長期金利1カ月ぶり高水準、20年入札前に買い慎重-米株高・債券安も

債券相場は続落。長期金利は約1 カ月ぶりの高い水準を更新した。あす実施の20年利付国債の入札を見 極めようと現物買いに慎重な雰囲気が広がる中、米国の株高や債券安 を受けた先物売りが相場の下げをけん引した。

トヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフストラテジストは、 日米株高などを背景とした債券先物売りに、20年債に入札に向けた証 券会社の売りも加わったと指摘。また、投資家は潤沢に資金を抱えて いるが、足元では「買いたい弱気」の姿勢で腰が引けているとも言う。

現物市場で新発10年物の312回債利回りは前日比1.5ベーシスポ イント(bp)高い1.24%と約1カ月ぶりの高い水準で開始した。しば らく1.24-1.245%での推移となったが、午後に入ると水準を切り上 げ、3時前後には1.26%まで上昇。新発10年債としては昨年12月16 日以来の高水準を記録した。その後は1.255-1.26%で取引されてい る。

312回債利回りは昨年末には1.11%まで低下したものの、年明け 以降は段階的に上昇する展開が続いている。前週の30年債やきのう実 施の5年債入札では順調な結果が示されたことで、市場では現物債の 需給悪化を懸念するには至っていないものの、投資家は金利上昇局面 での押し目買い姿勢に徹しているもよう。

3連休明けの米国市場で株高・債券安が続くなど、国内債市場を 取り巻く外部環境も売り材料視された。日興コーディアル証券の野村 真司チーフ債券ストラテジストは、10年債利回りは昨年12月半ばに 付けた1.295%が節目とみているため、ここから先は押し目買いで臨 みたいとしながらも、一方で米国の景気回復期待などが足かせだとも 言い、「当面は積極的な買い手不在の展開が続きそうだ」と話した。

米株高、債券安

18日の米国株市場では企業業績好調への期待が高まり、S&P 500種株価指数が2008年8月28日以来の高値圏に到達したほか、主 要な株価指数が軒並み上昇。一方、米国債市場では長期ゾーン中心に 売りが膨らみ、米10年債利回りは4bp高い3.37%付近で引けた。

きょうは中期から超長期ゾーンにかけて幅広い年限で売り優勢と なった。5年物の93回債利回りが3.5bp高の0.535%を付けたほか、 20年物の123回債は3bp高の2.065%、30年物の33回債は3.5bp高 の2.225%と、いずれも昨年12月半ば以来の水準まで上昇した。

20年債入札、利率2.1%に据え置きか

財務省はあす20年債(1月発行)の価格競争入札を実施する。20 年債の表面利率(クーポン)について、市場では前回債と同じ2.1% に据え置きとの見方が出ており、その場合は123回債と銘柄統合され るリオープン発行となる。発行額は1兆1000億円程度。

債券相場は続落するなど地合いは悪化しているが、市場では20 年債入札で波乱を懸念する声は少ない。日興コーディアル証の野村氏 は、20年債の利回りが2%台に乗せる水準であれば、生命保険会社な どから一定の需要が入るとみており、「仮に相場の軟調地合いが続いた としても、利回り曲線は超長期ゾーンにかけてフラット(平たん)化 するのではないか」との見方を示した。

トヨタアセットマネジメントの浜崎氏は、前日は5年債入札が順 調でも投資家の買いが乏しかったため、20年債入札にも不安を残すと しながらも、「生保などの買いを背景におそらく無難な結果が示され、 入札後に相場が持ち直す可能性もある」と話した。

先物も1カ月ぶり安値圏に

東京先物市場の中心限月の3月物は前日比28銭安い139円47銭 で開始。いったんは139円49銭まで下げ幅を縮めたが、その後に再び 売りが膨らむと139円40銭を挟んでのもみ合いとなった。午後に入る とじり安の展開となって、一時は昨年12月16日以来の安値圏となる 139円20銭まで下落。結局は50銭安の139円25銭で終了した。

先物3月物は週初に続落するなど軟調地合いだった上、米国の株 高・債券安を引き継いだ売りが先行。20年債の入札接近に伴って現物 買いも限定される中、午後に入ると売り圧力が一段と強まった。

米国では景気や企業業績の回復期待を背景に株高に弾みがついて いることが、債券売りの材料になることへの警戒感も広がった。JP モルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、今後も米国の 株高が続いて日経平均株価が1万1000円をうかがうようだと、CTA (商品投資顧問)やマクロ系ファンドの債券先物売りが活発化しそう だと話した。

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