オリックス宮内会長:「ROE10%基本に」安定性を重視へ

オリックスの宮内義彦会長兼最高経 営責任者(CEO、75)はブルームバーグ・ニュースとのインタビュー で、経営の効率性や収益性を示す株主資本利益率(ROE)について、 「10%を基本にしていきたい」との方針を明らかにした。金融危機の経 験などからリスク管理を重視し、安定成長を目指す考えを強調した。

オリックスはリーマンショック前までROE15%を目標とし、2008 年3月期までの4期は20-14%を達成してきたが、09年3月期以降は

1.8-3.1%に急落。宮内会長は「10%は2、3年で急いで達成する」と 強調。ただ、「ROEを高めることはリスクが高いということだ」とし、 「次は15%ということにはならない」とも言及した。

宮内会長は、「金融事業は市場への信頼の上で成り立つと思ってき たが、市場が非常に脆弱(ぜいじゃく)だと分かった」と指摘。その上 で「前と同じ成長を求めるのは違う」とし、現在の経済環境も踏まえる と安全性などを意識せざるを得ないとの認識を示した。ただ、ROE 10%の目標は前期の東証1部上場企業の平均3.6%を大きく上回る。

オリックスの09年3月期は金融危機のあおりによる投資損失など で9割の減益となった。前期は財務体質強化を優先課題とし、利益重視 で膨らんだ資産を約1割減の6兆4839億円まで圧縮した。不動産や法 人向け融資を減らす一方、住宅ローンなどリテール分野は増やした。宮 内会長はすでに手数料ビジネスを重視していく方針も掲げている。

不動産市況は「急速に回復」

また、配当方針について宮内会長は「当面、金融危機前の水準まで は回復しない」との見通しを示した。ROE10%の早期達成に向け、成 長につながる再投資などに回すためで「高配当はそれと矛盾する」と説 明した。同社の1株当たり期末配当は08年3月期に前年の2倍の260 円とした後、金融危機を経てここ2年は70円台にとどまっている。

主要事業の1つである不動産に関連し、「潮目が変わった。需給調 整で市況が下げ止まった。急速に回復しつつあるという感じだ」とし、 マンションなど住居系の回復が強く、東京のオフィス空室率も下げ止ま っていると指摘した。その上で「物流系(倉庫)の需給がだいぶ見合っ てきた」と関連収益の回復に期待感を示した。

みずほ証券の丹羽孝一氏はROE10%の目標について「この経済環 境下、レバレッジを抑える考え方は合理的だ」と評価。東海東京調査セ ンターの摩嶋竜生氏は「3年間での達成は可能」とし、「不動産市況改 善で売上増が期待でき、高齢者向け・エコなどの住宅事業にも強い。中 小企業向け融資も春以降回復するだろう」と見通した。

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