日本株反落、米住宅低調や円高警戒し輸出売り-中国警戒も

東京株式相場は反落。住宅着工件 数の低調を受け米国経済の回復期待が後退、為替のドル安・円高懸念 も再燃し、収益の先行き警戒感から電機や精密機器、機械など輸出関 連株中心に売りが広がった。経済統計発表後の中国株が下落基調を強 めたことも、市場参加者の心理にマイナスに作用した。

TOPIXの終値は前日比9.68ポイント(1%)安の927.19、 日経平均株価は同119円79銭(1.1%)安の1万437円31銭。

富国生命保険の山田一郎株式部長は、米国経済は依然として回復 基調にあるとの認識だが、懸案の住宅関連指標で弱めの数値が出てく れば、「市場参加者の心理は楽観に傾いていただけに、直近で買われて きた日米の株式には利益確定売りが出やすくなる」と指摘した。

米商務省が19日発表した昨年12月の住宅着工件数は年率換算で 前月比4.3%減の52万9000戸と、2009年10月以来の低水準だった。 エコノミストによる事前予想の中央値は55万戸。10年通年の住宅着 工件数は前年比6.1%増の58万7600戸で、1959年の集計開始以来で 2番目に低い水準となった。

米景気回復が引き続き弱いペースで推移する兆候が示され、外国 為替市場では、東京時間20日未明にかけドルが対主要通貨で弱含んだ。 対円で81円台後半までドル安・円高方向に振れ、収益懸念の再燃で日 本の輸出関連株には朝方から売りが先行。東証1部売買代金上位では キヤノン、ファナック、トヨタ自動車、コマツ、TDKなどが下げた。

みずほ証券の倉持靖彦投資情報部長によれば、「1ドル=80円の 節目に向けて円高が再び進行するのでは、と警戒されている」という。 日本株は高値圏に張り付いていただけに、売りのタイミングを探って いた市場参加者は多く、「円高進行への懸念が、輸出株を中心とした売 りのきっかけにされた」と見ていた。

半導体関連の下げ目立つ、中国は引き締め懸念も

相場の下げを主導した輸出関連の中で、東京エレクトロンやアド バンテスト、大日本スクリーン製造、ルネサスエレクトロニクス、信 越化学工業など半導体関連銘柄の下げが目立った。19日の米国市場で はハイテク株が下げ、ナスダック総合指数は1.5%安、米半導体株の 指標となるフィラデルフィア半導体SOX指数は2.4%安と急落。欧 州最大の半導体製造装置メーカー、オランダのASMLホールディン グ株の決算発表後急落の影響も出て、持ち高調整の売りに押された。

一方、日本時間午前11時に中国国家統計局が複数の経済指標を発 表。昨年10-12月(第4四半期)の中国での国内総生産(GDP)は 前年同期比9.8%増加し、エコノミスト22人の調査中央値(9.4%増) を上回った。また、昨年12月の消費者物価指数(CPI)は前年同月 比4.6%上昇し、市場予想と一致。2010年通年のCPIは3.3%上昇 し、政府目標の3%を上回った。

カブドットコム証券の山田勉マーケットアナリストは中国の経済 指標について、市場の事前予想に沿った内容でサプライズはないと指 摘。ただ、CPIの伸びが中国政府の抑制目標とする3%を上回る状 況は当面続きそうで、「金融引き締め強化の懸念などで中国株が下げて いることが、心理面で日本株にとってもマイナス」としていた。

中国市場では、上海総合株価指数、香港ハンセン指数がともに下 落。富国生命の山田氏は、インフレ抑制のため金融引き締めは続き、 人民元の切り上げ観測が台頭する場面も出てきそうと指摘、「金融と財 政両面の手綱さばきで、中国経済がハードランディングを回避できる かどうか、慎重な見極めが必要だ」と話している。

東証1部の売買高は概算で20億4012万株、売買代金は1兆3774 億円。33業種はその他製品、その他金融、不動産、電機、ゴム製品、 繊維製品、鉱業、化学、精密機器など29業種が下落、パルプ・紙、陸 運、水産・農林、電気・ガスの4業種が上げた。値下がり銘柄数は1245、 値上がりは305。

三井不など不動産も弱い、ダイハツ工は堅調

個別では、割安感が薄れたとして、みずほ証券が投資判断を「中 立」に下げた三井不動産や野村不動産ホールディングス、東京建物、 ゴールドクレストなどが安い。野村証券が投資判断を「2(中立)」に 引き下げたアルフレッサホールディングスが売られ、東証1部の下落 率上位にはニッパツ、ケネディクス、小森コーポレーションなど。

半面、入園者数増加で業績が市場予想を上回るとの見方から、ド イツ証券が新規に投資判断を「買い」としたオリエンタルランドが上 昇。インドネシアでの生産能力拡大、今夏の低燃費車投入の方針が明 らかになったダイハツ工業、JPモルガン証券が投資判断を「オーバ ーウエート」に引き上げたトヨタ紡織も高い。

国内新興市場は、ジャスダック指数が前日比0.6%安の54.05と 10営業日ぶりに反落。東証マザーズ指数は同2.3%安の462.62と反落 した。11年3月期の純利益予想を下方修正したスカイマークが急落し、 楽天、ユビキタス、サイバーエージェントが安い。

半面、中国で製造派遣事業に参入することが明らかになった日本 マニュファクチャリングサービスがストップ高(値幅制限いっぱいの 上昇)。自社株買い方針を示した太陽工機が買われ、今春にもコナミが 完全子会社化すると日本経済新聞電子版で20日午後に報じられたハ ドソンは、急騰後の午後1時38分以降、売買停止となった。

-- Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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