米国債:2年債と30年債の利回り格差が過去最大

米国債市場では2年債と30年 債の利回り格差が過去最大に拡大した。インフレが加速するとの観測 を背景に、長期債に対して高い利回りを求める動きが広がった。

2年債と30年債の利回り差は一時4.01ポイントとなり、利 回り曲線はブルームバーグが1977年にデータの記録を開始して以 降で最もスティープ化した。米連邦準備制度は成長拡大に向けたプロ グラムの一環として、今週は最大215億ドルの国債を買い入れる。

CRTキャピタル・グループの国債ストラテジスト、イアン・リ ンジェン氏は「2年債は、米連邦公開市場委員会(FOMC)による ゼロ金利政策に固定されたままだ」と指摘。「FOMCが表明したイ ンフレ率押上げへの政策目標により、当局に対する出口戦略開始への 市場の要求が、実際の開始よりも先立つことが予想される。こうした ことから、期間が長めの国債は2年債よりもパフォーマンスが引き続 き低迷するだろう」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時2分現在、30年債利回りは前営業日比4ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)上昇の4.56%。一時は4.61%と、 昨年12月16日以来の高水準を付けた。同年債(表面利率4.25%、 2040年11月償還)価格は22/32下げて94 291/32。

10年債利回りは3bp上昇の3.36%。一時は3.28%に低下 する場面もあった。2年債利回りはほぼ変わらずの0.58%。

償還期限までの消費者物価見通しの指標となる10年債と同年物 インフレ連動債(TIPS)の利回り格差は2.38%に拡大。昨年8 月には1.47%を付けていた。

鍵となる水準

利回りはこれより先、低下する場面もあった。金融緩和策の実施 で景気回復が加速しつつあるとの兆しに、FOMCが影響されること はないとの観測が強まった。ジャニー・モンゴメリー・スコットのチ ーフ債券ストラテジスト、ガイ・リーバス氏によれば、10年債利回 りは3.25%水準を割り込むことができなかった後、戻した。

リーバス氏は、「3.25-3.50%のレンジには、大手の資産運 用会社が警告の旗を立てているようだ」と指摘。「3.25%に近づけ ば、売り圧力が強まる」と述べた。

ニューヨーク連銀はこの日、TIPSを17億ドル相当買い入れ た。6月にかけて6000億ドルの国債を購入する量的緩和プログラ ムの一環。今週は19日以降も3日連続で国債を購入する。

対米証券投資

米財務省が発表した11月の対米証券投資統計によると、外国 の政府と投資家の中長期金融資産取引額は外国人からみて851億ド ルの買い越しとなった。買越額は前月の289億ドルから拡大した。

株式スワップなど短期資産を含む金融資産の合計は390億ドル の買い越し。前月の買越額は151億ドルだった。

中国による期間が長めの米国債保有額は99億ドル(1.1%)増 加して8708億ドルと、過去最高。同国による米国債全体の保有額 は前月比1.2%減の8956億ドルだった。期間が短めの国債保有が 前月の459億ドルからほぼ半減し、248億ドルとなった。日本の米 国債保有額は0.3%増の8772億ドル。

米財務省は20日に、2年、5年、7年債入札の規模を発表する。

国債相場がこの日、上昇から下げに転じた背景には、30年債と 10年債の先物の大規模な売りがあったとの観測がある。

MFグローバルの債券部門シニアバイスプレジデント、リチャー ド・ブライアント氏は、「大規模で積極的な先物の売りが10年債と 30年債に集中していたことを価格の動きが示唆している」と述べた。

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