「自殺ツーリズム」の是非に揺れるスイス-外国人のほう助、変更検討

自殺を望む人々はスイスに向かう。 同国の司法警察省はその現状を変えようとしている。

自殺ほう助はオランダやベルギー、米国のオレゴン、ワシントン、 モンタナの3州で合法化されているが、医師による外国人の自殺ほう助 を認めているのはスイスだけだ。スイスで2009年に自殺をほう助され た380人のうち25%以上を外国人が占めた。ほとんどは致死量のバル ビツールが混入された水を飲んだ後、死に至っている。

ビドマーシュルンプフ前司法警察相は、スイス国内に4つある死ぬ 権利擁護団体に関与していない医師の監督を義務付けるなど自殺ほう助 をより困難にする案を提示した。自殺ほう助はスイスでは1942年から合 法化されている。同相には昨年11月にシモネッタ・ソマルガ氏が就任し た。

自殺ほう助を支持する団体エックス・インターナショナル(チュー リヒ)のマルグリット・ワイベル会長は「自殺ほう助に関する規則の変 更を望んでいるスイスの政治家たちは道徳の唱道者のように振る舞って いる」と指摘。「人間には自らの命を終わらせる時期を決定する権利は ないというキリスト教信仰にとらわれた時代遅れの考え方をする人々 だ」と述べた。

スイスの主要4政党が反対しているため規則が変更される可能性は 低い。スイスで最も人口の多いチューリヒ州の有権者は5月に自殺ほう 助禁止を支持すべきかどうか決定する見通しだ。

「その先」にあるもの

チューリヒ大学のクリスチャン・シュワルツェネッガー教授(刑 法)が昨年9月に発表した調査によると、スイス国民の約73%が末期 患者でなくても自殺をほう助することに賛成している。

スザンナ・ボンさんは、病気のためモルヒネ投与が必要だった友人 が4年前に自殺したことについて「正しい行動だった。彼女が自分で命 を絶たなければ、その先にあったのは数カ月に及ぶ苦痛だった」と振り 返る。

スイス政府は規則の変更を提案した理由として、自殺ほう助団体に よる宣伝が同国の評判を傷付けると主張している。ブルームバーグ・ニ ュースが集計したデータによると、09年までの5年間の自殺者のうち 外国人が約40%を占めた。

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