【クレジット市場】ドイツ再統一の記憶を呼び覚ますユーロ防衛の負担

【記者:Anchalee Worrachate】

1月21日(ブルームバーグ):ドイツ国債の利回りが上昇してい る。欧州通貨同盟の下でユーロを防衛する潜在的コストの増大を反映 したものだが、東西ドイツの再統一費用をめぐる懸念が債券市場に影 響を与えた1990年代の状況もほうふつとさせる。

ドイツのハレ経済研究所(IWH)のマクロ経済部門責任者、オ リバー・ホルトメラー氏は危機対応コストについて、「ドイツがどの程 度支払わなければならなくなるか現時点で言うのは不可能だが、特に 自国の債務を賄うコストが上昇する場合には、負担は大きなものとな りかねない」と説明。「債務危機がスペインのようなより大きな国に波 及すれば、破滅的な結果になるだろう」と警告する。

ドイツ国債の2年物と10年物の利回り格差(スプレッド)は190 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)を上回る水準に達し、2010 年7-12月(下期)の平均172bpから拡大。償還期間の長い国債の 利回りが比較的短期の国債を上回るペースで上昇してきた様子がうか がえる。

このドイツ国債の長短スプレッドは、ベルリンの壁崩壊後の6年 間で300bp強も拡大した。旧東独の統合と復興コストが債務負担を 増大させ、経済力を弱めたためだ。

ドイツ銀行の債券ストラテジスト、モヒト・クマール氏は「これ ら2つの出来事に共通するのは、より強い経済が弱い経済を支援し、 それが赤字の拡大を招くという点だ」と指摘。「ドイツは現在、救済を 主導しており、偶発債務が増大しつつある。統一コストに匹敵する規 模にはならないかもしれないが、支払いはかさみそうだ」と話す。

ホルトメラー氏は「危機以前の段階では、ギリシャが高債務国で あるにもかかわらず、国債のリスクプレミアムは非現実的な低い水準 に抑えられていた。これはギリシャが債務を返済できない場合、どこ かの国が肩代わりすると投資家が考えていたことを示唆する。後から 考えれば、そのような想定は正しかったといえる」と述べている。

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