長期金利1.2%台前半、景気回復期待で米債急落-株安が先物を下支え

債券市場では長期金利が1.2%台 前半に小幅上昇。20日の米国債相場が景気回復期待を反映して急落し たことが売り材料視された。一方、20年債には前日に続いて買いが優 勢だったほか、午後には株安を受けて先物相場が持ち直した。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、米国の金利 上昇を受けて国内債にも売りが先行したが、午後の取引では株価続落 が相殺する展開だった指摘。20年債の入札も終えて需給不安が後退す る中、現物市場も総じてもみ合いの推移だったと話した。

東京先物市場の中心限月の3月物は前日比26銭安い139円47銭 で始まり、直後にこの日の安値139円42銭を付けた。その後は139 円60銭を挟んで一進一退が続いたが、午後2時半前後には139円70 銭台に戻しており、結局は1銭高の139円74銭で週末の取引を終えた。

20年債の入札結果が順調だったことから、先物3月物は前日午後 の取引で一段高となったが、その後の米国市場の債券安やドル高・円 安傾向を手掛かりに朝方は売り優勢の展開となった。

20日の米国債市場では新規失業保険申請件数の減少や、中古住宅 販売の予想以上の増加をきっかけに売りが膨らみ、米10年債利回りは 11ベーシスポイント(bp)高い3.45%付近で引けた。また、ニューヨ ーク外国為替相場は1ドル=82円台前半から一時は83円乗せまで、 1円近くもドル高・円安方向に動いた。

株安が下支え

一方、ブラジルが19日に政策金利を引き上げたほか、中国でも金 融引き締め懸念がくすぶる中、市場では新興国経済の先行き不透明感 も意識され始めた。実際、米国では景気回復期待が根強いにもかかわ らず、前日の米国株相場は商品相場の下げなどを嫌気して小安く引け ており、国内市場においても日経平均株価が午後に下げ幅を拡大させ たことが債券先物市場での下支え要因となった。

DIAMアセットマネジメントの山崎信人エグゼクティブファン ドマネジャーは、新興国の金融引き締めが世界経済の成長を抑制する との懸念から、株式や商品といったリスク資産売りが出ており、結果 的に国内債を売りにくい地合いにさせたと話していた。

10年債利回りは一時1.225%

現物市場で長期金利の指標となる新発10年物の312回債利回りは、 前日比2.5bp高い1.225%で始まった。開始後に買いが先行すると

1.205%まで上昇幅を縮めて、日中取引では1.205-1.22%でのもみ合 いが続いた。午後4時10分現在では0.5bp高の1.205%で取引されて いる。

米国債相場が急落したことなどを手掛かりに売り優勢の展開だっ たが、312回債利回りは1.2%台前半でのもみ合いとなった。今週に実 施された5年債や20年債の入札で順調な結果が示されたことから、市 場では金利上昇時の需要の強さが確認された格好となっており、岡三 アセットマネジメントの山田氏は、「短期的には19日に付けた1.26% を上限とするレンジ相場」との認識を示した。

また、24日の流動性供給を除くと、2月1日の10年債入札まで 長期や超長期ゾーンの国債入札が途切れる。今後も米国の金利動向や 内外株式相場をにらむ展開が続くとはいえ、少なくとも現物市場の需 給面からは金利が上がりにくくなる公算が大きい。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、昨年11、12 月に金利は大きく上昇したが、当時と比べて投資家が慎重なので金利 は上がりにくく、結果的にレンジ相場になりやすいと話した。

超長期債相場は堅調地合いが続いており、20年物の123回債利回 りは0.5bp低下の1.975%となっている。一時は12日以来の低水準と なる1.965%を付けた。

来週の10年債は1.2%中心か

市場関係者の間では、来週の10年債利回りは1.2%を中心とした 推移が見込まれている。岡三アセットマネジメントの山田氏は、世界 的な株安が続くかどうかがひとつのポイントとしながらも、「景気の緩 やかな回復とインフレ懸念に起因した株価調整への懸念が交錯する中、 10年債は1.2%付近でのもみ合い継続」だと予想した。

1月の主要な国債入札を終えたことから、現物市場の需給面から は金利上昇リスクが緩和しそう。ドイツ証の山下氏は、流動性供給入 札を除くと2月1日の10年債入札まで長期や超長期の発行が途切れ るため、5年債の0.5%台をはじめ短中期ゾーンの金利が安定すれば、 10年ゾーンの金利にも上昇圧力がかかりにくくなるとみている。

24、25日には日本銀行の金融政策決定会合、25、26日には米連邦 公開市場委員会(FOMC)が開催されるが、市場では特段の材料に はならないとの見方が多い。日銀の金融政策決定会合について有力日 銀ウォッチャー15人の全員が現状維持を予想しており、FOMCでも 政策金利は据え置かれる見通し。DIAMアセットマネジメントの山 崎氏は、FOMCの声明でも特段の波乱はなさそうだと話した。

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