1月18日の海外株式・債券・為替・商品市場(Update2)

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:ユーロが対ドル上昇、欧州危機に沈静化の観測

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロが対ドルで上昇、ここ1 カ月で最も高い水準をつけた。ユーロ圏政策当局者の取り組みが奏功 し、ソブリン債危機の悪化を防ぐとの観測が背景。

カナダ・ドルは主要通貨すべてに対して下落。カナダ銀行(中央 銀行)が自国通貨高や欧州の財政危機で景気回復が鈍化する恐れがあ ると述べたのが嫌気された。ロシアのクドリン財務相は、中国と日本 に続き、ロシアも欧州の救済基金が発行する債券を購入する可能性が あると述べた。

バークレイズの通貨ストラテジスト、アループ・チャタジー氏は、 「最近、地合いがある程度改善したのは、ユーロ圏の国債に対する海 外からの需要と関連している」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時49分現在、ユーロは対ドルで前営業 日比0.7%高の1ユーロ=1.3385ドル。前日は1.3294ドルだっ た。ユーロは一時、12月14日以来の高値となる1.3466ドルまで 値上がりした。ユーロは円に対しては0.6%高の1ユーロ=110円 60銭、前営業日は109円91銭だった。ドルは対円で1ドル=82 円63銭。前営業日は82円68銭だった。

カナダ・ドルは対ドルで約2年ぶり高値から下落。カナダ銀行は 政策金利を1%で据え置き、将来の利上げについては「慎重に検討す る」との姿勢を示した。

カナダ銀行

TDセキュリティーズの為替ストラテジスト、ジャッキー・ダグ ラス氏(トロント在勤)は、「カナダ銀行は少なくとも今後数回の会 合では利上げを決定する意向がないことを、はっきりと示唆している」 と述べた。

カナダ・ドルは対米ドルで0.5%安。対円でも0.5%値下がり した。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)は17日、高債務国向け の安全網の強化を約束するとともに、財政危機の抑制で直ちに行動を 求める圧力には直面していないとの認識を示唆した。

市場参加者の間では、欧州各国政府が現在4400億ユーロの欧 州金融安定ファシリティー(EFSF)の規模を拡大し、EFSFに よる債券購入を認めるとの観測が高まっていた。

EFSFは17日、債券発行に向けて米シティグループと英HS BCホールディングス、仏ソシエテ・ジェネラルを起用。EFSFは アイルランド救済資金として債券発行で最大50億ユーロを調達する 計画だ。

ロシアが関心

ロシアのクドリン財務相は18日、モスクワで記者団に対し、 「発行条件が分からないが、非常に有利なものになると考えている」 と述べ、「ロシアが関心を持つようなものになることは十分にあり得 る」と続けた。

英ポンドは対ドルで上昇。一時は、1ポンド=1.6059ドルと、 11月22日以来の高値をつけた。英政府統計局(ONS)が発表し た12月の消費者物価指数が前年同月比で3.7%上昇と、ブルーム バーグ・ニュースがまとめた調査の予想中央値(3.4%上昇)を上回 ったのが材料。

ただ、ストラテジストらはポンドがこの先下落すると予想してい る。英キャメロン政権の赤字削減策が経済成長のスピードを鈍化させ、 インフレの加速はイングランド銀行(英中銀)による金融政策を制限 するとの見方が理由だ。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は0.4%下げて78.998。一時は11月22日以来の低水 準となる78.635まで下げていた。

◎米国株:上昇、商品株高や欧州の取り組みで-シティは安い

米株式相場は上昇。シティグループの決算が予想を下回ったほか、 アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)の健康を めぐる懸念が広がったものの、商品株の値上がりや欧州の財務相が域 内支援に向け取り組む姿勢を示したことが相場を押し上げた。

ドルの値下がりによる商品相場の上昇を材料に、アルミ生産のア ルコアやエクソンモービルが買われた。ボーイングも高い。同社は最 新中型旅客機「787」(ドリームライナー)の第1号機の納入を7- 9月(第3四半期)に延期したが、この延期は一部のアナリスト予想 と一致した。

一方、シティは下落。同行の2010年10-12月(第4四半期) 決算は、自社債務の評価替えに伴う費用計上で利益が圧迫された。ア ップルはジョブズCEOの医療休暇を発表したことを嫌気し売られた。

S&P500種株価指数は前営業日比0.1%高の1295.02と、 08年8月28日以来の高値。ダウ工業株30種平均は50.55ドル (0.4%)上げて11837.93ドル。

プルデンシャル・ファイナンシャルのチーフ市場ストラテジスト、 クインシー・クロスビー氏は「シティやアップルのニュースを市場は 消化しつつあるようだ」と分析。「経済指標は力強い。アップルを含 め、企業決算も好調が見込まれている。欧州では債務危機の拡大阻止 のため、財務当局者が防火壁を築いている。どれだけ持つかは分から ないが、機能しているようだ。市場もそれに応じた反応を見せている」 と述べた。

1928年以降のパフォーマンス

S&P500種は14日までの時点で週間ベースでは7週連続高 と、07年5月以来の長期連続上昇となった。べスポーク・インベス トメント・グループのデータによれば、1928年以降、S&P500 種が7週連続高となった後は、8週目は平均で0.8%高、1カ月間 では1.3%高となっている。

この日は欧州株も上昇。ユーロ圏財務相会合(ユーログループ) は17日、高債務国向けの安全網の強化を表明した。

エネルギー・資源株は上昇。ドル下落で代替投資先としての商品 の魅力が高まった。アルコアは1.9%高の16.27ドル。エクソン は1.1%上げて78.71ドル。

ボーイング

ボーイングが3.4%高の72.47ドルとなり、ダウ平均の上げ を主導した。同社はドリームライナーの第1号機の納入を第3四半期 に延期。当初計画から3年を超す遅延となる。グリーチャー・セキュ リティーズのアナリスト、ピーター・アーメント氏は今回の延期につ いて、「大方の予想と一致している」と述べた。同氏はボーイング株 に買い推奨を出している。

S&P500種の産業株指数は0.6%高。ニューヨーク連銀管轄 地区の製造業景況指数は2カ月連続で上昇した。受注や出荷が伸びた。

ニューヨーク連銀が18日発表した1月の同地区の製造業景況指 数は11.9と、前月の9.9(速報値10.6)から上昇。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は12.5だっ た。同指数ではゼロが景況の拡大と縮小の境目を示す。

シティは6.4%安の4.80ドル。同行は第4四半期に自社債務 の評価替えに伴う費用11億ドルを計上した。純利益は一部項目を除 いたベースで1株当たり4セントと、アナリストの予想平均を48% 下回った。

アップルは2.3%安の340.65ドル。事情に詳しい関係者によ れば、ジョブズCEOは稀有(けう)な型のがんと闘い約2年前には 肝臓移植を受けており、健康状態が悪化している。

◎米国債:2年債と30年債の利回り格差が過去最大

米国債市場では2年債と30年債の利回り格差が過去最大に拡大 した。インフレが加速するとの観測を背景に、長期債に対して高い利 回りを求める動きが広がった。

2年債と30年債の利回り差は一時4.01ポイントとなり、利 回り曲線はブルームバーグが1977年にデータの記録を開始して以 降で最もスティープ化した。米連邦準備制度は成長拡大に向けたプロ グラムの一環として、今週は最大215億ドルの国債を買い入れる。

CRTキャピタル・グループの国債ストラテジスト、イアン・リ ンジェン氏は「2年債は、米連邦公開市場委員会(FOMC)による ゼロ金利政策に固定されたままだ」と指摘。「FOMCが表明したイ ンフレ率押上げへの政策目標により、当局に対する出口戦略開始への 市場の要求が、実際の開始よりも先立つことが予想される。こうした ことから、期間が長めの国債は2年債よりもパフォーマンスが引き続 き低迷するだろう」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時2分現在、30年債利回りは前営業日比4ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)上昇の4.56%。一時は4.61%と、 昨年12月16日以来の高水準を付けた。同年債(表面利率4.25%、 2040年11月償還)価格は22/32下げて94 291/32。

10年債利回りは3bp上昇の3.36%。一時は3.28%に低下 する場面もあった。2年債利回りはほぼ変わらずの0.58%。

償還期限までの消費者物価見通しの指標となる10年債と同年物 インフレ連動債(TIPS)の利回り格差は2.38%に拡大。昨年8 月には1.47%を付けていた。

鍵となる水準

利回りはこれより先、低下する場面もあった。金融緩和策の実施 で景気回復が加速しつつあるとの兆しに、FOMCが影響されること はないとの観測が強まった。ジャニー・モンゴメリー・スコットのチ ーフ債券ストラテジスト、ガイ・リーバス氏によれば、10年債利回 りは3.25%水準を割り込むことができなかった後、戻した。

リーバス氏は、「3.25-3.50%のレンジには、大手の資産運 用会社が警告の旗を立てているようだ」と指摘。「3.25%に近づけ ば、売り圧力が強まる」と述べた。

ニューヨーク連銀はこの日、TIPSを17億ドル相当買い入れ た。6月にかけて6000億ドルの国債を購入する量的緩和プログラ ムの一環。今週は19日以降も3日連続で国債を購入する。

対米証券投資

米財務省が発表した11月の対米証券投資統計によると、外国の 政府と投資家の中長期金融資産取引額は外国人からみて851億ドル の買い越しとなった。買越額は前月の289億ドルから拡大した。

株式スワップなど短期資産を含む金融資産の合計は390億ドル の買い越し。前月の買越額は151億ドルだった。

中国による期間が長めの米国債保有額は99億ドル(1.1%)増 加して8708億ドルと、過去最高。同国による米国債全体の保有額 は前月比1.2%減の8956億ドルだった。期間が短めの国債保有が 前月の459億ドルからほぼ半減し、248億ドルとなった。日本の米 国債保有額は0.3%増の8772億ドル。

米財務省は20日に、2年、5年、7年債入札の規模を発表する。

国債相場がこの日、上昇から下げに転じた背景には、30年債と 10年債の先物の大規模な売りがあったとの観測がある。

MFグローバルの債券部門シニアバイスプレジデント、リチャー ド・ブライアント氏は、「大規模で積極的な先物の売りが10年債と 30年債に集中していたことを価格の動きが示唆している」と述べた。

◎NY金:反発、個人投資家が現物に押し目買い-1368.20ドル

ニューヨーク金先物相場は反発。今月に入ってからの下落を受け、 個人投資家の金地金や米国コインへの需要が高まった。

バークレイズ・キャピタルのアナリスト、スキ・クーパー氏の 18日付の電子メールによると、金価格が1オンス=1400ドルを下 回ったことを背景に、オーストラリア造幣局は強い需要を指摘。地金 現物価格は旧正月を前に2年ぶりの高値をつけたという。

クーパー氏は「個人投資家の金への関心は依然として強い。短期 的な戦術の投資家は最近、新たな売り持ちポジションを組んだが、押 し目では実需が引き続き下支えている。さらに、米造幣局は金コイン の販売が今年、好調に滑り出したことを報告している」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 2月限は前日比7.70ドル(0.6%)高の1オンス=1368.20ド ル。月初からは3.7%安。

◎NY原油:下落、IEA報告を嫌気-北米中心に「在庫は十分」

ニューヨーク原油先物相場は下落。国際エネルギー機関(IEA) が北米を中心に供給は十分にあるとの見方を示したことが嫌気された。

IEAは11月の在庫が減少したものの、大半の先進国の在庫状 況は「比較的問題ないようだ」と報告。11月の北米在庫は過去5年 の平均を3.2%上回ったと指摘した。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・ キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は、 「現時点で供給は十分にある」と指摘。「在庫は5年平均を軽く上回 っており、心配な段階ではない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物2月限は前営 業日比16セント(0.17%)安の1バレル=91.38ドルで終了し た。今月11日以来の安値。年初からはほぼ変わらず。前日はキング 牧師生誕記念日の祝日で休場だった。

◎欧州株:2年ぶり高値、安全網強化の方針-ダイムラーなどに買い

欧州株式相場は上昇し、2年ぶり高値を付けた。ユーロ圏財務相 会合(ユーログループ)が域内の高債務国向け安全網強化の方針を打 ち出したことが背景にある。

ドイツの高級車メーカー、ダイムラーは2.8%高。モルガン・ スタンレーによる投資判断引き上げが買いを誘った。英半導体設計会 社ARMホールディングスと、携帯向け半導体メーカーの英CSRも 高い。ゴールドマン・サックス・グループが両銘柄の買いを推奨した ことが手掛かり。

英ビール会社、サブミラーは1.7%上昇。同社が発表した 2010年10-12月(第3四半期)売上高が市場予想を上回った。 英高級ブランド品小売りのバーバリー・グループは5.3%の大幅高。 同社の第3四半期の売上高が前年同期比27%増となり、調整後ベー スの通期利益見通しを上方修正したことが好感された。

ストックス欧州600指数は前日比0.9%高の286.70と、 2008年9月以来の高値で引けた。同指数は前週、週間ベースで1% 上げた。欧州各国の首脳が債務危機の拡大を阻止する取り組みを強化 するとの期待が押し上げ要因だった。

WGZ銀行(デュッセルドルフ)の株式部門責任者、マチアス・ ヤスパー氏は、「株式にとって良い1年になると強く確信している。 ソブリン債危機が高まらないというのが現時点での一般的な見方だ。 利益は再び大きく伸びるだろう」と語った。

欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会のレーン委員 (経済・通貨担当)は昨夜遅くのブリュッセルでのユーロ圏各国の財 務相と会談後、記者団に対し「最もストレスのかかったシナリオにお いても、われわれの行動能力に市場が少しも疑問を抱かないよう、既 存の金融の安全装置を改善すべきだ」と述べた。

18日の西欧市場では、ギリシャとアイスランドを除く16カ国 で主要株価指数が上昇した。ARMは4.3%、CSRは2.2%それ ぞれ上げた。

◎欧州債:アイルランド債中心に下落-ドイツが安全網強化に抵抗

欧州債市場ではアイルランド国債を中心に周辺国の国債相場が下 落。ドイツが高債務国向け安全網の早期強化に抵抗したことから、債 務危機が悪化するとの懸念が高まった。

アイルランド10年債利回りは昨年11月以来の大幅上昇。同国 のカウエン首相は自らが率いる共和党の議員による信任投票に臨む。 スペインとポルトガル、ベルギーの国債も下げた。ドイツのショイブ レ財務相が域内救済基金の強化などを決める期限を3月終わりに想定 し、差し迫った行動の必要はないとの見解を示したことが背景にある。

ドイツ国債も軟調。同10年債利回りは9カ月ぶり高水準を付け た。この日発表されたドイツの景況感指数はエコノミスト予想以上に 伸び、6カ月ぶり高水準となった。

アイルランド10年債利回りはロンドン時間午後4時23分現在、

8.90%。一時は前日比54ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)上昇し、昨年11月10日以降で最大の上げとなった。ド イツ10年債に対するプレミアム(上乗せ利回り)は578bpと、 10日以降の最大に拡大した。

ベルギー10年債利回りは10bp上昇の4.25%。独10年債と のプレミアムは113bpに広がった。スペイン10年債利回りは6 bp上げ5.51%。同国はこの日、12カ月物と18カ月物の国債入 札を実施した。

ドイツ10年債利回りは前日比9bp上昇の3.13%、同2年債 利回りは7bp上げ1.21%。ドイツの欧州経済研究所センター(Z EW)がまとめた1月の期待指数はプラス15.4と、12月のプラス

4.3から上昇した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミ スト39人の予想中央値はプラス7だった。

◎英国債:下落、10年債利回り3.66%-インフレ加速で利上げ観測

英国債相場は下落した。12月のインフレが市場の予想以上に加 速したことが経済統計で示され、イングランド銀行(英中央銀行)が 政策金利を引き上げるとの見通しが強まった。

英政府統計局(ONS)の発表によると、12月の消費者物価指 数は前年同月比3.7%上昇した。ブルームバーグ・ニュースがエコ ノミスト31人を対象にまとめた調査の中央値では3.4%上昇が見 込まれていた。11月は3.3%上昇だった。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニック・ スタメンコビッチ氏(エディンバラ在勤)は、「英インフレ率は予想 を上回り続けており、イングランド銀は近く利上げを余儀なくされる だろう」と語った。

10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)上昇し3.66%、2年債利回りは3bp上げ1.37%とな った。

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