1月20日の米国マーケットサマリー:国債が下落、景気上振れを警戒

ニューヨークの為替・株式・ 債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3480 1.3473 ドル/円 82.99 82.02 ユーロ/円 111.88 110.49

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 11,822.80 -2.49 .0% S&P500種 1,280.26 -1.66 -.1% ナスダック総合指数 2,704.29 -21.07 -.8%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .63% +.06 米国債10年物 3.44% +.10 米国債30年物 4.60% +.07

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金(ドル/オンス) 1,346.50 -23.70 -1.73% 原油先物 (ドル/バレル) 88.86 -2.00 -2.20%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、資源輸出国の通貨が対ドルで下 落。市場では中国が景気過熱を抑えるためにさらなる対策を講じると の観測が強まり、原材料への投資意欲が減退した。

ドルは主要16通貨の大半に対して上昇。朝方発表された先週 の週間失業保険申請件数が予想以上に減少、昨年12月の中古住宅販 売は予想以上の増加を記録した。南アフリカ・ランドとニュージーラ ンド・ドル、オーストラリア・ドル、カナダ・ドルはいずれも下落。 原油や金、銅の価格下落が背景。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)の南北アメリカ地域G10通 貨戦略責任者、パレシュ・ウパダヤ氏は、「中国の国内総生産(GD P)統計がリスク敬遠のきっかけだった」と述べ、「中国が一段と引 き締め策を実施するとの懸念が強まり、資源国通貨が売り圧力を受け た」と続けた。

ニューヨーク時間午後3時2分現在、南アフリカ・ランドは対ド ルで1.2%下落して1ドル=7.0745ランド。前日は6.9931ラン ド。一時は12月1日以来の安値となる7.1127ランドをつけた。 ニュージーランド・ドルは対米ドルで1.5%下げて1NZドル=

75.76米セント。オーストラリア・ドルは米ドルに対して1.3%下 落して、1豪ドル=98.79米セントとなっている。

◎米国株式市場

米株式相場は下げをほぼ埋める展開となった。モルガン・スタン レーなどの金融株や住宅建設株が大きく上げたことで、中国が利上げ を実施し世界の成長が抑制されるとの懸念が相殺された。

モルガン・スタンレーは昨年7月以降で最大の上げ。10-12月 (第4四半期)の収入がアナリスト予想を上回った。また、フランク 下院議員(民主、マサチューセッツ州)がデビットカードの手数料制 限案の緩和に支持を表明したことも金融株にはプラスとなった。ホー ム・デポやS&P500種株価指数の住宅建設株指数も高い。中古住宅 販売が予想を上回ったことが好感された。フリーポート・マクモラ ン・カッパー・アンド・ゴールドは下落。中国の需要が鈍化するとの 懸念が影響した。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価 指数は前日比0.1%安の1280.26。一時0.8%安まで下げる場面 もあった。ダウ工業株30種平均は2.49ドル(0.1%未満)下げて

11822.80ドル。

セキュリティー・グローバル・インベスターズで250億ドル超 の資産運用に携わるマーク・ブロンゾ氏は、「これは短期的な見通し と長期的な見通しとの戦いだ」と分析。「特に相場がこれまで非常に 大きく上げてきたことから、中国の利上げ懸念がマイナスなのは当然 だ。その一方で、米企業の決算はまあまあの数字が出ているほか、景 気も持続的な回復を示す兆候が増えている。これは、一時的に上昇一 服が見られたとしても、長期投資の観点からは好ましい状況だ」と述 べた。

◎米国債市場

米国債相場は下落。30年債利回りは昨年4月以来の高水準とな った。米経済指標で、新規失業保険申請件数の減少や、中古住宅販売 の予想以上の増加が示されたことを手掛かりに、景気回復が勢いを増 しているとの観測が広がった。

2年債と30年債の利回り格差は過去最大になった。インフレ加 速のリスクに対し、投資家が高い利回りを求めていることが示唆され た。10年物インフレ連動債(TIPS、発行額130億ドル)の入札 後には、国債相場は下げ幅を拡大。需要が過去の平均を下回ったこと に反応した。米連邦準備制度はこの日、国債購入プログラムの一環と して、22億ドル相当の米国債を買い入れた。

キャンター・フィッツジェラルドの金利責任者、ブライアン・エ ドモンズ氏は「米国は成長を続けているというのが市場の認識だ」と 指摘。「利回りはじりじりと上げてきた。今年下期に景気が上向き始 め、当局が国債購入をやめれば、利回りは上昇し続けるかもしれない。 しかし、今は不安定な環境での推移となっている」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後2時33分現在、30年債利回りは前日比9ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の4.62%。一時は4.63%と、昨 年4月29日以来の高水準となった。同年債(表面利率4.25%、 2040年11月償還)価格は1 14/32下げて93 30/32。

10年債利回りは11bp上昇の3.45%。一時は3.47%と、5 日以来の高水準を付けた。2年債利回りは4bp上昇の0.61%。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は反落。2カ月ぶりの安値をつけた。ド ルの堅調を受けて、代替投資としての需要が弱まった。

米経済に対する楽観的な見方からドルは主要6通貨バスケット に対して上昇。金はこのままいけば昨年7月以来で初めて月間ベース での下落となる。ヘッジファンドなどの大口投機家は前週、金の上昇 につれて買い持ち高を縮小。金連動型上場投資信託(ETF)の金保 有量は前日、昨年10月以来の大幅な減少を記録した。金は2010年 に30%上昇し、12月7日には1オンス=1432.50ドルと過去最高 値を更新した。

プロスペクター・アセット・マネジメント(イリノイ州)のレオ ナード・カプラン社長は「金の上昇局面は終わりに近い。買い持ち高 の解消が続いている。ドルは堅調となり、商品相場はどれも高過ぎる」 と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 2月限は前日比23.70ドル(1.7%)安の1オンス=1346.50ド ルで終了した。一時は1342.40ドルと、11月19日以来の安値を つけた。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は2週間ぶりの大幅安。中国がインフ レ対策で利上げを実施するとの見方から、経済成長とエネルギー需要 が減速するとの懸念で売りが膨らんだ。

昨年12月の中国のインフレ率は4.6%。第4四半期の経済成長 率は9.8%だった。米エネルギー省の統計で原油在庫が7週間ぶりに 増加したことも売り材料。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチ (マサチューセッツ州ウィンチェスター)のマイケル・リンチ社長は 「中国の景気沈静化に向けた政策に関する懸念で相場は下落している」 と指摘。「中国が何らかの行動を取れば、需要減退につながる恐れが ある」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物2月限は前日 比2ドル(2.20%)安の1バレル=88.86ドルで終了。4日以来の 大幅安となった。過去1年では14%上げている。

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