日本株は小幅高、欧州懸念後退と中国株落ち着き-鉱業高い

東京株式相場は小幅高。ユーロ圏 財務相会合のユンケル議長が、ソブリン債危機を食い止めるための措 置は機能しているもようとの認識を示し、欧州財政問題への懸念がや や後退した。前日に大幅安となった中国本土株が落ち着いた動きとな ったことも、市場参加者の心理にプラスに働いた。

業種では、石油輸出国機構 (OPEC)による原油需要見通しの 引き上げを受け、鉱業や商社など石油関連株が上昇。市況改善期待な どが広がり、不動産株も高い。韓国で炭素繊維工場を新設する東レを 中心に繊維製品株も上昇。一方、収益下振れ観測の出た鉄鋼株が安く、 医薬品などとともに相場全般の上値を抑えた。

TOPIXの終値は前日比2.85ポイント(0.3%)高の931.58、 日経平均株価は同16円12銭(0.2%)高の1万518円98銭。

みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員は、欧州の財政問題につ いて「一喜一憂しながらになるが、徐々に良い方向に向かっている」 との認識を示唆。また、中国での金融引き締め政策に関しては、「不動 産価格や食料品のインフレに歯止めをかけるのが狙いであって、経済 を失速させるような事態は避けられるだろう」と見ている。

ユーロ圏財務相会合のユンケル議長(ルクセンブルク首相兼国庫 相)は17日、ブリュッセルでのユーロ圏財務相会合後、スペインとポ ルトガルで取られた措置を中心に、ソブリン債危機を食い止めるため にこれまでに取られた施策は機能しているようだと指摘し、「スペイン は財政赤字削減で野心的な措置を取った」と強調した。

米株先物軟調こなす

米アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)が 医療休暇を取得すると同社が17日に発表、米国株先物が下落した影響 などから、この日の日本株はTOPIX、日経平均ともに下げて始ま った。しかし、徐々に値を切り上げて午前中ごろから両指数ともプラ ス圏で推移した。

立花証券の平野憲一執行役員によると、「米株先物が時間外の電子 取引で下げていたことを嫌気し、売りから入った市場参加者が、朝方 の下値の堅さを見て買い戻した」という。欧州財政問題については、 ユーロ圏財務相会合で救済基金の拡大をめぐり意見の相違も見られた が、「ユンケル議長の発言がやや先行き不安を薄めた」としていた。

一方、金融引き締めを警戒した売りで前日に大幅続落した上海総 合株価指数が、きょうは前日終値を挟んで落ち着いた動き。水戸証券 投資情報部の岩崎利昭課長は、上海総合指数が小幅ながら反発して午 前を終えるなど、「アジア株が総じて堅調な展開となったことで、投資 家の間で安ど感が広がった」と言う。ただ、祝日休場明けのきょうの 米国株や企業決算動向を見極める姿勢も強く、買いの勢いも限られた。

OPECは需要見通しを上方修正

東証1部業種別33指数で上昇率トップとなったのは鉱業株で、国 際石油開発帝石は4%超上げた。三菱商事や住友商事など大手商社、 AOCホールディングスも高い。OPECは17日発表の月報で、こと しのOPEC産原油需要が世界全体で日量2940万バレルと、前年比 40万バレル増えるとの見通しを発表。前月予想から日量20万バレル 上方修正したことが、買い材料視された。

このほか、不動産株の上げも目立った。立花証の平野氏は不動産 株について、先行して上昇したREITの上昇に対する出遅れ感に加 え、「中国で金融引き締め姿勢が鮮明化しつつあることで、収益環境の 相対感から日本の不動産株に分があると見た投資家による買いの動き も出ている」と指摘していた。

東証1部の売買高は概算で19億6317万株、売買代金は1兆2366 億円。33業種は、鉱業や繊維、不動産、倉庫・運輸、卸売、海運、機 械、銀行など26業種が上昇、下落は鉄鋼や医薬品、証券・商品先物な ど7業種。値上がり銘柄数は943、値下がりは547。

チタン2社や三菱重高い、鉄鋼安い

個別では、航空機部品などの素材となるスポンジチタンの取引価 格が高騰していると18日付の日本経済新聞朝刊で伝えられ、大阪チタ ニウムテクノロジーズと東邦チタニウムが急伸。米国エネルギー大手、 ドミニオン社傘下企業から天然ガス炊きガスタービン・コンバインド サイクル発電設備を受注した三菱重工業も買われた。

半面、鉄鉱石や原料炭など資源価格の上昇が鉄鋼大手の収益を圧 迫していると、18日付の日経新聞朝刊で報じられ、新日本製鉄やJF Eホールディングスなどの鉄鋼株が安い。大和証券キャピタル・マー ケッツが投資判断を「3(中立)」に引き下げたキユーピー、シティグ ループ証券が投資判断を「中立」に下げたNECも安い。

国内新興市場は、ジャスダック指数が前日比0.4%高の53.78と 小幅に8日続伸。東証マザーズ指数は同1.3%安の470.28と反落した。 自社株買いを行うスパンクリートコーポレーションが急伸し、スカイ マーク、テラプローブ、楽天も上昇。半面、国土交通省関東地方整備 局から宅地建物取引業法に基づく行政処分を受けた陽光都市開発が大 幅安。1stホールディングス、ミクシィ、メディネットも売られた。

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