ドルは売り買い交錯、リスク回避で買い続かず-米景気懸念くすぶる

東京外国為替市場ではドルが売り 買い交錯となり、対ユーロでは1ユーロ=1.34ドル台で推移した。中 国の金融引き締め懸念から中国株が下落し、積極的にリスクを取りに くいなか、低金利で調達通貨であるドルは買いが先行。ただ、米景気 の回復ペースに対する懸念がくすぶっているため、その動きも続かず、 午後にかけてはドルが弱含む展開となった。

ユーロ・ドル相場は1.34ドル台後半から一時、1.3427ドルまで ユーロ売り・ドル買いが進行。その後はドルが伸び悩み、午後4時20 分現在は1.3440ドル前後で推移している。

みずほコーポレート銀行国際為替部の加藤倫義参事役は「きのう までリスクを取りにいこうということでドル売り、円売りが進んでい たが、きょうはその逆の動きが出ている」と指摘。一方、米国経済に ついては、「回復しているとは言え、それほど実体経済に明るい芽が出 ているかというと疑問だ。現実的にはまだ安心し切れないところが残 っている」と話していた。

ドル・円相場は1ドル=82円台前半で推移した。対ユーロでのド ル買いや国内輸入企業の円売りに一時、82円25銭までドル高・円安 に振れたが、米長期金利が低下するなか、ドルの上値は重かった。ユ ーロ・円相場は1ユーロ=110円台半ばを中心にもみ合い。

引き締め懸念で中国株が反落

20日の中国株式相場は3日ぶりに反落。予想を上回る中国の経済 成長がインフレを加速させ、当局に利上げを求める圧力が高まるとの 懸念が響いた。

この日発表された中国の昨年10-12月の国内総生産(GDP)は 前年同期比9.8%増加し、市場予想を上回る伸びとなった。7-9月 (第3四半期)は同9.6%増。昨年12月の消費者物価指数(CPI) は前年同月比4.6%上昇し、市場予想と一致した。

中国国家統計局の馬建堂局長は、同国は今年、比較的大きいイン フレ圧力に直面しており、上昇傾向にある物価について楽観視できな いと述べた。また、中国国家発展改革委員会(発改委)はウェブサイ トで、中国のCPIの上昇率は1-3月(第1四半期)に高止まりが 見込まれるとし、同国は引き続き物価安定への取り組みを継続すると の方針を示した。

シティバンク銀行個人金融部門リテール・プロダクト本部為替市 場調査の尾河真樹シニアマーケットアナリストは、この日の東京市場 でドル買いが先行したことについて「ユーロ・ドルは1.35ドルの節目 にきたことでいったん売りも出ているようで、それによりドル・円で もドルが少し買い戻されている面もあるだろう」と解説。その上で、 中国株が軟調ななか、リスク回避の動きから対豪ドルなどで円が大幅 上昇すれば、ドル・円も多少円高方向に引っ張られる可能性はあるが、 「基本的に高金利通貨に対してはドル高、円高となるため、ドル・円 で大きな方向感が出ることは想定しにくい」と話していた。

米景気回復に懸念

前日の海外市場では米住宅着工件数の予想以上の落ち込みなどを 嫌気して米国株が下落。米景気回復の足踏み懸念を背景に米長期金利 が低下するなか、外国為替市場ではドルが売られ、対ユーロでは一時、 昨年11月23日以来、約2カ月ぶりの水準となる1.3539ドルをつけた ほか、対円では一時、2週間ぶりに82円ちょうどを割り込む場面が見 られた。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、 この日米国で発表される昨年12月の中古住宅販売件数は前月比4.1% 増の年率換算487万戸が見込まれている。増加は2カ月連続となるが、 約10年ぶりの低水準に落ち込んだ需要の回復には手間取っていると エコノミストらは指摘している。

米民間調査機関コンファレンス・ボードが発表する12月の景気先 行指標総合指数(LEI)は前月比0.6%上昇、先週分の新規失業保 険申請件数は前週から減少する一方、1月8日終了週の失業保険継続 受給者は前週から増加するとみられている。

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