世界の株式に割安感強まる、企業収益の伸び加速で

世界の株式相場は昨年10%上昇 したものの、バリュエーション(株価評価)は世界的に過去10年で 最大の低下を見せ、ノルウェーやイタリア、メキシコの企業は最も割 安な水準となっている。

ブルームバーグの集計データによると、45カ国の企業で構成さ れるMSCIオールカントリー世界指数は2008年8月以来の高水準 に達しているものの、指数上昇を上回るペースで企業収益が伸びたこ とから、平均株価収益率(PER)は低下した。過去2年にインター ネット・ブーム期以降で最大の上昇相場を演じた米国株は、指標のS &P500種株価指数のPERが約7カ月ぶりの高水準となっているた め、投資家は米国以外で割安株を探している。

ノルウェーの肥料メーカー、ヤラ・インターナショナルのPER は11.8倍で、アナリストは今年36%の増益を予想している。PER を増益率で除した値(PEGレシオ)は0.3倍と、世界平均を79% 下回っている。イタリアの銀行、ウニオネ・ディ・バンケ・イタリア ーネは利益が2倍近くに増加する見通しで、PEGレシオは0.3倍。 アナリストらによると、メキシコの携帯電話サービス会社アメリカ・ モビルは08年の金融危機前のバリュエーションを35%下回る水準で 推移しているが、業績は12年末まで全四半期で拡大する見通し。

「ノルウェーとメキシコに投資している」と言うウィンターグリ ーン・ファンドの運用担当者、デービッド・ウィンターズ氏は「これ らの国でわれわれが探そうとしているのは、珠玉の銘柄がどこにある かだ」と語った。

バリュエーション低下

同氏やハンティントン・アセット・アドバイザーズのマデリン・ マトロック氏、USAAインベストメント・マネジメントのワシフ・ ラティフ氏らは、企業が欧州のソブリン債危機やメキシコの麻薬問題 を克服するとみている。ブルームバーグの集計データによると、メキ シコ株は09年末時点より11%割安な水準にあり、イタリア株の指標 のバリュエーションは56%、ノルウェー株の指標のバリュエーショ ンは78%それぞれ低下している。

ブルームバーグが集計したアナリスト予測によると、MSCIオ ールカントリー世界指数の構成国で今年の企業利益の減少が見込まれ るのはエジプトとアイルランドの2カ国だけ。同指数は今月14日に

0.2%上昇して2年ぶりの高水準に達するとともに、7週続伸を記録し た。欧州当局が債務危機の解決に向けた取り組みを強化したほか、日 本がアイルランドとギリシャの支援で債券の購入を約束したことが好 感された。

ブルームバーグの集計データによると、同指数のPERは昨年 24%低下し、2000年以降で最大の落ち込みとなった。ブルームバー グが1995年以降のデータを分析したところ、指数が上昇した年の PERの低下幅としては昨年が最も大きかった。

ノルウェーとイタリア、メキシコの3カ国はバリュエーションと 増益率との比較で先週、世界で最も割安となった。1977年から90年 にかけてフィデリティ・インベストメンツのマゼラン・ファンドの運 用に携わったピーター・リンチ氏は、PEGレシオの方がPERのよ うな増益率を反映しない指標よりも良い投資尺度だと考えていた。

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