日本株は続伸、欧米景気の不透明後退し素材や輸出中心買い

東京株式相場は続伸。欧米景気の 先行き不透明感が和らぎ、世界景気に敏感な業種を中心に上昇。繊維製 品や非鉄金属など素材関連が買われ、機械や電機といった輸出関連株も 堅調だった。マンション市場の回復を確認した不動産株は連騰。

もっとも、過熱感や為替の円高・ドル安進行などを背景に相場全般 に対する買いの勢いは鈍く、午後の株価指数は午前高値を抜けることは なかった。業種別では鉄鋼や電気・ガス、パルプ・紙株が安い。

TOPIXの終値は前日比5.29ポイント(0.6%)高の936.87、 日経平均株価は同38円12銭(0.4%)高の1万557円10銭。

BNPパリバ・インベストメント・パートナーズの清川鉉徳執行役 員によれば、「過剰流動性による金余りや、グローバル経済の回復歩調 を背景に、一部で出遅れ感があった日本株は買われてきた」という。た だ、現状の相場水準がさらに切り上がるためには、「為替の明確な円安 反転など目新しい好材料が必要」とも話している。

米コンピューター・電子機器メーカーのアップルが日本時間19日 早朝に発表した2010年10-12月(第1四半期)決算は、年末商戦で多 機能携帯端末やPCの販売が好調で、1株当たり利益は6.43ドルとブ ルームバーグがまとめたアナリスト予想平均の5.41ドルを上回った。 コンピューターサービス最大手の米IBMの10年10-12月決算も、利 益と売上高がアナリスト予想を上回った。

一方、5000億ドル(約41兆円)近い外貨準備を持つロシアが、欧 州金融安定ファシリティー(EFSF)など欧州の救済基金が発行する 債券を購入する可能性があることが明らかになった。中国と日本に続い て、ユーロ圏危機の封じ込めに協力する。

ミクロでも改善傾向

日興コーディアル証券エクイティ部の西広市部長は、「米国景気は マクロの回復に続く格好でミクロの企業業績面でも改善傾向が見られ、 先行き不透明感が後退している」と指摘。また、欧州財政問題について は、「すぐに解決する問題ではないが、着々と前進しており、過度の不 安は薄れてきた」と見ている。

東証1部業種別33指数の上昇率上位は、鉱業、繊維製品、非鉄金 属、機械、ガラス・土石製品など。繊維製品では、東レや帝人が買いを 集めた。経済産業省が18日公表した窯業・建材統計によると、10年11 月の炭素繊維生産量は前年同月比78%増えた。世界景気に敏感な業種 が買われたことに関し、東洋証券の檜和田浩昭ストラテジストは、「欧 米のファンダメンタルズが改善基調にあるとの楽観が持ち上がりつつあ る」とし、収益へのプラス影響を期待した買いが優勢になったとみる。

世界の投資家、日本株オーバーウエートに

市場全体の売買代金シェアが約6割の海外投資家が日本株への買い 姿勢を強めている。相場の方向性を大きく左右する海外勢の買い越し継 続といった需給面の追い風も、日本株にはあると檜和田氏は言う。

米証券バンク・オブ・アメリカ-メリルリンチが18日発表した1 月のファンドマネジャー調査によると、世界の投資家の日本株に対する ネット・ポジション(オーバーウエートからアンダーウエートを引く) は、昨年12月のマイナス13%から1月は5%とプラスに転じた。プラ ス転換は昨年5月以来だ。

もっとも、為替の円高傾向や騰落レシオ(25日移動平均)などテ クニカル指標から見た根強い過熱感から、一気に上値を買い上げる動き は影を潜めている。日経平均のきょうの日中値幅は47円弱で、11営業 日連続で同値幅が100円を下回った。丸三証券の牛尾貴投資情報部長は 「昨年11月以降、日本株は一本調子で上げてきただけに、いったん調 整局面入りするとの警戒感もある」と話していた。

33業種で下げたのは鉄鋼、空運、電気・ガス、パルプ・紙など7 業種。これら業種の下げについて、BNPパリバインベストメントの清 川氏は、先進国の金融緩和であふれた投資資金が商品市場に向かい、 「原材料コスト増が利益を圧迫する構図が現実味を増してきた」ことが 背景にある、としている。

東証1部の売買高は概算で22億1500万株、売買代金は1兆3442 億円。値上がり銘柄数は1049、値下がりは468。

日立が昨年来高値、ダイエー急落

個別では、日立製作所が昨年来高値を更新し、売買代金は東証1部 トップ。モルガンスタンレーMUFG証券では18日付で、日立の目標 株価を引き上げた。昨年12月の首都圏マンション発売戸数が前年同月 比41%増と11カ月連続で増加したことを受け、午後に不動産株が上げ 幅を拡大、大京や住友不動産、三井不動産などが高い。スマートフォン 向け広告サービスを行うアトランティスを買収するグリーも上昇。

半面、業績改善ペースの鈍化を指摘し、メリルリンチ日本証券が投 資判断を「買い」から「アンダーパフォーム」に引き下げたダイエーが 急落。東証1部の売買代金上位ではトヨタ自動車、ソフトバンク、東京 電力が安い。下落率上位にはチタン工業、テイカ、日本橋梁、巴川製作 所、ピーエス三菱など、前日急伸した中低位の酸化チタン関連、橋梁関 連銘柄が並んだ。

国内新興市場は、ジャスダック指数が前日比1.1%高の54.39と9 日続伸。東証マザーズ指数は同0.7%高の473.62と小反発した。交流 サイト向けゲームなどのソーシャルアプリが伸び、11年6月期業績予 想を上方修正したボルテージが買われ、サイバーエージェント、楽天、 スタートトゥデイも高い。日本通信、ユビキタス、ミクシィ、スカイマ ークは下げた。

-- Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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