1月20日の海外株式・債券・為替・商品市場戒

欧米市場の株式、債券、為替、商 品相場は次の通り。

◎NY外為:資源国通貨が下落、中国の引き締め策を警戒

ニューヨーク外国為替市場では、資源輸出国の通貨が対ドルで 下落。市場では中国が景気過熱を抑えるためにさらなる対策を講じる との観測が強まり、原材料への投資意欲が減退した。

ドルは主要16通貨の大半に対して上昇。朝方発表された先週の 週間失業保険申請件数は予想以上に減少、昨年12月の中古住宅販売 は予想以上の増加を記録した。南アフリカ・ランドとニュージーラン ド・ドル、オーストラリア・ドル、カナダ・ドルはいずれも下落。原 油や金、銅の価格下落が背景。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)の南北アメリカ地域G10通 貨戦略責任者、パレシュ・ウパダヤ氏は、「中国の国内総生産(GD P)統計がリスク敬遠のきっかけだった」と述べ、「中国が一段と引 き締め策を実施するとの懸念が強まり、資源国通貨が売り圧力を受け た」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、南アフリカ・ランドは対ドルで

1.3%下落して1ドル=7.0815ランド。前日は6.9931ランド。一 時は12月1日以来の安値となる7.1127ランドをつけた。ニュージ ーランド・ドルは対米ドルで1.5%下げて1NZドル=75.70米セ ント。オーストラリア・ドルは米ドルに対して1.4%下落して、1豪 ドル=98.71米セントとなっている。

カナダ・ドル

カナダ・ドルは対米ドルで、2週間ぶりにパリティー(等価)を 割り込む水準に下落。カナダ・ドルは一時、1米ドル=1.0031カナ ダ・ドルをつけたが、その後1米ドル=99.73セントに戻した。

商品19銘柄で構成するロイター・ジェフリーズCRB指数は

0.5%下げた。

ドルは対円で1.2%上昇して1ドル=83円01銭。前日は82円 02銭だった。一時は83円13銭と、1月14日以来の高値をつけた。 ドルは対ユーロではほぼ変わらずの1ユーロ=1.3473ドル。一時は

1.3523ドルをつけた。

米労働省が発表した15日に終わった1週間の新規失業保険申請 件数(季節調整済み)は前週から3万7000件減少して40万4000 件。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は 42万件だった。

中古住宅販売

米中古住宅販売は昨年12月、予想を大幅に上回る増加となった。 景気回復で借り入れコストが上昇する前に、低水準の住宅ローン金利 を確定しようとする動きが広がった。

全米不動産業者協会(NAR)が発表した昨年12月の中古住宅 販売件数(季節調整済み、年換算以下同じ)は前月比12%増の528 万戸と、5月以来の高水準となった。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミスト調査の予想中央値は487万戸だった。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)の債券・通貨ストラ テジー担当チーフテクニカルアナリスト、ジョージ・デービス氏(ト ロント在勤)は、「一部の経済統計はドル相場にとって、若干の支援 材料となった」と述べた上で、「ユーロは1ユーロ=1.35ドルの水準 を継続的に上回ることができず、ロングポジションの一部解消につな がった」と続けた。

ユーロは、1ユーロ=1.3437ドルの100日間移動平均付近で取 引されている。

中国国家統計局が発表した昨年10-12月(第4四半期)のGD Pは前年同期比9.8%増となり、第3四半期の9.6%増から加速した。 昨年12月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比4.6%上昇に鈍 化。昨年11月は前年同月比5.1%上昇だった。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨戦略世界責任者、マー ク・チャンドラー氏は、「中国の経済統計は、今も市場参加者に一段 の引き締め策が近く導入されるとの見方を抱かせる」と述べ、「中国 が金融引き締め策を講じれば輸入が圧迫され、多くの商品や商品国が 影響を受けるだろう」と続けた。

◎米国株:下げ縮める、モルガンS決算が中国懸念を相殺

米株式相場は下げをほぼ埋める展開となった。モルガン・スタ ンレーなどの金融株や住宅建設株が大きく上げたことで、中国が利上 げを実施し世界の成長が抑制されるとの懸念が相殺された。

モルガン・スタンレーは昨年7月以降で最大の上げ。10-12月 (第4四半期)の収入がアナリスト予想を上回った。また、フランク 下院議員(民主、マサチューセッツ州)がデビットカードの手数料制 限案の緩和に支持を表明したことも金融株にはプラスとなった。ホ ム・デポやS&P500種株価指数の住宅建設株指数も高い。中古住宅 販売が予想を上回ったことが好感された。フリーポート・マクモラ ン・カッパー・アンド・ゴールドは下落。中国の需要が鈍化するとの 懸念が影響した。

S&P500種株価指数は前日比0.1%安の1280.26。一時0.8% 安まで下げる場面もあった。ダウ工業株30種平均は2.49ドル (0.1%未満)下げて11822.80ドル。一時は81ドル下げた。

リッジワース・キャピタル・マネジメントのシニア投資ストラテ ジスト、アラン・ゲイル氏は「戦いが起きている」とし、「中国が経 済成長抑制で積極的な措置を講じるとの懸念が再び広がっているほ か、 バリュエーションをめぐる懸念もある。確かに金融株は上昇している し、経済関連のニュースは前向きだ。企業決算も素晴らしい。だがこ れだけ上昇してきた相場のプラス材料にはなるだろうか」と述べた。

企業決算

S&P500種の構成企業のうち70%余りで、純利益がアナリス トの予想平均を6四半期連続で上回っている。これはブルームバーグ がデータを取り始めた1993年以降では最長。

同指数の構成企業で10日以降に四半期決算を発表した42社の うち、30社がアナリスト予想を上回る利益を計上した。アナリスト 予想(平均)は昨年第4四半期が22%の増益、11年通年では14% の増益となっている。売上高については40社中32社が予想を上回 った。

S&P500種の金融株指数は0.5%高と、主要10業種中で2番 目の上げとなった。

モルガン・スタンレーは4.6%高の29.02ドル。同社の第4四 半期決算は、ブローカー事業の収入が過去最高となったことが寄与し、 前年同期比35%増益となった。全体の収入は78億1000万ドルと前 年同期の68億4000万ドルから増加。ブルームバーグがまとめたア ナリスト予想の平均は73億2000万ドルだった。

デビットカード

ビザは2.3%高の70.69ドル。米連邦準備制度理事会(FRB) はデビットカード取引で金融機関が小売店などから徴収する手数料 に上限を設ける規制を提案しているが、フランク議員はこの案に修正 を加えるため、下院で過半数を占める共和党と取り組む用意があると 表明した。

住宅関連株は上昇。全米不動産業者協会(NAR)が発表した昨 年12月の中古住宅販売件数(季節調整済み、年換算以下同じ)は前 月比12%増の528万戸と、5月以来の高水準となった。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値は487万 戸だった。ホーム・デポは2.4%高の36.49ドル。KBホームは1.4% 上げて14.98ドル。

資源株やエネルギー株は下落。商品19銘柄で構成するトムソン・ ロイター/ジェフリーズCRB指数は0.5%下落した。

フリーポート・マクモランは3.7%安の110.90ドル。同社は今 年の銅および金の売上高見通しを下方修正した。

◎米国債:下落、失業保険や住宅統計で景気上振れを警戒

米国債相場は下落。30年債利回りは8カ月ぶりの高水準となっ た。米経済指標で、新規失業保険申請件数の減少や、中古住宅販売の 予想以上の増加が示されたことを手掛かりに、景気回復が勢いを増し ているとの観測が広がった。

10年物インフレ連動債(TIPS)の入札後には、国債相場は 下げ幅を拡大した。需要が過去の平均を下回ったことに反応した。発 行額は過去最高の130億ドル。

MFグローバルの債券部門シニアバイスプレジデント、リチャー ド・ブライアント氏は、「経済指標が予想を上回ったことと、TIP S入札が影響した」と指摘。「この組み合わせにより、国債相場は取 引レンジの下限となった。今後は成長を示す統計への注目が高まるだ ろう」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後5時8分現在、30年債利回りは前日比8ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の4.61%。一時は4.63%と、昨 年4月29日以来の高水準となった。昨年の同利回りの最高水準は4 月7日に付けた4.86%、最低水準は8月25日の3.46%。同年債 (表面利率4.25%、2040年11月償還)価格は1 5/32下げて 94 7/32。

10年債利回りは11bp上昇の3.45%。一時は3.47%と、5 日以来の高水準を付けた。2年債利回りは6bp上昇の0.63%。

2年債と30年債の利回り格差は過去最大になった。インフレ加 速のリスクに対し、投資家が高い利回りを求めていることが示唆され た。同利回り格差は一時4.02ポイントに達し、利回り曲線はブルー ムバーグが1977年にデータの記録を開始して以降で最もスティープ 化した。

ドイツ2年債と米2年債の利回り格差は一時66bpと、昨年 10月以来の最大となった。この日発表されたドイツの生産者物価指 数が7カ月ぶり高水準となり、消費者物価の伸びが加速するとの懸念 が強まった。一方、米2年債利回りは今月、低下している。米連邦公 開市場委員会(FOMC)が早期には利上げを実施しないとの見方が 背景にある。

TIPS入札

この日の10年物TIPSでは、最高落札利回りは1.170%と、 入札直前の市場予想の1.108%を上回った。前回入札(11月4日) は0.409%だった。

この日のTIPS入札の規模は、財務省が1997年にTIPS 入札を開始して以来の最大だった。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.37倍と、09年4月以 来の低水準。前回入札では2.91倍だった。過去10回の入札の平 均は2.73倍。

ドイツ銀行の金利ストラテジスト、アレックス・リー氏は「入札 は不調だった」と指摘。「発行額が過去最高の130億ドルだったこ とに関係している可能性がある。インフレは依然として歴史的レンジ の下限にとどまっており、TIPS市場ではすでに今年のインフレ上 昇を織り込んでいる」と述べた。

この日の入札では、落札全体に占める海外の中央銀行を含む間接 入札の割合が37.9%。11月の入札では57.7%と、06年以来の最 高だった。過去10回の入札の平均は44.9%。

経済指標

米労働省がこの日発表した15日に終わった1週間の新規失業保 険申請件数(季節調整済み)は前週から3万7000件減少して40 万4000件。2010年2月以来で最大の減少だった。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は42万件だった。 失業保険の継続受給者数は減少した一方、通常の給付期間(26週) 以内に再就職できず緊急失業保険給付制度(ECU)に移行した受給 者と、ECUも使い切って延長給付を受給している受給者の合計(季 節調整前)は増加した。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロ ス氏は、「労働市場は悩みの種だったが、回復の兆しが見え始めてい る」と述べた。

全米不動産業者協会(NAR)が発表した昨年12月の中古住宅 販売件数(季節調整済み、年換算)は前月比12%増の528万戸と、 5月以来の高水準となった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエ コノミスト調査の予想中央値は4.1%増だった。

財務省はこの日、来週実施する入札の規模を総額990億ドルと 発表した。発行額は2年債が350億ドル、5年債は350億ドル、7 年債は290億ドル。発行額はプライマリーディーラー9社の予想平 均と一致した。

◎NY金:反落、ドル高で代替投資需要が緩和-終値1346.50ドル

ニューヨーク金先物相場は反落。2カ月ぶりの安値をつけた。ド ルの堅調を受けて、代替投資としての需要が弱まった。

米経済に対する楽観的な見方からドルは主要6通貨バスケット に対して上昇。金はこのままいけば昨年7月以来で初めて月間ベース での下落となる。ヘッジファンドなどの大口投機家は前週、金の上昇 につれて買い持ち高を縮小。金連動型上場投資信託(ETF)の金保 有量は前日、昨年10月以来の大幅な減少を記録した。金は2010年 に30%上昇し、12月7日には1オンス=1432.50ドルと過去最高 値を更新した。

プロスペクター・アセット・マネジメント(イリノイ州)のレオ ナード・カプラン社長は「金の上昇局面は終わりに近い。買い持ち高 の解消が続いている。ドルは堅調となり、商品相場はどれも高過ぎる」 と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 2月限は前日比23.70ドル(1.7%)安の1オンス=1346.50ド ルで終了した。一時は1342.40ドルと、11月19日以来の安値を つけた。

◎NY原油先物:2週間ぶりの大幅安-中国の利上げを警戒

ニューヨーク原油先物相場は2週間ぶりの大幅安。中国がインフ レ対策で利上げを実施するとの見方から、経済成長とエネルギー需要 が減速するとの懸念で売りが膨らんだ。

昨年12月の中国のインフレ率は4.6%。第4四半期の経済成長 率は9.8%だった。米エネルギー省の統計で原油在庫が7週間ぶりに 増加したことも売り材料。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチ (マサチューセッツ州ウィンチェスター)のマイケル・リンチ社長は 「中国の景気沈静化に向けた政策に関する懸念で相場は下落してい る」と指摘。「中国が何らかの行動を取れば、需要減退につながる恐 れがある」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物2月限は前日 比2ドル(2.20%)安の1バレル=88.86ドルで終了。4日以来の 大幅安となった。過去1年では14%上げている。

◎欧州株:続落、中国の追加利上げ警戒-自動車株に売り

欧州株式相場は続落。中国経済の成長加速に伴い、同国政府がイ ンフレ抑制で追加利上げを実施するとの懸念が強まった。米失業保険 申請件数が減少したものの、中国利上げへの警戒を打ち消すには至ら なかった。

イタリアのフィアットとドイツのフォルクスワーゲン(VW)を 中心に自動車株が下げた。英豪系鉱山会社リオ・ティントは2カ月ぶ りの大幅安。中国からの需要が落ち込むとの懸念から売られた。

英格安航空会社イージージェットは16%急落。燃料コストの上 昇で2010年9月-11年3月(上期)が赤字になるとの見通しが嫌 気された。フランスのホテルチェーン、アコールは6.2%下げた。売 上高が予想に届かなかったことが売りを誘った。

ストックス欧州600指数は前日比1.2%安の279.39で終了。

1.4%下落した前日をあわせた2営業日の下げ幅は昨年8月以降で 最大となった。年初来では依然としてプラスで、上昇率は1.3%。欧 州各国の首脳が債務危機の拡大を阻止する取り組みを強化するとの 期待が背景にある。

ドイツ銀行(ミラノ)のジョルジオ・マスケローネ最高投資責任 者(CIO)は、「株式市場は中国引き締め懸念に打撃を受けている」 と指摘。「2011年は好調な出足だったことから、ある程度の利益確 定は理にかなっている」とも述べた。

中国の昨年10-12月(第4四半期)の国内総生産(GDP)は 前年同期比9.8%増。工業生産と小売売上高が堅調で、当局に利上げ 継続を求める圧力が強まった。一方、米労働省がこの日発表した先週 の失業保険申請件数は予想以上に減少した。

ストックス欧州600指数を構成する19産業グループの中で自 動車銘柄が2番目に大きな下げを記録。フィアットは3.8%安、VW は4.6%下落した。

◎欧州債:独2年債が下落、物価統計でインフレ懸念強まる

欧州債市場ではドイツ2年債相場が下落。この日発表されたドイ ツの生産者物価指数が7カ月ぶり高水準となり、消費者物価の伸びが 加速するとの懸念が強まった。

ドイツ2年債利回りは約1年ぶり高水準に近づいた。ドイツ連邦 統計庁が発表した2010年12月の生産者物価指数は前月比0.7%上 昇し、エコノミスト予想の中央値(0.5%上昇)を上回った。欧州中 央銀行(ECB)のトリシェ総裁による先週のインフレリスクの高ま りへの言及で、同利回りは前週も上昇していた。

この日はフランス10年債も下落した。同国は国債を約120億 ユーロ入札した。

ラボバンク・グループ(ユトレヒト)のシニアマーケットエコノ ミスト、エルビン・デグロート氏は、「物価面での動向を無視すべき ではない。インフレのトレンドはより広い範囲で顕著になった。とり わけ短期債などの国債にとってプラス材料ではない」と語った。

ドイツ2年債利回りはロンドン時間午後3時8分現在、前日比 10ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の1.27%と、 11日以降で最大の上げとなった。同国債(表面利率1%、2012年 12月償還)価格は0.2ポイント下げ99.51。独10年債利回りは 8bp上昇の3.18%。

◎英国債:下落、10年債利回り3.69%に上昇-2年債利回り1.35%

英国債相場は下落。10年債利回りは前日比6ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の3.69%。

同国債(表面利率4.75%、2020年3月償還)価格は0.495 ポイント下げ108.12。2年債利回りも6bp上げ1.35%となった。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 楽山 麻理子 Mariko Rakuyama +1-212-617-4903 mrakuyama@bloomberg.net Editor:Tsuneo Yamahiro ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net Editor: Akiko Nishimae 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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