政府:外為特会の積立金4兆円程度活用しFB償還-残高圧縮へ一歩

政府は来年度中に、外国為替資金 特別会計の積立金(約20.6兆円)の一部を特会保有の政府短期証券(F B)の償還に充てる方針を決めた。為替介入の資金確保などのために 発行した100兆円を超える発行残高の圧縮に向けた一歩とする。20日 夕開かれた政府の行政刷新会議で配布された資料で明らかになった。 充当額は財務省資料によると、4兆円程度となる。

外為特会は介入に必要な円貨借り入れのために発行したFBから なる負債と、介入で得た外貨を中心とした資産の「両建て」。内外金利 差などによって発生した外貨資産の運用益から得た剰余金もFB発行 で円に換え、積立金への積み立てや一般会計への繰り入れに活用して いるため、FBの発行残高は112兆円に上っている。

政府の行政刷新会議は昨年10月の事業仕分け第3弾で、外為特会 について「積立金を中期的にFBの償還に充て、資産と負債の両サイ ドを減らす」とした上で、「外貨運用益をFB発行によって円に換える ことで負債が積み上がる構造の解消を図る」と判断していた。

積立金は財政融資資金法により財政投融資への預託義務があるた め、法改正が必要だ。しかし、関連法案提出は来年の通常国会に予定 されていることから、1年間の暫定措置として満期償還分を再預託せ ず、FB償還に充てる「繰替使用」制度を活用する。

これを受け、政府は2011年度予算で財政融資資金(10.9兆円) の資金繰りのため、財投債を2兆円上積みして14兆円発行するほか、 短期市場への影響を考慮して「財政融資資金証券」約2兆円を別途発 行することで対応。市場では差し引き2兆円の発行抑制が見込まれる。

岡三証券の坂東明継シニアエコノミストはブルームバーグ・ニュ ースに対し、「発行が大幅に減らされると運用サイドは困る。金融機関 の運用に差し障りが出る。外為特会にとってはニュートラルだが、短 期金融市場への影響が出るかもしれない」との見方を示している。

外為特会の資産規模は80.5兆円の外貨資産と積立金(財投預託金) を合わせた約101.1兆円(昨年9月末時点、1ドル=82円の場合)。 これに対し、FB発行残高は年間最大の介入(約32兆円)を実施した 03年度以降急激に増加、07年度には102.9兆円と100兆円を突破した。

外為特会では08年度以降も約3-4兆円の剰余金が発生してお り、来年度予算では今年度に続き剰余金2.7兆円全額を一般会計に繰 り入れる方針。政府はFB発行増を見越し、今年度予算ではFBの借 入限度枠を5兆円引き上げ145兆円に設定した。11年度には、昨年9 月の2兆円規模に上る為替介入を受けて、さらに150兆円に拡大する。

-- Editor: Norihiko Kosaka, Hitoshi Ozawa

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