ユーロ圏の危機の深層を映し出すCDS-資金調達リスクも反映

【記者:Anchalee Worrachate】

1月18日(ブルームバーグ):ユーロ圏諸国の信用力を判断しよ うとする場合、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が国 債の上乗せ利回り(スプレッド)よりも適切な指標となりつつある。 欧州中央銀行(ECB)が740億ユーロ(約8兆1140億円)相当の 国債を買い入れ、ドイツ国債に対するスプレッドを何が縮小させて いるかについて投資家は疑念を抱いている。

ポルトガルの国債をデフォルト(債務不履行)から保証するコ ストは今月10日、独仏両国が支援要請を強く迫るとの観測から過去 最高水準に上昇。対照的にポルトガル10年国債のドイツ国債に対す るスプレッドは過去1カ月で最も大幅に縮小した。アイルランドが 昨年11月に救済を受け入れる前と比較して、国債の保証コストが約 4%上昇したのに対し、ドイツ国債に対するスプレッドは18%縮小 している。

イグニス・アセット・マネジメント(英グラスゴー)で1100 億ドル(約9兆円)の資産運用に携わるスチュアート・トムソン氏 は「ECBの介入によって国債スプレッドが縮小する一方、CDS スプレッドは急激に拡大しており、最悪期が決して終わっていない というのが結論だ。CDSが指標としてますます重要になっている」 と話す。

スタンダード・ライフ・インベストメンツ(エディンバラ)の グローバル・ストラテジスト、リチャード・バティ氏は「債務問題 の中期的か長期的な解決策がない限り、市場はリスクの高い状態が 続くというのがわれわれの見解であり、国債スプレッドが縮小して もこの見方は変わらない」と指摘。「CDSは恐らく、代替指標とし てよりふさわしい。危機の際にはとりわけ、資産の現金化が非常に 難しくなり得るというのが現金市場の問題だからだ」と付け加えた。

ECBの政策委員会メンバー、キプロス中央銀行のオルファニ デス総裁は、欧州の救済基金である欧州金融安定ファシリティー(E FSF)に国債購入の権限が認められれば、ECBは国債購入を中 止することができる可能性があると発言したが、コメルツ銀行の債 券ストラテジスト、デービッド・シュナウツ氏は「それでは何も変 わらない。見せかけの短期的な解決策を提供するだけでは、根本的 な問題は解消されないだろう」と警告している。

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