アイルランド:銀行劣後債保有者が飲まされる苦杯-拒めば厄災襲う

【記者:Finbarr Flynn】

1月19日(ブルームバーグ):アイルランドのレニハン財務相は、 銀行債を保有する投資家にさらに痛みを負わせようとしている。もし 受け入れなければ、さらに悪い結果が伴う恐れがあるとアナリストら は警告している。

アイルランド政府によって実質国有化されたアライド・アイリッ シュ銀行の劣後債の保有者らは今週、同行が約50億ドル(約4130 億円)相当の劣後債を額面の30%で買い戻す提案を受け入れるかどう か意思決定を行う。BNPパリバのアナリストらは、債券保有者への 元利の支払いを減らす権限を政府に認める新たな法律が成立した以上、 受け入れない場合は罰を受けるリスクがあるとして、受け入れるよう 推奨している。

BNPパリバの信用アナリスト、アイバン・ズボ氏(ロンドン在 勤)は「昨年12月に財務相に付与された非常に過酷な権限は、アイ ルランドの銀行が発行した劣後債の保有者が置かれている状況を一変 させるものだ」と指摘。「アライド・アイリッシュの資本増強が将来再 び必要になれば、さらに思い切った権限の行使が行われるリスクがあ るのは明らかだ」と付け加えた。

アイルランドの銀行2位、アライド・アイリッシュの劣後債の保 証料率は今月14日時点で、前払い分が63.5%、年間保証料が5%に 達する。これは劣後債1000万ユーロ相当を5年間保証する場合、635 万ユーロを前払いし、さらに年間50万ユーロを支払う必要があるこ とを意味する。CMAのデータによるもので、3カ月前は前払い分が

21.7%だった。

ドイツのメルケル首相は将来の危機対応コストの負担を債券保有 者にも求めており、欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員 会は6日、資金繰りに行き詰まった銀行の救済費用を納税者に負わせ る前に優先債の元本を削減する権限を銀行監督当局に認める提案を行 った。

アイルランドの債券を含めて、優先債の保有者が現時点でリスク にさらされているわけではない。しかし、ソシエテ・ジェネラルの信 用アナリスト、ハンク・カレンティ氏は「議論の流れが変わったのは 間違いない。かつては劣後債保有者による負担が必要かどうかについ て議論が行われたが、今では優先債保有者も損失を負うべきかどうか に焦点が移っている」と警戒している。

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