JPモルガンなど銀行各社、伊自治体をロンドンで相次ぎ提訴

【記者:Elisa Martinuzzi、Lindsay Fortado】

1月21日(ブルームバーグ):米JPモルガン・チェース、スイス のUBS、米バンク・オブ・アメリカ(BOA)などの銀行各行は、 スワップ取引での損失をめぐってイタリアの地方自治体を相手取った 訴訟をロンドンの裁判所に相次ぎ起こしている。同取引では自治体と 銀行の双方が損失を被った。

契約に基づく支払いを停止や、手数料の払い戻しなどを求める一 部の自治体に対して、銀行側はこれまでにフィレンツェ市やピエモン テ州などの自治体を提訴した。

ドイツ銀行と独デプファ銀行、JPモルガン、UBSが、スワッ プの販売慣行が詐欺的だったとしてミラノで刑事裁判を起こされてい ることを追い風に、イタリアの自治体はデリバティブ(金融派生商品) の損失を回避するため国内で訴訟を起こす動きを強めている。これに 対し、銀行側はより迅速で公正な判断が期待できる英国の裁判所を当 てにしている。

銀行でデリバティブ業務を担当した経験があるコンサルタントの ピエロ・ブラガト氏は「銀行は風向きが不利になったと感じており、 英裁判所ではもっと良い判断が得られると考えている」とし、「英国で の訴訟は、裁判の行方に対する銀行側の懸念の表れにほかならない」 と指摘した。

英国での提訴件数はこの1カ月間で増えている。ドイツ銀行とU BS、BOAメリルリンチはロンドンで、ローマなど5地域で構成す るラツィオ州を提訴。ドイツ銀行とメリルリンチはトスカーナ州も訴 え、メリルはピエモンテ州も提訴した。昨年12月は、スワップ契約を めぐる他の自治体に対する訴訟が、あと4件以上持ちこまれた。

イタリア銀行(中央銀行)の昨年6月末のデータによると、イタ リアの地方自治体のデリバティブ損失は12億ユーロ(約1300億円) 以上。少なくとも2都市がデリバティブ契約に関連して支払いを停止 しており、銀行側が反発している。

欧州の数千の公共団体がここ数年、自らリスクが測れないデリバ ティブを通じて借り入れコスト抑制を図ろうとした。ブルームバー グ・データによれば、米国では2008年以降、自治体や非営利団体がこ うした契約を解消するため金融機関に40億ドル(約3300億円)余り を支払っている。

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