資生堂次期社長:中国15%以上増収狙う、化粧人口急拡大

国内化粧品最大手の資生堂は、来期 (2012年3月期)以降も中国で年率15%以上の売上高増加を目指す方 針だ。経済成長が続いて化粧品需要拡大は続くとみている。末川久幸次 期社長がブルームバーグ・ニュースに明らかにした。

4月1日に社長に就任する末川取締役は20日、中国売上高について 「GDP(国内総生産)成長を上回る10%台後半の成長を確保したい」 と述べた。スキンケアに加え「メーキャップやヘア領域の需要も見込め る」と今後も高い成長を続けることに意欲を示した。今期(2011年3月 期)の中国売上高もこの狙いに沿って推移している。

中国のGDPは2010年で39兆8000億元(約497兆円)と前年比で

10.3%増加、日本を上回ることが確実な情勢だ。この中国で化粧をする 人口は05年の2200万人から15年には2億人、20年には4億人に達す ると資生堂は想定した。13年にはアジアが世界最大の化粧品市場になる として、中間所得者向け商品の品ぞろえを充実させる。

TIWの高橋俊郎アナリストは、資生堂について「中国人の購買力上 昇をフルに享受できる」と指摘した。30年前に進出して競争の厳しい沿 岸部だけでなく内陸部に既に販路を確保しているのが背景だとしてい る。資生堂は中国での売上高を公表していないが、高橋氏は今期売上高 を750億-800億円と見込んでいる。

米ピーターソン国際経済研究所は、中国の経済規模が購買力平価で測 ると昨年米国を抜いて世界最大になったと13日の報告書で指摘した。 国際通貨基金(IMF)は中国が11年以降も年率9.5%の成長を続け、 15年にはGDPが10.0兆ドル(約822兆円)に達すると見込む。

M&Aはウィンウィンが前提

資生堂は前期(2010年3月期)に米ベアエッセンシャルを買収、中国 の好調も含めて今期の海外売上高比率は前期の36.9%から42%に上昇す る見込みだ。末川氏は企業の合併・買収(M&A)について、資生堂の 規模がロレアルやP&Gと比べるとまだ小さいと前置きしながら、規模 拡大ではなく「お互いのウィンウィン関係が前提だ」と述べた。

売上高の約6割を占める国内市場では苦戦しており、今期は海外売上 高の前年同期比21.7%増収に対し国内売上高は1.9%減収を予想してい る。国内市場は人口減や消費マインドの冷え込み、異業種参入による競 争激化に見舞われている。資生堂では低価格帯に流れて中価格帯商品も 苦戦している。

研究開発

新製品開発の鍵となる研究開発について末川氏は「130年を超える歴 史の中で常に最先端を追求してきた研究開発陣がおり、資質は高い」と 強調した。資生堂は売上高の2%以上を研究開発費に充て、昨年の国際 化粧品技術者会連盟(IFSCC)大会では、国内外メーカーで最多と なる13回目の最高賞を受賞するなど成果を挙げている。

資生堂新成長領域研究開発センターの伝田光洋エキスパートサイエン ティストは昨秋、化粧品の可能性について「10年以上先になるだろうが 表皮をケアすることによって心や全身の状態を良い方向に持っていくこ とができないかと考えている」と述べた。皮膚を「第三の脳」と唱える 伝田氏は皮膚が感覚を持ち判断までしていることを示すデータが集まっ てきているとしている。

資生堂株の終値は前日比57円(3.3%)安の1676円だった。

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