【クレジット市場】日本のデフレ見通しが緩和-食料価格と中国成長で

日本のインフレ連動債からみた投資 家のデフレ予想は、少なくとも2008年9月以来最小幅となっている。 食料価格の上昇や日本の二大輸出先である中国と米国の景気拡大が日 本の成長を促すのが背景だ。

ブルームバーグのデータによると、インフレ連動債は今後8年間、 年平均0.3%のペースで消費者物価が下落すると国内投資家が予想して いることを示している。予想下落率は今月初めの0.4%から小幅縮小し ている。いわゆるブレーク・イーブン・インフレ率が示すところでは、 向こう1年間の米国の物価上昇率は1.67%、英国では3.165%となって いる。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の西村崇アナリストは、日本 経済について「グローバルな景気回復と足並みをそろえていけば、物価 下落もだんだん緩和していくとの見方が出てきている」と話す。また 「春ぐらいに輸出主導で景気は踊り場を脱却するとの見方がメーンシ ナリオになってきているという気はする」と述べた。

日本経済は昨年10-12月期にマイナス成長に陥ったとみられるが、 米国の景気回復と中国の成長加速に下支えされている。米中両国を合わ せると、日本の全輸出額の約35%を占める。日本銀行は24、25の両日、 経済成長率と消費者物価見通しを見直す。スタンダード・チャータード は、米国の景気拡大が日本からの輸出増をもたらすとして、11年の日本 の国内総生産(GDP)伸び率予想を従来の0.5%から1.9%に引き上 げた。

債券相場の反発

20日の日本の債券相場は反発した。現物債市場で長期金利の指標と なる新発10年物の312回債利回りは午後になって6ベーシスポイント 低い1.20%まで低下した。一方、BGキャンター・マーケット・データ によると、20日の米国市場では米10年債利回りは2ベーシスポイント 低い3.32%に下がった。

日本は、物価連動債がデフレ予想を示している唯一の国だが、2008 年6月10日発行された10年物インフレ連動債(表面金利1.4%)の利 回りは現時点で1.295%と、昨年5月時点の1.952%を下回り、デフレ 見通しが緩和していることを示している。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのデータによれば、日本の インフレ連動債の2010年の利回りは4.5%と普通国債をなお上回ってい るが、09年の9.7%からは大きく低下した。

一方、ブルームバーグのデータによれば、09年末に5年物インフレ 連動債を購入し、今まで保有していた投資家の利回りは2.4%なのに対 し、同様の年限の債券購入者は0.8%だった。

食料価格の上昇

8つの先物指数で構成するスタンダード・アンド・プアーズ(S& P)GSCI・アグリカルチャー指数は、トウモロコシや小麦を中心に 過去12カ月間に52%上昇した。これはカナダや中国、オーストラリア での洪水や、ロシア、欧州での干ばつで穀物の生育や収穫が打撃を受け ているためだ。

55品目に上る食料品の卸売価格からなる国連食糧指数は現在、ハイ チやエジプトなどで暴動が発生した08年の水準を上回っている。昨年 12月の日本の国内企業物価指数は前年同月比1.2%上昇となり、08年 11月以来約2年ぶりの高い伸びだった。

バークレイズ銀行チーフFXストラテジストの山本雅文氏は、世界 的に起きている食料インフレが日本の物価にも影響を及ぼすのではな いかとの見方が、インフレ連動債の取引にも反映し始めているのではな いか、と話している。

経済成長見通し

20日発表された昨年10-12月の中国の国内総生産(GDP)は前 年同期比9.8%の伸びとなった。これに対し、28日に発表予定の米国の 同期の経済成長率は年率3.5%が見込まれている。

日本銀行の門間一夫調査統計局長は19日午後に都内で行った景気 討論会で、10年度の日本の経済成長率について「恐らく3%台に乗るだ ろう」と指摘、これまでのプラス2.1%という見通しが上方修正される 可能性を示した。加えて、24、25日の金融政策決定会合を前にブルーム バーグが実施した有力日銀ウオッチャー調査によると、15人全員が政策 金利と金融資産買い入れ等基金の現状維持を予想した。

バンク・オブ・アメリカ指数によると、日銀が金融資産買い入れ等 基金の創設を発表した昨年10月5日以降、日本国債市場の投資家は2% の損失を被っている。この間、日経平均株価は9.7%のリターンがあっ た。また、野村証券のデータによると、日本国債と円建て外債(サムラ イ債)のスプレッドは、20日に1ベーシスポイント縮小して90ベーシ スポイントとなった。

一方、シティグループによると、日本国債の保証コストを示す5年 物のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は、20日午後零時 34分現在、0.5ベーシスポイント低い84.5ベーシスポイントとなった。 これは、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループの価格が 示す中国の保証コストの76ベーシスポイント(中国・北京時間の午後 3時11分現在)を上回っている。

-- --With assistance by Jim Poole and Wes Goodman in Singapore and Yusuke Miyazawa and Yoshiaki Nohara in Tokyo. Editors: Lily Nonomiya, Brian Fowler, Patrick Chu.

参考画面: 翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: 東京 小沢 均 +81-3-3201-3106 Hozawa1@bloomberg.net  Editor: Kenzo Taniai, Fukashi Maruta,Eijiro Ueno 記事に関する記者への問い合わせ先: Mayumi Otsuma in Tokyo +81-3-3201-8966 or at motsuma@bloomberg.net. 記事に関するエディターへの問い合わせ先: Paul Panckhurst at +852-2977-6603 or ppanckhurst@bloomberg.net

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