1月19日の海外株式・債券・為替・商品市場(Update2)

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドルが対ユーロで下落、米回復足踏みを懸念

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが対ユーロでほぼ2カ月ぶ り安値に下落。米景気回復が引き続き弱いペースで推移する兆候が示 された。また欧州当局者が域内債務危機に取り組むとの観測も売り材 料となった。

ドルは主要16通貨のうち10通貨に対して下落した。朝方発表 された12月の米住宅着工件数が2009年10月以来の低水準に落ち 込んだのが嫌気された。スイス・フランはユーロに対して1カ月ぶり の安値に下落した。オバマ米大統領は「中国の人民元はなお過小評価 されている」と述べ、市場原理に沿った為替制度への取り組みを続け るよう訪米中の胡錦濤国家主席に求めた。

バンク・オブ・ノバスコシアの為替ストラテジスト、カミラ・サ ットン氏は「市場はドルに対して明らかに弱気だ」と述べ、「欧州の 問題は解決していないが、それでも前進はしたとの見方が広がってい る。それがユーロ買いに安心感を与えた」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで0.6%下げ て1ユーロ=1.3473ドル。前日は1.3387ドルだった。一時は昨 年11月23日以来の安値1.3539ドルをつける場面もあった。ド ルは対円で0.7%下落して1ドル=82円02銭。前日は82円56 銭だった。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE) のドル指数は0.5%下げて78.564。

住宅着工件数

午前に米商務省が発表した昨年12月の住宅着工件数(季節調整 済み、年率換算、以下同じ)は前月比4.3%減の52万9000戸と なった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中 央値は55万戸だった。

20日発表される1月8日に終了した週の失業保険継続受給者数 の予想は399万人と、前週の388万人から増加が見込まれている。

中国・人民元は対ドルで0.1%上昇して1ドル=6.5831元。 一時は公定・市場レートが統合された1993年以来の高値となる

6.5817元まで上昇していた。

ガイトナー米財務長官は18日、ラジオとのインタビューで、中 国は人民元が米国で「大きな問題」であることを理解すべきだと述べ、 元相場の一段の上昇が中国の利益であり、中国のインフレの抑制に貢 献するだろうと語っている。

胡錦濤国家主席は19日、オバマ米大統領のほか、米企業14社 の最高経営責任者(CEO)や中国企業幹部4人と会談。会談に先立 ち、米中両国は450億ドル相当の商談成立を発表した。

スイス・フラン

スイス国立銀行(SNB、中央銀行)のヨルダン副総裁は今月 14日、フランの上昇を「懸念している」と述べた。フランは2009 年初めからこれまで14%以上値上がりしている。

ヨルダン副総裁は、フラン高が一部の輸出業者に「尋常でない課 題」を突き付けていると述べた。ただ、為替介入の可能性について発 言を避けた。

スイス・フランはこの日、対ユーロで0.3%下落した。

◎米国株:下落、S&P500種は11月以来の大幅安

米株式相場は下落。S&P500種株価指数は昨年11月以降で 最大の下げとなった。ゴールドマン・サックス・グループの決算で利 益がアナリスト予想を上回らなかったほか、住宅着工件数が予想を上 回る減少となったことが嫌気された。

ゴールドマンは大幅下落。同社の2010年10-12月(第4四 半期)決算は、トレーディングと投資銀行部門が伸び悩んだことから、 前年同期比52%の減益となった。S&P500種の住宅建設株指数は 大きく下落。アメリカン・エキスプレス(アメックス)も安い。10 -12月の暫定決算で、純利益が一部アナリストの予想を下回った。 一方で利益が市場予想を上回ったIBMは上昇した。

S&P500種株価指数は前日比1%安の1281.92。ダウ工業 株30種平均は12.64ドル(0.1%)下げて11825.29ドル。米 国株オプションの指標であるシカゴ・オプション取引所(CBOE) のボラティリティ指数(VIX)は9.1%上昇の17.31と、昨年 11月以降で最大の上げとなった。

シルバークレスト・アセット・マネジメント・グループ(ニュー ヨーク)のスタンリー・ナビ副会長は、「今年の経済指標と企業決算 はいずれもそう簡単には比較できないだろう。これは状況が悪化する というわけではない。だが投資家は一段と控えめな数字が出ることに 備える必要がある」と述べた。

企業決算

景気回復や企業業績への楽観的な見方が強まる中、S&P500 種は週間ベースで7週連続高となっている。ブルームバーグのデータ によれば、同指数の構成企業で今月10日以降に四半期決算を発表し た24社のうち17社が、アナリスト予想を上回る利益を計上した。 アナリスト予想(平均)は昨年第4四半期が22%の増益、11年通 年では14%の増益となっている。売上高については、24社のうち 18社が予想を上回った。

GMGディフェンシブ・ベータ・ファンドの共同運用責任者で、 ゲーリー・ゴールドバーグ・ファイナンシャル・サービシズの社長を 務めるオリバー・パーシュ氏は「11年に相場が上昇するとのわれわ れの見方に関して言えば、発表された決算には新たな懸念材料も、さ らに楽観的になる材料も見当たらない」と指摘。「企業はコスト削減 を通じた利ざや拡大で目を見張るような実績を示した。今後も予想を 上回る利益を続けるには、売上高の伸びによる利ざや拡大が必要にな る。これは極めて重要だ」と続けた。

アルミ生産で米最大手のアルコアが先週発表した第4四半期決算 では、一部項目を除いたベースでの1株利益が21セントと、アナリ スト予想の平均を12%上回った。売上高は4%増の56億5000万 ドルで、アナリスト予想は下回った。米3位の銀行シティグループの 利益は、株式と債券のトレーディング収入の落ち込みが響き、予想を 48%下回った。

金融株の下落

S&P500種の金融株指数は2.2%下落。KBW銀行指数は

2.4%安。構成する24銘柄中23銘柄が下げた。

ゴールドマンは4.7%安の166.49ドル。同社の第4四半期純 利益は23億9000万ドル(約1960億円、1株当たり3.79ドル) と、前年同期の49億5000万ドル(同8.20ドル)から減少した。 ブルームバーグ・ニュースがまとめたアナリスト22人の予想平均で も1株当たり3.79ドルの利益が見込まれていた。

S&P500種の住宅建設株指数は2.9%安。売上高で米2位の 住宅建設会社D.R.ホートンは3.7%安の12.84ドル。同3位の レナーは3.4%下げて19.79ドル。

アメックス、IBM

アメックスは2.4%安の45.24ドル。アメックスの第4四半 期決算暫定集計値によると、純利益は一部アナリストの予想を下回っ た。サービスネットワークの人員削減に絡むコストが影響した。アメ ックスは利用額ベースで最大手のクレジットカード発行会社。

IBMは3.4%高の155.69ドル。ダウ平均の下値を支えた。 同社が18日発表した第4四半期決算では、1株利益が4.18ドル に増加し、ブルームバーグがまとめたアナリスト予想平均(4.08ド ル)を上回った。売上高は290億ドルに増えた。

◎米国債:上昇、株安で買い-10年債利回りの変動幅拡大

米国債相場は上昇。昨年12月の米住宅着工件数が予想以上に減 少したことを手掛かりに株式相場が下落したため、買いが優勢になっ た。10年債利回りの変動幅は2カ月ぶりの狭いレンジから拡大した。

30年債と2年債の利回り格差は過去最大付近となった。インフ レ加速のリスクに対して、高い利回りを求める動きが広がった。米連 邦準備制度は77億ドル相当の米国債を購入。米国債市場は過去1週 間余りで最も薄い商いだった。

モルガン・スタンレー・スミス・バーニーの債券ストラテジスト、 ケビン・フラナガン氏は、「前日の金利上昇やこの日の株安、欧州か らのニュースがないといった支援材料で、米国債に買いを入れやすい 環境が整った」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後5時現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下の3.34%。一時は3.32%まで下げたが、

3.39%まで上昇する場面もあった。前日には3.41%と、12日以 来の高水準を付けた。同年債(表面利率2.625%、2020年11月 償還)価格は7/32上げて94 2/32。

10年債利回りはこれより先、3.39-3.34%と、4.7bpのレ ンジ内での取引となっていた。これは昨年11月11日以来の狭いレ ンジ。

フラナガン氏は「市場参加者は3.25-3.55%のより広いレン ジを見込んでおり、なかでも3.30-3.40%のレンジだ」と指摘。 「ほかにニュースがなければ、10年債で3.40%の利回りには買い が集まる」と述べた。

30年債利回り

30年債利回りは4bp低下の4.53%。前日には4.61%と、 1カ月ぶりの高水準を付ける場面もあった。2年債利回りは2bp低 下の0.56%。

トラディション・アシール・セキュリティーズのブローカー、ポ ール・ホルマン氏(ニューヨーク在勤)は、「レンジ取引にまだとど まっている」と指摘。「一時抜け出したが非常に小幅で素早く、また レンジ内に戻ってしまった」と述べた。

インターバンク・ブローカー最大手の英ICAPによると、米国 債の出来高は午後4時1分現在、約2620億ドルと10日以降では 商いが最も薄かった。前日は約2730億ドルだった。2010年の1 日平均は2494億ドル。

米商務省が発表した昨年12月の住宅着工件数(季節調整済み、 年率換算)は前月比4.3%減の52万9000戸となった。ブルーム バーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は55万戸だ った。

NY連銀の国債購入

ニューヨーク連銀はこの日、償還期限が2013年12月-14年 1月の国債を買い入れた。保有者が差し出した391億ドルのうち、

19.8%を購入。過去10回の国債購入では平均で34%を買い取っ ている。

同連銀のウェブサイトによれば、20、21両日にも国債を購入す る予定だ。

2年債と30年債のスプレッド(利回り格差)は3.97ポイン ト。前日には4.01ポイントまで拡大し、利回り曲線はブルームバ ーグが1977年にデータの記録を開始して以降で最もスティープ化 した。

ドイツ銀行の金利ストラテジスト、アレックス・リー氏は「現時 点で、インフレは管理不可能とはなっていないが、これはインフレに 対する市場の懸念を反映している」と述べた。

◎NY金:続伸、ドル下落で代替投資需要-終値1370.20ドル

ニューヨーク金先物相場は続伸。ドルが下落し、代替投資として の金の魅力が高まった。

ドルは主要通貨バスケットに対して2カ月ぶりの低水準に下落。 米国の雇用・不動産市場の回復が鈍く、連邦公開市場委員会(FOM C)が利上げを実施できないとの思惑が背景にある。FOMCが政策 金利を過去最低で維持する中、金は2010年に30%上昇した。

ラサール・フューチャーズ・グループ(シカゴ)の金属トレーダ ー、マット・ジーマン氏は「金はドル安再燃で上昇している。米国内 面では労働市場と住宅市場が引き続き弱い。現在の経済指標を基にし て金融当局が利上げを実施することはないだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 2月限は前日比2ドル高の1オンス=1370.20ドルで終了した。

◎NY原油:続落、1週間ぶり安値-米住宅統計で回復こう着観

ニューヨーク原油先物相場は1週間ぶりの安値に下落。米住宅着 工件数が予想以上に減少したことで、米景気回復が足踏みしていると の見方が広がった。

12月の米住宅着工件数は1年2カ月ぶりの水準に落ち込んだ。 株式市場ではS&P500種株価指数が2年ぶり高値から転落。修復 作業が終わったトランス・アラスカ・パイプラインでは、輸送停止に なる前日の今月7日以降で最大の輸送量を回復した。

トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード) のアナリスト兼ブローカー、ジーン・マクギリアン氏は、「経済統計 は良い数字ではなかった。市場は依然として経済要因に注目している ようだ」と述べた。「ドルや株価がどのように変動するか見守ってい る」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物2月限は前日 比52セント(0.57%)安の1バレル=90.86ドルで終了。10日 以来の安値。過去1年では15%値上がりしている。

◎欧州株:11月来の大幅安-米住宅統計やゴールドマン決算で

欧州株式相場は昨年11月以来の大幅安となった。米住宅着工 件数が市場予想を下回ったほか、米ゴールドマン・サックス・グルー プの昨年10-12月(第4四半期)利益がアナリスト予想を上回ら なかったことが背景。

オランダの試薬・解析技術メーカー、キアゲンは2.2%下げた。 エクサネBNPパリバが同銘柄の投資判断を引き下げたことが嫌気さ れた。スイスの時計メーカー、スウォッチ・グループは売り上げが増 加したものの下落。四半期利益が予想以上だったオランダの半導体製 造装置メーカーのASMLホールディングも下げた。英家電小売りの ケサ・エレクトリカルズは9.8%の大幅安。同社利益が見通しの下 限になるとの見方を示したことが売りを誘った。

ストックス欧州600指数は前日比1.4%安の282.72と、7 週間余りで最大の値下がりとなった。同指数は前週、週間ベースで 1%上げた。欧州各国の首脳が債務危機の拡大を阻止する取り組みを 強化するとの期待が押し上げ要因だった。

セラ・ジェスチオーニ(ミラノ)のニコラ・トリベーリ最高投資 責任者(CIO)は、「基本的な雰囲気は前向きだ。ただ、欧州金融 安定ファシリティー(EFSF)の強化先送りである程度の警戒感が 広がっている一方で、ボラティリティーがまだ金融株に影響を及ぼし ている」と語った。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)は17日遅くの協議で、 7500億ユーロのEFSFの規模拡大を拒否した。

スウォッチは4.9%安。同社の2010年売上高は19%増加した。 ASMLは6.8%下げた。同社の10-12月期利益がアナリスト予 想を上回った。10年通期の売上高は過去最高を記録した。

◎欧州債:独2年債が上昇、株安と米回復足踏みで-ギリシャ債下落

欧州債市場では、ドイツ2年債相場が上昇。株安に加え、この日 発表された米住宅着工件数が米景気の回復足踏みを示したことから、 域内で最も安全とされるドイツ国債への需要が高まった。

ドイツ2年債利回りは1年ぶり高水準から下げに転じた。それま では欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁による先週のインフレリ スクの高まりへの言及で、利上げ観測が強まっていた。

ギリシャ国債相場は下落。ギリシャの債務再編を助けるような案 をドイツ政府が検討していると、独紙ツァイトが報じたことに反応し た。ただ、ドイツ政府が報道内容を否定したため、ギリシャ国債は下 げ幅を縮小した。

ロイズ・コーポレート・バンクの金利ストラテジスト、エリッ ク・ワンド氏(ロンドン在勤)は、トリシェ総裁の発言で「市場は気 が早過ぎたようだ」と指摘。「短期債には若干の回復余地がある。E CBが利上げを急いでいるとは考えていない」と続けた。

ドイツ2年債利回りはロンドン時間午後3時16分現在、前日比 4ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の1.17%。 前日は1.22%まで上昇し、昨年1月14日以来の高水準を付けた。 独10年債利回りは3.12%と、1bp未満の上げだった。

欧州株式の指標、ストックス欧州600指数は3日ぶりに下落。 米商務省が発表した昨年12月の住宅着工件数が2009年10月以来 の低水準に落ち込んだことが嫌気された。

ギリシャ10年債利回りは前日比7bp上昇し11.49%。同年 限のドイツ国債に対するスプレッド(上乗せ利回り)は12bp拡大 し845bpとなった。

◎英国債:上昇、10年債利回り3.63%-雇用統計で利上げ観測後退

英国債相場は上昇した。この日発表された雇用統計を受け、イン グランド銀行(英中央銀行)が今年後半に利上げを開始するとの観測 が後退した。

英政府統計局(ONS)が発表した失業保険申請ベースの12月 の英失業者数は、市場予想に反して減少した。ただ、若年層の失業者 数が増加し、賃金の伸びは物価上昇率を下回ったことが示された。

アドバンスド・カレンシー・マーケッツ(ジュネーブ)の市場ス トラテジスト、エリザベス・グレゴリー氏は、「一部ではまだ、利上 げは時期尚早だと見られている」と語った。

10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)低下し3.63%、2年債利回りは6bp下げ1.3%。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 大塚 美佳 Mika Otsuka +1-212-617-5823 motsuka3@bloomberg.net ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net Editor:Akiko Nishimae 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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