「日銀サーベイ」金利予想、経済物価情勢、金融政策の展望コメント

【記者:日高正裕】

1月21日(ブルームバーグ):ブルームバーグ・ニュースは24、 25日の日銀の金融政策決定会合を前に、有力「日銀ウオッチャー」15 人に金融政策の予想を聞いた。質問内容は以下の通り。アンケート回 答期限は20日午前8時。エコノミスト予想のまとめ記事として「日銀 は『踊り場脱却近し』と連呼も、消えない年度末の追加緩和観測」を 同時配信した。

1)今回の会合で予想される政策、2)日銀が政策金利を「引き 下げる」時期、3)日銀が政策金利を「引き上げる」時期、4)~11) 政策金利の予想水準(氏名50音順、カッコは前回回答)、12)経済、 物価情勢の見通し、欧州の財政危機と円高再燃のリスク、13)①8月 の消費者物価指数(CPI)の基準改定で予想されるコアCPI(除 く生鮮食品)前年比の下方修正幅②基準改定が金融市場と金融政策に 与える影響③基準改定を織り込んだ2011、12年度のコアCPI前年比 の予測、14)金融政策の展望、年度末の追加緩和の可能性。

●三菱UFJモルガン・スタンレー証券の石井純チーフ債券ストラテジスト 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :なし 3)利上げ時期 :2013年度下期以降(2013年度下期) 4)11年3月末 :0.00%-0.10%(同) 5)11年6月末 :0.00%-0.10%(同) 6)11年9月末 :0.00%-0.10%(同) 7)11年12月末 :0.00%-0.10%(同) 8)12年3月末 :0.00%-0.10%(同) 9)12年6月末 :0.00%-0.10%(同) 10)12年9月末 :0.00%-0.10%(同) 11)12年12月末 :0.00%-0.10%

12)米国経済は景気回復持続。企業、個人消費とも底堅い。ただし家 計の過剰債務問題が引き続き足かせとなっている。成長ペースの加速 までは見込まれない。むしろ、住宅価格の再下落に伴う債務デフレ圧 力の再燃、バランスシート調整の長期化が気がかり。ユーロ圏経済は 引き続きコア国と周辺(財政危機)国の著しい二極化状態。“大黒柱の ドイツ次第”というもろさをはらんでいる。

欧州中央銀行(ECB)がインフレリスクを重視して出口戦略の 前倒しをほのめかしたが、拙速のリスクが伴う。金利先高観を背景に ユーロ高が進行すれば輸出依存のドイツとユーロ圏にとって自縄自縛 になる。アジア経済は堅調持続。ただし金融引き締めの影響で減速へ。

国内景気は踊り場継続。ただし後退局面入りは回避し、年後半に 踊り場を脱却、輸出主導による緩やかな回復軌道に復帰へ。前提は1 ドル=70円台以上の円高回避と海外経済の堅調持続。物価は根雪のよ うなデフレギャップを背景に下落傾向が続く。下落率は縮小するが、 基準改定に伴い下方修正される公算が濃厚。デフレ長期化観測があら ためて強まる場面が想定される。

13)①少なくとも0.4%ポイント②総務省統計局は06年の前回改定時 のCPIショック踏まえ、新指数をあらかじめ公表する方針などの配 慮を示している。しかし、物価観、金融政策への影響は避けられない。 金融市場では、実質ゼロ金利解除までの時間軸があらためて延伸する だろう。金融政策運営では、日銀は展望リポートのコアCPI見通し を下方修正することで、そうした市場の思惑を追認せざるを得なくな る③コアCPI=11年度-0.8%、12年度-0.3%

14)極論すると“ドル円相場次第”。80円突破を促すような円高圧力が まん延したり、円相場が実際に70円台に突入すれば、追加緩和(資産 買い入れ基金の増額)を敢行する。4月の統一地方選を前に政治圧力 も強まるためだ。一方、円高進行が回避され、景気も失速しなければ、 追加緩和の可能性は高まりにくい。

●日興コーディアル証券の岩下真理チーフマーケットエコノミスト 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :なし 3)利上げ時期 :2013年以降(同) 4)11年3月末 :0.00%-0.10%(同) 5)11年6月末 :0.00%-0.10%(同) 6)11年9月末 :0.00%-0.10%(同) 7)11年12月末 :0.00%-0.10%(同) 8)12年3月末 :0.00%-0.10%(同) 9)12年6月末 :0.00%-0.10%(同) 10)12年9月末 :0.00%-0.10%(同) 11)12年12月末 :0.00%-0.10%

12)今年の相場の世界では先進国の金融緩和によるマネーの過剰流動 性、地球環境では資源国、穀物生産国での大雨による過剰水量のもた らすリスクを再考する必要がありそうだ。それでも日本の場合は諸外 国に比べ、素原材料価格の上昇が中間財を経て、最終財へ波及するま でには時間がかかる。

08年時には原材料価格の上昇開始から最終財へのタイムラグは 8カ月程度、川上に比べて川下の上昇率は小幅にとどまった。コアC PIの前年比は08年8月に+2.4%まで上昇したが、賃金の上昇が伴わ ない状況下では実質所得の減少が危ぐされ、指標としてコアコアを見 るべきとの論調が強まったのも記憶に新しい。日本での議論は遅れて も、金融緩和を進める欧米において物価に対する見方が大きく転換す る可能性には注意が必要だ。

欧州の財政危機については、欧州金融安定ファシリティ(EFS F)の拡大を視野に入れつつも、その具体化に時間がかかる可能性は 残る。しかし、昨年との大きな相違点は、救済の枠組みを作り、どう すれば市場不安を抑えられるかを学習したことだ。昨年のような不安 のスパイラルに陥ることは考えにくいだろう。

足元で国内経済に明るい兆しが出始めた。第1に、日本の輸出数 量に2、3カ月程度先行する米ISM景況指数の新規受注とOECD 景気先行指数の改善。円高の影響はもうしばらく続こうが、日本の輸 出は昨秋以降の停滞から、春にもなれば霧が晴れてくる可能性が見え てきた。第2に昨年12月、1月の生産予測指数。予測指数を前提にす ると1月は10-12月対比+6.3%とかなり強い。

1-3月の生産統計は季節調整のゆがみが押し上げに作用するた め、実勢は増産幅を割り引いてみる必要はあるが、それでも主要業種 の輸送機械、電子部品・デバイス、一般機械が増産計画を続けている ことは心強い。輸出の下げ止まりが確認できれば、生産も足踏みから 持ち直し、巡航速度に戻ることが期待できる。

第3に、昨年7-9月の民間企業資本ストック統計では、実質新 設投資額の前年比が+11.0%と大きく伸びてストック調整が進展した。 11年度に向けて設備投資の回復持続は可能だろう。

13)①-0.5~-0.7ポイント。デフレ下では基準改定で低下幅が拡大す る傾向にある。改定年の1-6月平均値の前年比で改定幅を見ると、 90→95年基準時は-0.16%ポイント、95→00年基準時は-0.29ポイン ト、00→05年基準時は-0.53ポイントとなっている。基準改定の影響 はリセット効果+ウェイト効果+品目改廃要因+モデル式等変更要因 に分けられる。

リセット効果については、ラスパイレス連鎖指数と通常の固定基 準年とのかい離で計測できる。10年11月分での両者のかい離は-0.4 ポイント。ただし、現在の連鎖指数が使用する09年ウエートと10年 ウエートの間には多少の差が生じ得る。特に10年は政策発動により耐 久消費財の支出金額が増え、家電業界の低価格戦略の影響が出る可能 性が高い。

また前回の基準改定時には、携帯電話の部分が予想できなかった 下方改定幅の主犯だった。残る品目改廃要因とモデル式等変更要因の 部分の影響も見極める必要があろう。

②前回06年時のトラウマもあり、日銀も基準改定にはかなり神経 質になっていると思われる。09年11月の政府のデフレ宣言後、12月 の会合で中長期的な物価安定の理解についてゼロ%以下のマイナスの 値は許容していないことを明確に表現するに至った。政府と一体とな ってデフレ脱却を目指す状況下、CPIの下方修正で日銀に対する追 加緩和要請が強まる可能性が考えられよう。

その可能性を十分に視野に入れつつ、日銀は経済の体温を正確に 測る物価指標として10%刈込平均の利便性を指摘しており、今年も物 価に関する新たな議論が繰り広げられることになると見ている。③コ アCPI=11年度-0.7%、12年度-0.2%

14)年度末を前に①欧州の財政不安②米国経済に対する楽観論の反動 ③中国での引き締め策継続により金融市場が不安定な動き(円高もし くは株安進行)となった場合に限り、資産買い取り基金の規模を拡大 する可能性はある。国内経済は一時的な弱さから、緩やかな成長経路 に戻るという景気判断は、来週発表の中間評価でも踏襲されよう。

ただし年度末までに確認できるのは2月分の一部指標にとどまり、 3月短観のアンケート回収時期に重なるため、企業マインドを冷やす ような金融市場の動きに対して警戒感を解くことはできない。最後に 気になるのは3月の会合日程が悪いこと。15日の米連邦公開市場委員 会(FOMC)の前に、日銀は14、15日の決定会合で結果を出さなく てはいけない。昨年8月のような状況にならないことを祈る。

●みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミスト 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :なし 3)利上げ時期 :2013年1-3月(同) 4)11年3月末 :0.00%-0.10%(同) 5)11年6月末 :0.00%-0.10%(同) 6)11年9月末 :0.00%-0.10%(同) 7)11年12月末 :0.00%-0.10%(同) 8)12年3月末 :0.00%-0.10%(同) 9)12年6月末 :0.00%-0.10%(同) 10)12年9月末 :0.00%-0.10%(同) 11)12年12月末 :0.00%-0.10%

12)景気が今年春ころに「踊り場」を脱して緩やかな回復軌道に戻る ことが徐々に鮮明になりつつある。日銀としては見通しに沿った動き だという中間評価を下すことになろう。物価についてもこれまでのと ころ、CPIコア前年同月比の動き方は市場や日銀の大方の予想に沿 ったものになっている。

欧州のリスクについてはドイツの姿勢が柔軟になってきたことも あり、ヤマを越えてきた感が漂う。欧州通貨統合の崩壊といった極端 な主張が誤りであることが、今年は一段と明確になろう。円高が再燃 するリスクはあるものの、そうした動きが出てくるのは米国株が調整 局面に入ってからだろう。いずれにせよ80円割れはなく、年を通して みれば90円を超える円安ドル高方向の動きになると予想する。

13)①0.5ポイント程度②金融市場は0.4-0.5ポイントであれば織り 込み済みの範囲内の話として基本的には受け止めるだろう。日銀の政 策運営に対しては、金融引き締めには動きにくいという意味で無言の 圧力となる。③コアCPI=11年度-0.7%、12年度0.0%

14)為替の円高リスクが急速に強まらない限り、このタイミングでの 追加緩和は考えにくい。米QE2の行方とタイミングが重なる6、7 月の方が基金増額による追加緩和の可能性は高いとみる。

●東短リサーチの加藤出チーフエコノミスト 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :なし 3)利上げ時期 :2013年春(2013年以降) 4)11年3月末 :0.00%-0.10%(同) 5)11年6月末 :0.00%-0.10%(同) 6)11年9月末 :0.00%-0.10%(同) 7)11年12月末 :0.00%-0.10%(同) 8)12年3月末 :0.00%-0.10%(同) 9)12年6月末 :0.00%-0.10%(同) 10)12年9月末 :0.00%-0.10%(同) 11)12年12月末 :0.00%-0.10%

12)米国経済の回復、堅調な新興国需用に支えられ、輸出主導で日本 経済は緩やかな回復を見せるだろう。絶好調のドイツ経済の影響で欧 州経済は全体としては悪くない状況にある。ドイツ当局者はマーケッ トの期待値には届かないが、ユーロシステムを守るスタンスを見せ続 けており、同国経済が好調な間は同国納税者がユーロ離脱を強く望む 可能性は低いだろう。

ユーロの先行きの道のりはまだまだバンピーだが、崩壊までは行 かないと予想している。ただし一時的に危機感が高まるケースでは円 高傾向が強まることはあるだろう。今年は米国も含めて財政赤字の維 持可能性が世界的に意識される年になると思われるため、日本も財政 再建議論に取り組んでいるスタンスは海外に示し続けるべきだ(実際 の消費税引き上げは数年後としても)。

13)①0.5ポイント程度②改定の影響でCPIが低下するタイミング と同時に、仮に円高や景気回復懸念が強まっているような場合は、日 銀に対して追加緩和策を求める政治的な声や日銀法改正議論が高まる 可能性が考えられる③コアCPI=11年度-0.5%、12年度+0.1%

14)現時点では3月会合は現状維持と予想している。ただし包括緩和 策の基金からの市場への資金供給が累増して来るため、日銀当座預金 は増加傾向が続く。3月末の日銀当座預金残高は昨年3月末(23.4兆 円)を大きく上回ることが予想される。昨年10月時点では日銀政策委 員会は35兆円の基金を2011年末までに実行すると述べていたが、ペ ースは前倒しになりそうだ。

6カ月固定金利オペ残高が満額の10兆円に達した後の秋以降は、 日銀当座預金残高が30兆円を超えてくる可能性もあり、前回の量的緩 和策のピーク時に近づくだろう。その場合、金融機関の超過準備に対 する追加的な需要は減退するため、日銀は資金供給オペの激しい札割 れとのせめぎあいに直面するだろう。

●JPモルガン証券の菅野雅明調査部長 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :なし 3)利上げ時期 :2013年以降(同) 4)11年3月末 :0.00%-0.10%(同) 5)11年6月末 :0.00%-0.10%(同) 6)11年9月末 :0.00%-0.10%(同) 7)11年12月末 :0.00%-0.10%(同) 8)12年3月末 :0.00%-0.10%(同) 9)12年6月末 :0.00%-0.10%(同) 10)12年9月末 :0.00%-0.10%(同) 11)12年12月末 :0.00%-0.10%

12)世界経済は足元、中国と米国がけん引する形で踊り場を脱しつつ ある。中国をはじめとする新興国経済は利上げしつつも足元のインフ レ率上昇に沿った利上げであるため、実質政策金利は(新興国の平均 で)ゼロ近辺であり、引き続き景気刺激的な金融環境となっている。

一方、米国では金融政策に加え、財政政策でもブッシュ減税の延 長や給与税の減税など景気刺激が取られているため、設備投資のみな らず個人消費も堅調に推移している。11年前半、中国経済は9%(年 率)、米国経済は4%の成長を見込んでいる。日本経済の外部環境は外 需の増大に加え、為替レートの安定化により大きく改善、第4四半期 のマイナス成長の後、再び緩やかな加速局面に入りつつある。

個人消費はエコポイント等の反動が懸念されるが、所得環境と消 費者マインドの改善に支えられ、耐久消費財以外の分野、例えばこれ まで支出が抑制されていたサービスや非耐久財への支出が増え、全体 としても底堅い動きを示そう。一方、企業部門もようやく設備投資な どの支出を増やし始めているが、海外での投資をより積極化しており、 国内での設備投資の回復は緩慢だ。

欧州の財政問題は、スペインに飛び火するかどうかが本年の焦点 だ。ギリシャ、アイルランド、ポルトガルは3国合計でもユーロ圏G DPの6%強だが、スペインは単独で11%強なので、スペイン国債の 信用が失われると、EFSFの拡大を含む救済策の抜本的な見直しが 求められる。

なお、上記3国については、景気の悪化による財政赤字の拡大と 信用不安が悪循環を示しており、ソフトランディングするシナリオが 見えない状況だ。早期にEFSFからの借入金利を引き下げるなどの 措置を実施する必要がある。最終的にはドイツなどがどこまで周辺国 に対し所得移転を伴う救済策に同意するか、と言う点に絞られよう。

ただし、ドイツ国民の税金を投入する条件として、大幅な債務リ ストラを実施すると、かえって債券市場に不安が広がり悪循環を招来 するリスクがある。今後も市場は、欧州財政問題に過敏に反応するだ ろうが、基本は「欧州財政問題がスペインを巻き込むような事態にな らない限り、市場への影響は限定的」と考えている。

今後、一段の円高となるケースは、欧州の財政問題が世界的な金 融市場の混乱を招き、米連邦準備制度理事会(FRB)が本年6月以 降も(市場の予想を大幅に上回る)追加緩和を行うような場合だろう。 標準シナリオは「円の実効レートが円安化する」というものだが、円 安は主に対ユーロで起こり、対ドルでの大幅な円安は望みがたい。

「米国景気が堅調なのでドル高円安」というシナリオは、FRB の引き締め期待を前提とした場合には成立するが、現時点で11年、12 年中のFRBの利上げは想定できないので、ドルの短期金利は今後も 低水準で推移するとみている。このような状況下ではドル円の内外金 利差が拡大する可能性は低く、大幅なドル高が進むとは考えにくい。

13)①0.5%ポイント②基準改定は既に織り込み済みなので、特段の影 響なし。今後も食料品価格の高騰が続くと、予想比若干上振れる可能 性がある③コアCPI=11年度-0.5%、12年度-0.6%

14)12月までの銀行貸出前年比に改善の兆しはうかがわれない。日銀 が実施した成長基盤支援オペによる成長産業への資金供給策も貸し出 しの増加には結びついていない。むしろ貸出金利が低下し、銀行の利 ざやを縮小させている面が強い。これは銀行の収益基盤を弱体化させ、 潜在的な金融システムの不安定化要因だ。もはや、金融政策だけで資 金需要を拡大させることは限界にきている証左だ。

金利と量(資金量)という伝統的政策手段は使い果たしている。次 は、日銀がどこまで財政政策の分野に踏み込むか、という点の議論を すべきだ。包括的金融緩和に伴い日銀のバランスシートの中に設置さ れた「基金」をバランスシートの外に出し、特別目的会社化して、同 時に政府の出資ないし保証を得た上で、基金の拡大を実施すべき。

これは、将来の金融危機対策としても有効なので、今のうちに実 施すべき。ただし、その前提として国会での十分な議論が必要。

●第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミスト 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :なし 3)利上げ時期 :予想の期間内に想定できず(同) 4)11年3月末 :0.00%-0.10%(同) 5)11年6月末 :0.00%-0.10%(同) 6)11年9月末 :0.00%-0.10%(同) 7)11年12月末 :0.00%-0.10%(同) 8)12年3月末 :0.00%-0.10%(同) 9)12年6月末 :0.00%-0.10%(同) 10)12年9月末 :0.00%-0.10%(同) 11)12年12月末 :0.00%-0.10%

12)やや明るさがみえてきたが、日銀の姿勢を前向きにさせるまでに は至らない。

13)①0.5%ポイント②金融政策は慎重姿勢を堅持する構えに変更なし ③コアCPI=11年度-0.6%、12年度0.0%

14)与謝野大臣への交代で、追加金融緩和は行われず、様子見に。

●BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミスト 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :なし 3)利上げ時期 :2014年1-3月以降(同) 4)11年3月末 :0.00%-0.10%(同) 5)11年6月末 :0.00%-0.10%(同) 6)11年9月末 :0.00%-0.10%(同) 7)11年12月末 :0.00%-0.10%(同) 8)12年3月末 :0.00%-0.10%(同) 9)12年6月末 :0.00%-0.10%(同) 10)12年9月末 :0.00%-0.10%(同) 11)12年12月末 :0.00%-0.10%

12)日本経済は輸出減速から昨年夏場より「踊り場的状況」にあり、 昨年第4四半期はエコカー補助金打ち切りの影響などによりマイナス 成長となった可能性が高いが、一方で昨年5月ころから減速傾向にあ った世界の製造業サイクルは10月ころから持ち直し始めており、先行 きは輸出回復の再開が期待される。

既に10月から中国向け輸出が回復に転じていたが、12月上中旬 までの貿易統計を見ると、11月まで低調に推移してきた輸出全体の動 きにも回復の兆しが見られる。また、こうした輸出動向に対応した動 きだと思われるが、生産も11月から持ち直しの兆候が確認され、「踊 り場」脱却の動きが見られる。春先には輸出・生産の回復が徐々に明 確化していくと思われる。

欧州の財政危機は既に顕現化していると言えるが、ユーロ安ドル 高要因になるため、日本への影響は(金利上昇懸念を除くと)それほ ど大きくはない。ドル円レートに最も大きな影響を及ぼしているのは、 FRBの金融政策であるが、FRBはしばらく現在のQE2の効果を 見守ると思われ、その結果、円高圧力も和らぐため、日銀への追加緩 和圧力もそれほど高まらないと思われる。

もっとも、米国の抱えるバランスシート問題(過剰債務問題)は 簡単には解消されない。全治10年で、あと6年強の調整期間を要する と考える。このため米国経済は輸出主導で循環的な景気回復が続いて も、内需の回復は緩慢なままだろう。オバマ政権の決定した追加財政 で成長率が多少高まる局面があったとしても、それは一時的なもので 終わる。

この結果、失業率の改善も限られ、コアインフレ率も低下トレン ドが続くと見られる(ただ、ヘッドラインのインフレ率は原油や穀物 など商品価格高騰によって上昇が予想される)。こうした状況が続けば、 FRBはいずれQE2の拡大(QE2.5)、あるいは非正統的金融資産 の購入を伴う物価水準ターゲットの導入(QE3)を検討せざるを得 なくなるため、その際、再びドル安円高圧力が強まると考えらえる。

13)①0.5ポイント②予想されていたことであるが、ゼロ金利の解除 条件である物価の安定が展望できる情勢(=1%程度の物価上昇)が 遠のくことになる③コアCPI=11年度-0.5%、12年度+0.3%

14)成長率の低下が生産年齢人口や総人口の減少でもたらされている とすれば、財政金融政策などマクロ安定化政策を発動しても継続的な 効果を得ることはできない。積極的な金融政策によって資本コストや リスクプレミアムを引き下げ設備投資が促されても、成長分野が現れ 資本収益率が高まらなければ新たな過剰ストックが生まれるだけとい うリスクもある。自然利子率を引き上げるための構造政策が必要。

●モルガン・スタンレーMUFG証券の佐藤健裕チーフエコノミスト 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :なし 3)利上げ時期 :2013年1-3月以降(2012年10-12月以降) 4)11年3月末 :0.00%-0.10%(同) 5)11年6月末 :0.00%-0.10%(同) 6)11年9月末 :0.00%-0.10%(同) 7)11年12月末 :0.00%-0.10%(同) 8)12年3月末 :0.00%-0.10%(同) 9)12年6月末 :0.00%-0.10%(同) 10)12年9月末 :0.00%-0.10%(同) 11)12年12月末 :0.00%-0.10%

12)内外経済情勢は12月を境にやや好転した。米国では雇用改善の足 取りは鈍いものの、クリスマス商戦の健闘にみられるように個人消費 関連や企業業績面で明るいニュースが散見される。QE2実施当初は 欧州ソブリン問題や中国の引き締めの影響から鈍かった資産価格の動 きも、このところ堅調である。

日本では米・アジア向け輸出の持ち直しやエコカー補助金終了に よる自動車の見込み減産やり過ぎの反動から、12、1月にかけ鉱工業 生産が力強く持ち直す見通しとなっている。こうした生産予測にはリ ーマンショック直後の経済の大幅な落ち込みに伴う季節調整の歪みが 出ている可能性はあるが、これを割り引いてもなお生産の腰は強いと 判断している。個人消費も各種インセンティブはく落後も意外と底堅 く推移しているもようだ。

欧州ソブリン問題はもとより長期化する可能性が高いが、アイル ランドは銀行部門の救済コストの増加から、当初設定された支援枠で は不足する可能性が指摘されている。こうした国々で2度目の救済の 必要性が議論されたり、格下げが契機となって調達コストが高止まり することで、危機が深化する可能性はあろう。アイルランドはデフォ ルトによる債務のヘアカットも模索されよう。

こうした問題による欧州債券市場の混乱が拡大すれば、円は逃避 通貨として選好されやすい。もっとも、欧州問題については市場がや や「危機慣れ」してきたこともあり、昨年5月のギリシャ危機の時のよ うなインパクトをもたらす可能性は低いと考える。

13)①0.6ポイント程度②政府目標である11年度中のゼロ%への回復 の見通しが立たなくなることから、追加緩和(資産購入の拡大)に向け た日銀への政治的圧力が強まる可能性がある。政治情勢次第で日銀法 改正への動きも再燃しよう③コアCPI=11年度-0.8%、12年度 -0.8%

14)足元の円金利市場は向こう5年間で3、4回の利上げを織り込む カーブ形状となっており、「長めの金利の低下」と「リスクプレミアム の縮小」を促すという包括緩和の目的に反した動きとなっている。日 銀は包括緩和の2点目の柱である時間軸へのコミットメント明確化の 趣旨に沿い、市場の不合理な利上げ期待をけん制する必要があろう。

もっとも、足元は米国経済の対する過度の悲観論の揺り戻しで米 長期金利が急上昇するにつれて円金利も上昇した面があり、現実的に は日銀は引き続き静観を決め込む可能性が高い。ただし03年のVAR ショック時との比較で、地銀の金利リスク量が顕著に拡大しているこ とから、仮に足元の金利上昇が地銀のシステミックリスクに発展する 事態となれば、日銀は解除条件の数値基準化や基金による国債買い入 れ枠の拡大等を通じて金利上昇を抑え込みにかかろう。

資産買入れ等基金の拡大については早ければ3月会合で議論され る可能性が高い。1月10日時点の資産購入の進捗(しんちょく)状況 をみると、国債については既に1.5兆円の枠を30%使っており、現状 のペースで買入れを続けると4、5月にも上限に達するとみられるか らだ。

また、為替と物価動向も増枠のカタリストとなり得る。為替面で は80円を割り込む急激な円高ドル安がきっかけとなり得る。物価面で は、消費者物価の基準改定が行われる11年8月以降にあらためてデフ レ脱却の遅れが問題視される可能性が高く、1-3よりもむしろ年後 半(恐らく10-12月)にかけて増枠があらためて模索されよう。

●東海東京証券の佐野一彦チーフストラテジスト 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :可能性あるが時期特定できず(2011年1-3月) 3)利上げ時期 :2013年1-3月以降(2012年10-12月以降) 4)11年3月末 :0.00%-0.10%(同) 5)11年6月末 :0.00%-0.10%(同) 6)11年9月末 :0.00%-0.10%(同) 7)11年12月末 :0.00%-0.10%(同) 8)12年3月末 :0.00%-0.10%(同) 9)12年6月末 :0.00%-0.10%(同) 10)12年9月末 :0.00%-0.10%(同) 11)12年12月末 :0.00%-0.10%

12)米国景気は予想より好調な指標も見られていたが、結局は一進一 退に過ぎない。前回も指摘の通り、好調なクリスマス商戦はリーマン ショック後のペントアップ(ため込んでいた)需要と「先食い」の部 分が大きい。特に「先食い」は住宅など資産価格の上昇や雇用・所得 環境の改善などを前提にしていよう。それらの大きな改善は足元うか がわれない。

したがって今後の個人消費は息切れする可能性が高い。言うまで もなく住宅・金融部門のストック・構造調整を脱するには相当の時間 を要する。中国の金融引締め転換は世界経済の減速要因だ。欧州経済 は好調だった独が減速、ユーロ安効果が一巡し、財政緊縮が悪影響を 及ぼす公算大。足元、懸念されたスペイン・ポルトガルの国債入札を 無事に終えた。

しかし、今後の不安は強く残っており、財政危機の具現化と拡大、 それに伴う円高再燃のリスクは低くない。米国では財政に対する懸念 もあり、景気楽観論が後退すればドル安進行の可能性が高くなる。日 本経済は外需減速、政策効果のはく落、円高の悪影響などから、今後 減速という方向性は変わらない。

13)①0.5ポイント程度②現行金融政策の変更を困難にする③コアC PI=11年度-0.6%、12年度+0.1%

14)市場金利の上昇圧力が強まった場合は、足元同様、潤沢な資金供 給を行い、それを増やす方針。もっとも追加金融緩和ということにな れば、円高株安の進行という環境変化が必要になってこよう。3月末 の可能性は排除しないものの、現状ではメインシナリオとは言えまい。

●HSBC証券の白石誠司チーフエコノミスト 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :なし 3)利上げ時期 :2013年以降 4)11年3月末 :0.00%-0.10%(同) 5)11年6月末 :0.00%-0.10%(同) 6)11年9月末 :0.00%-0.10%(同) 7)11年12月末 :0.00%-0.10%(同) 8)12年3月末 :0.00%-0.10%(同) 9)12年6月末 :0.00%-0.10%(同) 10)12年9月末 :0.00%-0.10%(同) 11)12年12月末 :0.00%-0.10%

12)昨秋以降の海外経済の再加速傾向を受け、輸出数量、生産に底入 れの兆しが出始めている。米国で今後財政刺激の効果が出てくること を踏まえると、春先以降外需主導の成長パターンが明確化する見込み。

一方で耐久消費財の駆け込み需要の大きさ、耐久財ゆえの買い替 えサイクルの長さを踏まえると、00年以降の個人消費をけん引してき た耐久財消費には中期的に期待しにくくなっており、耐久財以外の消 費がどれだけ伸び得るのかがポイントとなる。輸出連動で設備投資も 多少加速する公算もあるが、国内成長期待の低下、先行き不透明感を 背景に能力増強投資の抑制基調は根強く続く。

13)①0.5ポイント②物価以外の要因による利上げは政治的にも難し いとみられ、基準改定は素直に時間軸補強要因として消化されよう③ コアCPI=11年度-0.7%、12年度-0.4%

14)景気回復基調が明確化する中、基本的には追加緩和の可能性は低 い。しかし、過去に景気判断を上方修正して緩和措置を決定した実績 もあり、円高と政治圧力次第という面もある。米国循環回復期待が高 まる中でのドル安進行は、ドル安が構造的現象である公算、あるいは ドル安が米当局の政策目標化している公算を示唆する動きともとらえ ることができ、予断を許さない。3月緩和公算は3割程度か。

●クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミスト 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :2月会合で「0-0.05%」へ 3)利上げ時期 :2012年後半に「0.10%」へ(同) 4)11年3月末 :0.00%-0.05%(0.00%-0.10%) 5)11年6月末 :0.00%-0.05%(0.00%-0.10%) 6)11年9月末 :0.00%-0.05%(0.00%-0.10%) 7)11年12月末 :0.00%-0.05%(0.00%-0.10%) 8)12年3月末 :0.00%-0.05%(0.00%-0.10%) 9)12年6月末 :0.00%-0.05%(0.00%-0.10%) 10)12年9月末 :0.10%(同) 11)12年12月末 :0.10%

12)世界生産循環は足元から再び上向き。年央にかけての再拡大は視 野に入っている。このため資本財を中心に日本の輸出も再拡大へ。秋 にかけて輸出増・生産増・企業所得増の好循環が期待される。もっと も、ごく短期的には世界景況感の改善が足踏み状態になる可能性が高 い。米国内需関連指標の回復力が弱いためだ。

背景として、①製造業生産循環が雇用に染み出すのには一定の時 間がかかる(雇用の遅行性)②モーゲージ金利上昇を受けて借り換え が激減、米国個人の元利払負担減が一巡した③寒波の影響で北東部の 消費・建設活動が停滞-などが挙げられる。このため短期的にはドル 下値不安が再燃する見通し。

欧州問題は焦点のスペイン金融危機に対する懸念が後退しており、 終息に向かう展開。スペインの銀行の資本不足問題は当面は公的資金 ではなく、民間資金での対応が柱になる見込み。このためEFSF拡 大論は少なくとも短期的にはしぼむと考えられる。

13)①0.5ポイント②政府からの緩和要請圧力を長引かせることに③ コアCPI=11年度-0.6%、12年度-0.4%

14)短期的に追加緩和あり(2月会合の可能性)。予想される追加緩和 策の内容は①政策金利ターゲットの引き下げ:0-0.05%へ②固定金 利オペ金利の引き下げ:0.05%へ。背景として①ドル下値の切り下が り(80円程度へ)②10-12月GDPのマイナス成長転換。

●信州大学の真壁昭夫経済学部教授 1)今回会合 :現状維持 3)利下げ時期 :なし 2)利上げ時期 :2012年4-6月以降(同) 4)11年3月末 :0.00%-0.10%(同) 5)11年6月末 :0.00%-0.10%(同) 6)11年9月末 :0.00%-0.10%(同) 7)11年12月末 :0.00%-0.10%(同) 8)12年3月末 :0.00%-0.10%(同) 9)12年6月末 :0.25%(0.20%) 10)12年9月末 :0.25%(0.30%) 11)12年12月末 :0.25%

12)米国経済は緩やかな回復が続いている。しかし今ところ物価上昇 圧力は低く、雇用回復のペースも極めて緩やかだ。一方、FRBの量 的緩和策による潤沢な流動性と比較的好調な企業決算を背景に、株価 が堅調な展開を示している。それに伴い高額商品の売れ行きには回復 感も出ていることもあり、強気な見通しが増えている。

ただ今後の欧州の財政問題の展開や、新興国での金融引き締めの 影響を考えると、先行きについては過度な楽観論には注意が必要だ。 特に欧州の財政問題はまだ解決の糸口が見えていない。PIIGS諸 国の財政、金融システムへの不安だけでなく、ベルギーの政治的混乱 も懸念材料だ。ハンガリーなど東欧諸国のファンダメンタルズも基調 としてはぜい弱だ。

東欧諸国の問題が顕在化した場合、オーストリア等の金融機関や、 西欧諸国の金融システムそのものに与える悪影響は無視できない。今 のところEFSFの融資能力拡充への期待がユーロを下支えしてはい るが、ファシリティの詳細はまだ決まっていない。また、その規模も 十分かどうかはわからない。そうした中で為替市場の動向を考えると、 対ユーロでは円が買われやすい地合が続くだろう。

ただ、利上げを受けた新興国通貨の上昇によって、極端な円高は 想定しづらい。利回りのピックアップを狙った資源国通貨へのニーズ も根強く、円は当面80円台前半を中心に推移するだろう。日本経済は 昨年10-12月の落ち込みはあるものの、トレンドとしては緩やかな回 復過程にある。

ただ、新興国の利上げによる輸出の伸び悩みなど、先行きには不 透明感が残る。そうした環境下、物価上昇の期待は低い。今後軟調な 雇用環境の影響もあり、デフレ圧力は続くとみられる。

13)①0.5ポイント程度②コアCPIの下方修正により11年度中のデ フレ脱却は難しいだろう。日銀の議事録にもあるとおり、改定による 下方修正の影響は無視できない。経済が軟調であれば、日銀に対する デフレ脱却へのコミットメントをより強く求める声が高まるだろう③ コアCPI=11年度-0.5%、12年度-0.3%

14)日銀は引き続きデフレ脱却に軸足を置いて金融政策を運営するだ ろう。足元、長期金利が上昇していることを踏まえると、追加緩和期 待は高まりやすい。その点、年度末を控えて追加緩和策が政策議題に あがる可能性はあろう。ただ、金融政策はもはや限界に直面しいてい る。米国でのQE2の動向も考えると、日銀にとって国内要因だけで 追加緩和に踏み切るにはためらいがあるはずだ。

国債買い入れの増額などのカードを切ってしまうと、日銀の手詰 まり感は一層増すことだろう。日銀としてもそれは避けたいはずだ。 資金供給オペレーションの拡大など、包括緩和策の拡充を主軸に今後 の金融政策が進められるだろう。

●野村証券の松沢中チーフストラテジスト 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :なし 3)利上げ時期 :2012年10月に0.1%へ(同) 4)11年3月末 :0.00%-0.10%(同) 5)11年6月末 :0.00%-0.10%(同) 6)11年9月末 :0.00%-0.10%(同) 7)11年12月末 :0.00%-0.10%(同) 8)12年3月末 :0.00%-0.10%(同) 9)12年6月末 :0.00%-0.10%(同) 10)12年9月末 :0.00%-0.10%(同) 11)12年12月末 :0.10%

12)生産統計や景気ウオッチャー調査などの反転上昇や株高などから、 景気循環は1-3月に底入れたとの見方は市場参加者のみならず、日 銀内でも共有され始めたようだ。欧州財政問題は少なくとも安定化基 金の規模・役割の拡大、もしくは13年6月以降の債務リストラに際し ても民間債権者に対し負担を求めないとの決定がなされなければ、4 月のスペイン・ポルトガルの国債償還に向けて不安が高まろう。

だがアイルランド危機の間、ドルLIBORが安定を続けるなど、 欧州当局が域内でこの問題を解決するであろうとの期待から、欧州財 政問題への市場の反応は徐々に小さくなっている。ベルギーやイタリ アへ問題が飛び火して欧州内ではとても解決できないとの認識が広が らなければ、ギリシャショック後のような投資家のリスク回避、極端 な円高は発生しないのではないか。

13)①-0.4~-0.5ポイント②改定後、12年度はプラス前半、13年度 がプラス後半の見通しになろう。13年度中のどこかで利上げに動くと の見方は支持される。現状2、3年程度の時間軸を市場は形成してい ると見られるので、これに対しては中立か若干ポジティブ③コアCP I=11年度-0.5%、12年度-0.2%

14)日銀が景況判断を一歩前進させてくることから追加緩和の可能性 は低い。与謝野氏が「ほぼ日銀の政策は出尽くしている」と述べるな ど、株高を背景に政治からの圧力も低下してくるだろう。

●シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミスト 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :なし 3)利上げ時期 :2013年10-12月(同) 4)11年3月末 :0.00%-0.10%(同) 5)11年6月末 :0.00%-0.10%(同) 6)11年9月末 :0.00%-0.10%(同) 7)11年12月末 :0.00%-0.10%(同) 8)12年3月末 :0.00%-0.10%(同) 9)12年6月末 :0.00%-0.10%(同) 10)12年9月末 :0.00%-0.10%(同) 11)12年12月末 :0.00%-0.10%

12)米国では耐久財消費をけん引役に個人消費の持ち直しが鮮明とな っている。耐久財消費の10、11月平均は7-9月平均を年率で21.5% 上回り、07年の既往ピークを更新した。耐久財消費は住宅市場との関 連性が強いが、住宅市場の低迷が続く中で耐久財消費が既往ピークを 更新したことは、景気の循環的メカニズムが構造的な下押し圧力に勝 り始めたことの現われと言えよう。

マクロ的賃金の増加や株価上昇に伴う資産効果に加え、ペントア ップ需要の顕在化や家計の資金調達環境の改善(まだ限界的だが)が 具体的な背景として指摘できる。11年の米国景気は個人消費が中心的 な役割を担いながら、循環回復を続けると予想される。一方、コアC PI前年比は10年10月の0.6%が当面のボトムになる可能性が高ま った。とはいえ今後も1-1.5%程度の低い伸びにとどまろう。

国内でもここ1カ月ほどの間、景気の循環回復を示唆する経済指 標が増加した。具体的には①11月の鉱工業生産が6カ月振りに増加し、 12月、1月も増加が見込まれていること②景気ウオッチャー調査の現 状判断DIが2カ月連続で上昇したこと-等があげられる。エコカー 補助金終了に関連した減産が一巡したことが一因だが、本質的には米 国の個人消費を含む海外需要の持ち直しが背景と推測される。

国内景気は既に足踏み脱却に向かい始めている可能性が高い。な お、日銀・地域経済報告では7地域が判断を下方修正したが、支店長 の発言にはむしろ前向きなものが目立った。

欧州ソブリン債務危機の長期化は避けられない一方、10年春とは 異なり、当面の問題の構図(ポルトガル・スペインによる資金支援要 請の可能性、欧州金融安定メカニズムの資金枠・用途の拡大)は比較 的はっきりしている。このため昨年春のように金融市場で全面的なリ スク量削減の動きが強まり、円高ドル安が急激に進行する可能性は低 いように思われる。

13)①約0.6ポイント②常識的に考えて利上げは一段と難しくなるだ ろう。ただ景気が循環回復の途上にある中では追加緩和も想定しにく い。金融市場では利上げが一段と困難になったとの見方が強まること で、中期ゾーンまでの金利を安定化する効果が現れる可能性がある③ コアCPI=11年度-0.8%、12年度-0.6%

14)3月14、15日の決定会合で資産買入基金の増額が決定される可能 性がある。買入れ開始以来の平均的なペースを維持すれば、国庫短期 証券、国債、CP・社債については、日銀がめどとする「買入れ開始 から1年後」よりもかなり早い時点で上限に達する可能性が高い。早 晩増額するのであれば、年度末に当たる3月に決定した方が政府、市 場にアピールしやすいという配慮が働く可能性もある。

ただ、日銀は一般的に景気が循環的に回復する(あるいはそれが 視野に入る)中では、追加緩和に消極的になりやすい。今回の緩和も 技術的な性格が強く、実質的な緩和効果は限定的だろう。

●バークレイズ・キャピタル証券森田長太郎チーフストラテジスト 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :なし 3)利上げ時期 :2013年以降(同) 4)11年3月末 :0.00%-0.10%(同) 5)11年6月末 :0.00%-0.10%(同) 6)11年9月末 :0.00%-0.10%(同) 7)11年12月末 :0.00%-0.10%(同) 8)12年3月末 :0.00%-0.10%(同) 9)12年6月末 :0.00%-0.10%(同) 10)12年9月末 :0.00%-0.10%(同) 11)12年12月末 :0.00%-0.10%

12)12月末以降発表された11月の景気循環指標で、10月が今回の景 気踊り場の「ボトム」だったことをほぼ確認。通常の循環回復が1- 3月から始まるという日銀支店長会議などで示された見方は妥当。昨 年秋ころまでのエコノミストのコンセンサスからは時期的にはやや前 倒されての底入れになっている。ただし先行指標である中国の製造業 PMIが既にピークアウトしており、この点はやや気になるところ。

欧州の状況は昨年のギリシャ、アイルランドのような突発的なイ ベントが発生するリスクは目先あるとは思えないが、欧州債務問題は 構造問題。ユーロをめぐるスペキュレーションが発生することがリス ク。円高リスクは米国の循環的な景気回復が今度はどこまで持続でき るのかという点にかかる。その意味では円高再燃も目先ではないが数 四半期先というスパンで見れば十分にあり得る。

13)①0.4ポイント程度②12年度のCPI大勢見通しが0%台前半に 修正されると、時間軸の延長につながり得る。ただし、市場は現状の 日銀の+0.6%という予測に対してもともと懐疑的に見ており、市場へ のインパクトはその分は小さくなろう③コアCPI=11年度-0.5%、 12年度-0.4%

14)景気の循環回復再開が確認され、円高リスクもすぐには高まらな い状況で、近々の政策変更はあり得ない。米国がQE3に踏み切ると いうことになると、一時的な円高進行とともに日銀による緩和の思惑 が高まりそうだが、米国でも景気の循環回復途上にあり、円高圧力も 昨年のようなことにはならないのではないか。あくまでも米国の循環 回復が次のピークなり踊り場局面に至ってから、日銀の追加緩和の確 率は上昇してくるものと見る。

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