の機関で あるが、独立性が極めて高い」と指摘。一方、日銀法には「政府の経 済政策との協調が書かれている」と述べ、「白川総裁、山口(広秀) 副総裁とは旧知の間柄だ。多分、コミュニケーションは今までと同様 にうまくいくと思っている」と語った。

自動車生産・販売は増加も-1-3月期

西崎参事官は記者説明で、今月の判断では景気は「依然足踏み」 とする一方、先行きの持ち直しを見込む「メーンシナリオの一部が出 てきた」と指摘。上方修正の要因である自動車販売・生産について西 崎氏は、4月以降は分からないとした上で、「1-3月期は10-12月 期と比べ、増えていく可能性が高い」との見方を示した。

昨年11月の新車販売台数(登録車)はエコカー補助金終了の影響 が続き、前月比で2.2%減少したが、12月は同7.3%増に転換してい る。鉱工業生産は、11月に6カ月ぶりに増加し、先行きの生産動向を みる上で重要な製造工業生産予測指数は12月に前月比3.4%上昇、1 月に同3.7%上昇が見込まれている。業種別にみると、12月、1月と もに自動車を主体とする輸送機械が全体の生産をけん引する見込みだ。

一方、海外経済については「景気は緩やかに回復している」と前 月の判断を維持し、先行きも「緩やかな回復が続くと見込まれる」と した。米国経済について12月は「景況感を示す指標に弱い動きがみら れることには留意する必要がある」としていたが、今月はこの表現を 削除した。

米経済がデフレに陥るリスクについて、内閣府の林伴子参事官( 海外担当)は、消費が持ち直していることなどから、「リスクはある が、リスクの程度は縮小してきている可能性がある」との認識を示し た。

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