【今週の債券】長期金利は1.2%前後で推移か、国債入札や株高に警戒も

今週の債券市場で長期金利は1.2% 前後での推移が見込まれている。米国では10年国債利回りが3.3%付 近で推移しており、米債市場の影響を受けやすい国内債相場も落ち着 きつつある。今週は5年物と20年物の国債入札が予定されている。前 週は入札に向けたヘッジ売りなどが相場を押し下げており、引き続き 金利上昇要因として警戒する見方が出ている。

三井住友海上火災保険投資部の高野徳義グループ長は、今週の長 期金利について、「相場の変動率が下がっており、1.2%近辺で落ち着 く」と予想している。

長期金利の指標とされる新発10年債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが14日に市場参加者4人から聞いた今週の予想レンジ は全体で1.15%から1.25%となった。前週末の終値は1.20%。

前週の長期金利は1.165%から1.20%ちょうどの狭い値幅で推移 した。昨年12月半ばには米債相場の大幅な下落(金利は上昇)を受け て、一時は約7カ月ぶり高水準となる1.3%近くまで上昇したが、そ の後は米債相場の落ち着きなどを背景に、年初からは1.2%前後での 取引が続いている。

前週末の米債相場は反落し、米長期金利は3.32%程度に小幅上昇 した。しかし、米金利は最近の3.3-3.5%を中心としたレンジ内にと どまっている。みずほインベスターズ証券の井上明彦チーフストラテ ジストは、「海外金利動向の影響を受けやすい地合いが続くが、足もと で米債市場は落ち着きをみせている」として、同レンジを抜けない限 り、国内債市場への影響は限定的とみている。

長期金利1.2%台では需要

米債市場の安定や潜在需要の強さを背景に、長期金利が1.2%台 に上昇すると投資家からの買いが見込まれている。前週の債券市場で は、13日の30年債入札に対する警戒感や株高などで12日から連日、

1.2%ちょうどをつけたが、1.20%を上回って取引されることはなかっ た。東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは、「現状は新 発10年債利回りの1.2%台は押し目買いゾーンと判断して良さそうだ」 と指摘した。

もっとも、債券相場の上昇も限定的とみられている。過度な欧州 財務懸念の後退や米景気回復期待から、前週に昨年5月以来の高値を 付けた日本株の堅調推移が続くとみられていることが背景。日興コー ディアル証券の野村真司チーフ債券ストラテジストは、「1.2%前後で は押し目買いが優勢ながら、円高一服や底堅い株価と、外部環境から みて、上値を追うには材料不足とみている」と言う。

20年債入札に警戒感も

今週18日に5年国債の入札、20日には20年国債の入札がそれぞ れ実施される。みずほインベスターズ証の井上氏は、5年債入札につ いて、「日銀の金融緩和の長期化観測を背景に無事に通過できるとの見 方が出ている」と分析。半面、20年債入札については、「先週行われ た30年債入札は事前の調整もあって順調だったが、利回り水準が2% を割り込んで入札を迎えるようだと波乱含みとなりそうだ」と警戒し ている。

今回の20年債入札について、14日の入札前取引では2.03%で推 移しており、表面利率(クーポン)は前回債の2.1%から0.1ポイン ト低い2.0%が予想されている。一方、5年債入札については、クー ポンは0.5%に据え置かれ、前回発行された93回債と銘柄統合される リオープン発行となる可能性が高い。

市場参加者の予想レンジとコメント

1月14日に集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通 り。先物は3月物、新発10年国債利回りは312回債。

◎みずほインベスターズ証券の井上明彦チーフストラテジスト

先物3月物139円50銭-140円50銭

新発10年債利回り=1.15%-1.25%

「長期金利でみて1.2%を中心としたレンジか。海外金利動向の 影響を受けやすい地合いが続くが、足もとで米債市場は落ち着きをみ せている。今週は5年、20年債の入札が行われる。5年債入札は日銀 の金融緩和策の時間軸が効く中、0.5%クーポンであればそれほど崩れ ないのではないか。一方、20年債入札については、やや警戒的にみて おいた方が良い」

◎岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長

先物3月物139円50銭-140円50銭

新発10年債利回り=1.15%-1.25%

「長期金利は1.2%を挟んでもみあいか。欧州の信用リスクや物 価など米経済指標も注目される。与謝野氏が経財相に起用され、菅政 権による経済や財政政策について運営上で安定感が増すのはないか。 今週予定されている5年債、20年債入札は悪い結果にはならないとみ ている。これまで債券を買えていない投資家の需要があると見込む」

◎日興コーディアル証券の野村真司チーフ債券ストラテジスト

先物3月物139円70銭-140円40銭

新発10年債利回り=1.17%-1.22%

「新発10年債利回りで1.2%を中心とするレンジ相場が継続しよ う。これまで円債市場を左右した米国債市場も、米長期金利で3.3-

3.5%を中心としたレンジ相場に突入している。国内債市場でも1.2% 前後では押し目買いが優勢ながら、円高一服や底堅い株価と、外部環 境から見て、上値を追うには材料不足とみている」

◎三井住友海上火災保険投資部の高野徳義グループ長

先物3月物139円60銭-140円40銭

新発10年債利回り=1.16%-1.24%

「相場の変動率が下がり、10年債が1.2%近辺、先物は140円近 辺に落ち着く。入札を控えて相場の上値が重いものの、5年債の0.5% に接近するところや20年債の2%近辺は需要があり、入札が相場を崩 す要因にはならない。米国の長期金利も来月の雇用統計をみるまでは

3.5%を上抜けしないだろう。財政再建を目指す新内閣が発足したが、 市場は政局混乱リスクの方をみて動きづらい感じだ」

--取材協力:池田祐美、船曳三郎 Editors:Hideki Asai,Masaru Aoki

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