債券は続落、株高受け長期金利は1カ月ぶり高水準-5年債入札は順調

債券相場は続落。長期金利は約1 カ月ぶり高水準となる1.23%まで上昇した。明後日に20年債入札を 控えているほか、国内株式相場の上昇を警戒して売りが優勢だった。 この日に実施された5年債入札結果は応札倍率が上昇するなど順調だ ったものの、相場を押し上げるには至らなかった。

パインブリッジ・インベストメンツ運用本部の松川忠債券運用部 長は、「5年債入札結果は予想より良かったが、それに反応しきれず相 場の上値は重く、買いも続かなかった。20日に20年債入札を控えて いることもあって地合いは強くない。景気が立ち直りつつあり、株価 も上昇しているため、債券に売りが出ている」と述べた。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回 りは、前日比変わらずの1.21%で始まった。その後は、徐々に水準を 切り上げ、午後に入ると2ベーシスポイント(bp)高い1.23%まで上 昇。昨年12月17日以来、約1カ月ぶり高水準を付けた。いったんは

1.215%までやや戻したものの、午後4時20分過ぎからは1.225%で 推移している。

長期金利が午後に1.23%を付けた場面では買いが入ったものの、 金利水準を押し下げる動きは見られなかった。20年債入札を控えてい ることに加えて、景気回復期待を背景に潜在需要が減退しているとの 見方が出ている。インブリッジの松川氏は「銀行は、余剰資金を潤沢 に持っているので、大きく崩れることはないが、昨年春から夏にかけ ての買いに比べると勢いが落ちている」と指摘した。

明後日の20年債入札意識

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「5年 債入札を通過した後は、よほど結果が強くない限り、20日の20年債 入札が見えてくるので、値を下げる」と話していた。

東京先物市場で中心限月3月物は続落。前日比2銭高の139円90 銭で始まり、直後に9銭高まで上昇した。しかし、その後は、日経平 均株価が朝安後に上昇に転じたことを受けて売りが優勢となった。午 後に入ると一段安となり、取引終了前には24銭安まで下落。結局は 13銭安の139円75銭で引けた。

半面、5年債入札結果が順調だったことを好感して、中期債は堅 調。5年物の93回債利回りは前日比1.5bp低い0.495%に低下してい る。前日には入札に対する警戒感から一時0.515%と約1カ月ぶり高 水準を付けていた反動の買いも入ったもよう。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、「先週後半から今週の20年債入札に向けて、銀行勢から超長 期債を売る動きが出ており、銀行勢は5年債入札への準備で中期債も 売っていた。しかし、十分に安くなったので、5年債に買いが入った」 と説明した。

5年入札は「良い結果」との声

財務省がこの日実施した表面利率(クーポン)0.5%の5年利付国 債(93回債)の入札結果では、最低落札価格が100円02銭、平均落 札価格は100円03銭となった。

最低価格はブルームバーグが事前に調査した100円01銭を上回り、 応札倍率は3.97倍と前回の2.78倍から上昇した。小さいほど好調と されるテール(最低と平均落札の差)は1銭と前回の4銭から縮小し た。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテジ ストは、5年債入札結果について、「良い結果だった。テールは縮小し て応札倍率も上昇した。需給の良さが確認された」と指摘。一方、入 札後の相場の上値が重かったことについては、「景気に楽観的な指標が 出ていることや流通市場で積極的な買いが入るか半信半疑なためでは ないか」と語った。

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