ユーロより下落が激しいポンド-緊縮財政と利上げ困難で下げ継続か

英ポンド以上にパフォーマンスの 悪い主要通貨はない。キャメロン首相が掲げる緊縮財政は景気を鈍化 させるものの、インフレ率の上昇でイングランド銀行(中央銀行)に は経済を刺激する手段が限られている。

昨年8月初め以来、ポンドは16の主要通貨全てに対して下げ、そ の下落ペースはユーロより激しい。ポンド相場を最も的確に予想して きたストラテジスト3人は、同通貨の下げは今後も続くとみており、 先物トレーダーは今月に入り、昨年9月以来最も弱気となっている。

ポンドはキャメロン政権が誕生した昨年5月から11月にかけては 対ドルで8%上昇したが、それ以降は同政権が掲げる財政赤字削減目 標に向けた措置に縛られた格好だ。同赤字は前年度に対国内総生産(G DP)比で11.1%に拡大した。英中銀のキング総裁は景気支援で政策 金利を過去最低水準に据え置いているが、インフレ率は9カ月連続で 政府が上限目標とする3%を上回っている。

三菱東京UFJ銀行の為替ストラテジスト、リー・ハードマン氏 (ロンドン在勤)は「経済成長が弱い環境下でインフレ抑制の引き締 め政策を行えば、ポンドにはダブルパンチとなる」と述べ、「利上げが ポンドの支援要因になるのは力強い経済成長に伴って実施された場合 のみだ」と説明した。

ハードマン氏はポンドが年末までに1ポンド=1.50ドルに下落す るとみている。ロンドン時間17日午後6時28分(日本時間18日午前 3時28分)現在は1.5876ドル。アナリストらもポンドの対ドル相場 見通しを引き下げており、ブルームバーグが調査対象とした29人の予 想中央値は2011年末時点で1.54ドル。

ブルームバ-グの指数によると、ポンドは昨年7.14%下落し、昨 年8月3日以来は4.04%下げている。過去2カ月間の対ドルでの下落 率は2.7%で、政権交代で保守党が自由民主党と連立を組んでキャメロ ン政権誕生となった昨年5月の総選挙以来最大。先週は対ドルで

2.07%上昇したが、ユーロに対しては1.58%下げた。

先物トレーダーらも今月に入り、ポンドの対ドル相場に一段と弱 気になっている。米商品先物取引委員会(CFTC)によると、ヘッ ジファンドなど大口投機家のポンドの建玉は今月4日時点で1万4133 枚の売り越しとなり、この規模は昨年9月7日以来最大だった。

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