ウォール街の秘密組織、今年の新規会員の顔ぶれ-リーマンの元幹部も

タキシード姿でつるつる頭の男性 1人がマンハッタンのセントレジス・ホテルに入り、制服姿の従業員 に何かつぶやくと、エレベーターに通された。その後にはランプシェ ードほどの大きさの毛皮の帽子をかぶった女性1人が、そしてコート 姿の男性1人が続いた。頭上の天井には裸の天使の絵が描かれていた。

1月13日に同ホテルでこっそり開かれたのは、1929年の株式大暴 落の前に設立された金融界の会員組織カッパ・ベータ・ファイの年次 新規入会晩さん会。今年の顔ぶれにはレオン・ブラック氏率いる米投 資会社アポロ・グローバル・マネジメントの幹部ジョシュ・ハリス氏 が含まれていた。この組織の活動は秘密だとして、参加者2人が匿名 で明らかにした。ハリス氏(46)は昨年、米フォーブス誌が掲載した 世界の長者番付で655番目だった人物。

カッパ・ベータ・ファイの入会者にはバークレイズ・キャピタル で企業の合併・買収(M&A)責任者を務めるポール・パーカー氏(ニ ューヨーク在勤)の姿もあった。同氏は以前、経営破綻した米リーマ ン・ブラザーズ・ホールディングスで米M&Aチームを率いていた。 参加者によれば、こうした新規メンバーが会場を盛り上げ、パーカー 氏は数年前に収録されたリーマンのかつての同僚らのビデオを流した。

また、会員としてアメリカン・インターナショナル・グループ(A IG)のロバート・ベンモシュ最高経営責任者(CEO、66)も参加 した。昨年10月にがん治療中であることを明らかにした同CEOだが、 活力がみなぎっているようだったと参加者2人は語っている。

1930年のこうした夕食会ではビーフステーキが出たが、今回のメ ニューはロブスターサラダにエビ、豚肉料理、ラムチョップ、デザー トはピスタチオのアイスクリームだった。

アポロとバークレイズの広報担当者はそれぞれハリス氏とパーカ ー氏に関してコメントを控えた。夕食会を前にカッパ・ベータ・ファ イのメンバーに電子メールを送ったが返答はなかった。

情報公開も

ウォール街幹部や当局者らが参加してきたカッパ・ベータ・ファ イは、これまで常に情報を非公開にしていたわけではない。設立直後 の1930年3月には、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ) の複数の記事が会員を紹介し、新メンバーについては「入会承認を会 員から得るため、積極果敢な行動」を取ったと指摘していた。ある記 事は、広報委員会とその責任者に言及していた。

1990年のニューヨーク・タイムズ紙に対しては、当時ベアー・ス ターンズの社長を務めていたジェームズ・ケイン氏が会員だったこと を明らかにしている。ケイン氏(76)や他の新規メンバーは正装で臨 み、同氏はブリッジをするような人間は優れた企業幹部にはならない という詩を朗読したと同紙は伝えている。

同紙に対し、ケイン氏は「自分自身を笑い者にするのは耐えられ ないので、やりたくはなかった」と述べている。同氏は14日、ブルー ムバーグ・ニュースとのインタビューで、「もうどれぐらい長いこと参 加していないか、覚えていない」と語り、「害がなくて楽しい、良い雰 囲気だった」と当時を振り返った。ブリッジの詩を読んだことは覚え ていないという。

1961年の米租税裁判所の書類によれば、会員1人は1954年に会費 として30ドル(現在のレートで約2500円)を支払った。13日の夕食 会に参加した1人はあくびしながら、小切手を切ったのは会計担当者 なのでコストは覚えていないと語っている。

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