80年代ばりの規制相次ぐ、中南米の国債利回り上昇-悪影響の懸念も

ブラジルからペルーまで中南米で は、ハイパーインフレに見舞われた1980年代をほうふつとさせる為替 や資本流入の規制が相次いでいる。

年明け以降、中南米諸国では当局がドル買いの規模を記録的水準 に拡大したり、預金準備率を引き上げて金融機関によるドルの空売り を制限する動きが見られた。2009年3月以来29%も上昇した域内通貨 の上昇を抑えるためだ。こうした規制は強化されるほか、「市場に友好 的でない」措置をまだ講じていない国々も追随する恐れがあると、ゴ ールドマン・サックス・グループのエコノミスト、アルベルト・ラモ ス氏(ニューヨーク在勤)は指摘する。

国際通貨基金(IMF)でエコノミストを務めた経歴を持つ同氏 は「現状が続けば、こうした国々全てで規制の度合いを高めたい意向 が働くだろう」と述べた上で、「資本規制には深刻な経済的コストが伴 う」と警告した。

中南米の現地通貨建て債券は、過去3カ月間のリターンがドルべ ースでマイナス0.5%となった。JPモルガン・チェースの指数によ れば、同期間でマイナスに転じたのは米証券会社リーマン・ブラザー ズ・ホールディングスが破綻した直後の08年10月以来。

17年償還のブラジル国債の利回りは昨年10月半ばから111ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して12.55%。利回り上 昇は、国内総生産(GDP)の58%に相当する同国債務の借り換えコ ストを押し上げる。

ハイパーインフレ

経済が好転して民間資金の純流入が03年から4倍に増え、物価上 昇率も過去最低水準に抑えている中南米地域だが、約20年前にはメキ シコからベネズエラまで債務危機が連鎖し、ブラジルのインフレ率は 1990年に6821%まで達していた。各国政府は現在、歳出抑制策などを 講じているが、物価や借り入れコストは上昇しており、通貨が下落す ればその傾向が加速して経済発展を脅かす恐れがあるとバンク・オ ブ・アメリカ(BOA)はみている。

BOAの中南米戦略責任者、デービッド・ベッカー氏は同地域の 「中央銀行は為替をインフレ抑制に活用するより、為替相場水準その ものを優先対応すべき問題とみている」とし、「目標を幾つも持てば、 政策上の誤りが起きる確率は高まる」と語った。

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