債券は反発、入札順調で20年債に買い殺到-米債上昇や日米株安も支え

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債券相場は反発。この日の20年利 付国債入札で順調な結果が示されたことから、午後の取引では超長期 ゾーンに買いが殺到した。米国債相場の上昇や日米株安も買い材料と なり、先物市場では前日まで下落した反動が出た。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、最近の金利上昇もあって20年債に大口買いが入ったと指摘。 その上で、「投資家のすそ野が広がった感じではないが、足元で金利上 振れへの懸念は緩和するのではないか」との見方も示した。

東京先物市場の中心限月の3月物は前日比13銭高い139円38銭 で始まり、いったんは139円27銭まで上昇幅を縮めた。しかし、すぐ に買いが先行すると139円40銭付近での推移が続き、20年債入札結 果発表後には139円70銭台に上昇。取引終盤には139円81銭まで買 い進まれて、結局は48銭高の139円73銭で終了した。

先物3月物が朝方から反発しての取引となったのは、米国債相場 の上昇や日米株安などが買い材料視されたため。前日午後にじり安と なり、市場では短期的には売られ過ぎとの声が聞かれていただけに、 RBS証券の徐端雪債券ストラテジストは、米長期金利の低下や株安 などをきっかけに、国内債市場ではきのうまでの急落の反動が出たと の見方を示した。

さらに、午後に入って日経平均株価が一段と下げたほか、20年債 の入札で予想以上に良好な結果が示されたことから、債券先物には売 り方からの買い戻しが膨らんだもよう。

20年債入札は順調

20年債の入札は順調な結果となった。新発20年債利回りは今年 に入って20bp前後も上昇するなど、超長期ゾーンでは売り優勢の展開 が続いた。しかし、市場では金利水準が切り上がったことで生命保険 会社などの投資妙味が高まるとの声が聞かれていた。ドイツ証券の山 下周チーフ金利ストラテジストは、最近の金利上昇もあって無難にこ なす可能性が高いとの見方を示していた。

20年物の123回債(1月発行)の入札結果によると、最低落札価 格が100円75銭、平均落札価格は100円77銭となった。最低価格は 市場予想の100円60銭を上回り、最低と平均価格の差であるテールは 前回債の12銭から2銭に縮小。応札倍率は3.52倍から4.46倍に上昇 した。

123回債利回りは午前に2.055-2.065%で推移したが、入札結果 発表後には2%の大台割れに急低下。4時11分現在では8.5ベーシス ポイント(bp)低下の1.98%で取引されている。大和住銀投信投資顧問 の伊藤氏は、「市場の事前予想より高い価格で買いが入ったことで、入 札で落札できなかった一部の証券会社が慌てて買い戻した」と話した。

10年債利回りは1.20%

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の312回債利回り は、午前には1bp低い1.25%での横ばい推移となった。しかし、午後 に買いが優勢となると6bp低い1.20%まで急低下して、その後も1.20 -1.215%で取引されている。

前週後半からの米債安や株高が国内債市場の地合い悪化を招いた 上、きのうは20年債入札前の買い控えの中で売りが優勢となり、312 回債利回りは約1カ月ぶり高水準となる1.26%まで上昇した。

しかし、その後の米国市場が追い風となったほか、きょうは20 年債の入札を無事に通過したことで買いが膨らんだ。ドイツ証の山下 氏は、もともと昨年12月も20年債の入札後に金利が低下に転じた経 緯があったほか、1月の国債入札が一段落することもあって、需給面 からは金利が安定しやすくなるとの見方を示していた。

12月は都銀が大幅買い越し

日本証券業協会が20日に公表した昨年12月の公社債投資家別売 買高によると、短期証券を除くベースで都市銀行は2兆1848億円を買 い越した。11月は2兆8905億円の売り越しだったが、金利が上昇し たことを受けて中期債への買いを拡大させた。ドイツ証の山下氏は、 5年債利回りの0.5%台には一定の需要があるとみられており、実際 に金利上昇時に都銀が買いに動いたことが確認されたと話した。

そのほかの業態では生保・損保の1兆920億円をはじめ、農林系 金融機関や信託銀行、信用金庫などが買い越した。RBS証券の徐氏 は、生保・損保が12月に超長期債を大きく買い越していたことも、き ょうの20年債入札の好調ぶりにつながったとの見方を示した。

12月の新発10年債利回りは月央にかけてじり高に推移して、一 時は5月18日以来となる1.3%台目前まで上昇。しかし、米長期金利 の上昇が一段落したことなどをきっかけに低下に転じており、年末の 大納会には約5週間ぶり低水準となる1.11%を付けた。

--取材協力:近藤雅岐 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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