1月14日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商 品相場は次の通り。

◎NY外為:ドル、週間で9月以来の大幅安

ニューヨーク外国為替市場では、米国の主な貿易相手国通貨に 対してドルが週間ベースで昨年9月以来の大幅安となった。消費者マ インド指数の予想外の低下に加え、小売売上高が予想ほど伸びなかっ たことがドル売りを誘った。

ユーロはこの日、対ドルでもみ合い。フィッチ・レーティングス はギリシャの格付けを投機的等級(ジャンク)にまで引き下げた。中 国人民銀行(中央銀行)が市中銀行の預金準備率引き上げを発表した ため、資源輸出国の見通しが暗くなり、豪ドルと南アフリカ・ランド が下げた。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジの主任市場アナリ スト、オマー・エシナー氏は「米ドルをめぐるセンチメントはすでに 暗くなりつつある。以前より明るくはない」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時11分現在、主要6通貨に対するイン ターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は週間で2.4%低下 の79.099。これは米連邦準備制度理事会(FRB)が追加金融緩和 を示唆した昨年9月24日までの週以来の大幅な下げ。

1月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(速報値) は72.7と、前月の74.5から低下した。ブルームバーグ・ニュー スがまとめたエコノミストの予想中央値は75.5だった。

米商務省が14日に発表した12月の小売売上高(速報値)は 季節調整済みで前月比0.6%増となった。前月は0.8%増。ブルー ムバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値では

0.8%増だった。

対ドルのユーロ

ユーロはドルに対して前日比ほぼ変わらずの1ユーロ=1.3378 ドル。一時は0.4%下げる場面もあった。10日に4カ月ぶりの安値

1.2867ドルをつけたものの、週間では3.6%高。ドルは対円で前 日比0.1%高の1ドル=82円93銭。週間では0.3%安。

ドイツのショイブレ財務相は13日、欧州連合(EU)財務相が 域内の債務危機に対する「包括案」を3月までにまとめるとの見解を 示した。さらに、来週ブリュッセルで開催される会合で「意欲的な」 プログラムの詳細について協議すると発言した。ドイツのメルケル首 相は12日、「われわれはユーロを支えるために必要ならばいかなる 措置をも支持する」と言明した。

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は13日、インフレ抑制 のために必要ならば利上げも辞さない姿勢を示した。これも今週のユ ーロの支援材料。

ユーロ圏のインフレが加速

EU統計局(ユーロスタット)が14日発表した12月のユーロ 圏の消費者物価指数は年率2.2%上昇し、前月の1.9%上昇から加 速した。これは2008年10月以来の速いペース。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨戦略世界責任者、マー ク・チャンドラー氏は欧州ソブリン債危機でセンチメントが悪くなり、 ユーロは6月までに対ドルで1.18ドルまで軟化する可能性があると 指摘した。

ユーロは昨年6月に4年ぶりの安値1.1877ドルまで下げた。 ギリシャがEU加盟国初の救済要請に迫られたことが背景。

フィッチ・レーティングスはこの日、ギリシャの長期発行体デフ ォルト格付け(IDR)を外貨建て、自国通貨建てともに「BBB-」 から投機的(ジャンク級)格付けの「BB+」に引き下げた。格付け 見通しは「ネガティブ(弱含み)」に指定した。

◎米国株:反発、S&P500は週間で7週連続高

米株式相場は反発。S&P500種株価指数は週間での連続上昇が 2007年以来の最長となった。米銀JPモルガン・チェースの決算が 過去最高益となったことを好感した。米消費者マインド指数や小売売 上高が予想を下回ったものの、相場への影響は限定された。

JPモルガンは上昇。同行の10年10-12月(第4四半期)決 算は前年同期比47%の増益。引当金を減らしたことが影響した。ノベ ラス・システムズを中心に半導体関連株も高い。インテルの設備投資計 画拡大が手掛かり。銀行持ち株会社のスターリング・バンクシェアー ズは、身売りの可能性があるとの報道をきっかけに買い進まれた。

S&P500種株価指数は前日比0.7%高の1293.24。週間では

1.7%高となり、これで07年5月以来の最長となる7週連続の上昇。 ダウ工業株30種平均は55.48ドル(0.5%)上昇の11787.38ド ルと、08年6月以来の高値。S&Pの中型株400種指数は0.7%高 の931.07と、過去最高値を記録した。

ヘッジファンドのトラクシス・パートナーズを運用するバート ン・ビッグス氏はブルームバーグラジオとのインタビューで、「米株 式相場の次の動きは上昇となるだろう」と指摘。「どの程度上げるの かは分からないが、状況が順調であれば10%、世界経済の力強さが示 されれば20%の値上がりとなろう」と述べた。

S&P500種は09年3月の安値から91%上昇。政府の刺激策や 企業利益が予想を上回ったことが背景にある。同指数構成銘柄の2010 年業績は、これまでに発表された3四半期のすべてで市場予想を上回 った。ブルームバーグがまとめたデータによると、アナリストは企業 利益が今年は14%増加すると見込んでいる。

米経済指標

米商務省がこの日発表した12月の小売売上高(速報値)は季節調 整済みで前月比0.6%増となった。前月は0.8%増。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値では0.8%増だっ た。12月の米消費者物価指数は前月比0.5%上昇と、伸び率は市場予 想の0.4%上昇を上回った。1月のロイター・ミシガン大学消費者マ インド指数(速報値)は72.7と、前月から低下した。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は75.5だった。 12月の米鉱工業生産指数は前月比0.8%上昇と、5カ月ぶりの大幅な 伸びとなった。

ラッセル・インベストメンツの主任市場ストラテジスト、スティ ーブン・ウッド氏は、「年が変わったが、状況が変わったわけではな い」と指摘。「米国では経済の一部の分野が引き続き苦戦しているも のの、企業業績は極めて好調だ。金利環境が比較的安定しており、ま あまあの成長がみられるため、株式にとっては好ましい1年となるだ ろう」と述べた。

この日の欧州株式相場は下落した。中国が過熱している国内景気 の沈静化に向けた措置を講じたことが影響した。中国人民銀行(中央 銀行)は市中銀行の預金準備率を引き上げると発表した。外貨準備高 が急増したことや新規融資が目標を超えたことを受け、準備率引き上 げを決めた。

人民銀がウェブサイトに掲載した声明によると、預金準備率は20 日から50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き上げられ る。

JPモルガンが高い

JPモルガンは1%高。同行の10-12月決算は、純利益が48 億3000万ドル(約4000億円)と、過去最高となった。投資銀行部 門の純利益は前年同期比21%減少し15億ドル。

半導体製造装置メーカーも軒並み高い。ノベラス・システムズは 12%高と、S&P500種の値上がり率トップ。アプライド・マテリア ルズは7.6%、KLAテンコアは5.9%それぞれ上げた。

スターリング・バンクシェアーズは2.9%高。スターリング・バ ンクを傘下に置く同社は、1株当たり8ドルで買収される可能性があ ると、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が事情に詳し い関係者の話しを基に報じた。買収額は8億2500万ドルになる。

◎米国債:30年債が週間ベースで下落-入札や株高で

米国債市場では30年債が週間ベースで前週に続き下落。米国 の景気回復が加速している兆候を好感して株式が上昇したほか、今週 実施された30年債入札で最高落札利回りが予想を上回ったのが背景だ。

この日の米国債は下落。朝方発表された昨年12月の小売売上高 や鉱工業生産が前月比で増加したことから、米景気回復のペースが加 速していると受け止められた。米連邦準備制度理事会(FRB)は 6000億ドルの国債購入計画に基づき、償還期限2015年2月から 2016年6月までの国債73億ドルを購入した。

BNPパリバの金利戦略責任者、ブレント・ベイガン氏(ニュー ヨーク在勤)は、「今週の国債入札や堅調が続く株式相場が利回りに 上昇圧力をかけた」と述べ、「景気の弱さを示す経済統計が発表され る中、市場には強い方向感がない。しかし、株式相場が持ち応えてい る事実が国債相場を動かす材料になっている」と続けた。

BGキャンター・マーケット・データによると、週間ベースで 30年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げ て4.53%。この日はニューヨーク時間午後5時19分現在、前日比3 bpの上昇。同国債価格(表面利率4.25%、2040年11月は95 19/32。

この日の10年債利回りは3bp上げて3.32%。一時は昨年 12月20日以来の低水準となる3.25%まで下げた。週間ベースでは ほぼ変わらず。

グロース氏

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) で世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロース氏は、同社トー タル・リターン・ファンド(運用資産2410億ドル)の米政府関連証 券の組み入れ比率を12月に22%と、前月の30%から引き下げた。

この日発表された1月のロイター・ミシガン大学消費者マインド 指数(速報値)は72.7と、前月の74.5から低下した。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は75.5だった。 この統計に反応し、米国債は一時上昇する場面もあった。

ラッカー総裁

米リッチモンド連銀のラッカー総裁は、今年の米国経済は3.5- 4%成長するだろうと述べ、連邦準備制度による国債購入計画の見直 しにつながるとの見解を述べた。

ラッカー総裁は14日、リッチモンドで講演した。講演原稿によ ると同総裁は、「短期的に国債購入計画の見直しを正当化できるほど、 景気見通しは改善していないかもしれないが、今後数カ月間の経済動 向によっては、本気で資産購入計画の再評価もあるとみている」と述 べた。

米ボストン連銀のローゼングレン総裁は、失業率の低下とインフ レの上昇を促進するため、金融緩和策が引き続き必要との認識を示し た。

◎NY金:7週ぶり安値、逃避買い後退-欧州安定化に期待

ニューヨーク金先物相場は大幅反落。終値ベースで7週間ぶりの 安値に下げた。欧州連合(EU)指導者らが経済安定への措置を講じ るとの観測から、安全資産としての金への需要が後退した。

外国為替市場ではユーロがドルに対し、週間ベースで2009年5 月以来の大幅高で推移。ドイツのメルケル首相は今週、ユーロ防衛の ために必要とあれば「いかなる行動も辞さない」と述べた。欧州中央 銀行(ECB)のトリシェ総裁は、インフレを抑制するために必要に 応じて金利を引き上げる可能性があることを示唆した。昨年はECB と国際通貨基金(IMF)がギリシャとアイルランドの救済を決める などユーロ圏が揺れる中、金は30%値上がりした。

ドイツのコメルツ銀行(フランクフルト)のアナリスト、ダニエ ル・ブリーゼマン氏は、「ユーロ圏は危機の最悪期を乗り切ったとの 見方が市場では広がっている」と指摘。「トリシェ総裁はECBの金 利政策への信頼をある程度取り戻した。それで安全への逃避としての 金への需要が落ちている」と説明した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 2月限は前日比26.50ドル(1.9%)安の1オンス=1360.50ドル。 終値としては昨年11月22日以来の安値。一時は今月7日以来の安 値となる1354.60ドルまで下げた。

◎NY原油:小じっかり、米統計好感-中国引き締めで上値重い

ニューヨーク原油先物相場は小じっかり。米鉱工業生産指数が 予想を上回ったことを好感した。一方、世界最大のエネルギー消費 国である中国が景気過熱の抑制措置を講じたことで、燃料需要の伸び が鈍るとの懸念が広がった。

原油は週間ベースで6週ぶりの大幅高。12月の米鉱工業生産指 数は5カ月ぶりの大幅な伸びとなった。原油は一時、1.4%安まで下 げる場面もあった。中国人民銀行(中央銀行)が市中銀行の預金準備 率を引き上げると発表した。準備率引き上げはこの2カ月で4度目。

コンサルティング会社、プレステージ・エコノミクス(テキ サス州オースティン)のジェイソン・シェンカー社長は、「中国の景 気抑制策発表で一夜にして熱気は冷めた。ただ、米国の経済データが 下支えになった」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物2月限は前日 比14セント(0.15%)高の1バレル=91.54ドルで終了した。週 間では4%の値上がり。

◎欧州株:売り優勢、中国の景気抑制策で-エクストラータ安い

欧州株式市場では売りが優勢となった。中国が過熱している国内 景気の沈静化に向けた措置を講じたことから、資源株が売りを浴びた。

スイスの産銅会社エクストラータと、英鉱山会社アングロ・ア メリカンが安い。非鉄金属の最大消費国である中国はこの日、市中 銀行の預金準備率を引き上げると発表した。ドイツの製鉄会社ティ ッセンクルップは3.2%下げた。アラン・ヒッペ最高財務責任者 (CFO)の辞任が売りを誘った。

一方、オランダの半導体製造装置メーカー、ASMLホールデ ィングは6.4%の大幅高。米半導体メーカー、インテルの売上高見 通しがアナリスト予想を上回ったことが好感された。

ストックス欧州600指数は前日比0.1%安の283.77で終了。 騰落比率は7対8。週間ベースでは1%上げた。欧州連合(EU) が債務危機の拡大を阻止する取り組みを強化するとの期待が押し上 げ要因だった。

ETXキャピタル(ロンドン)のシニアトレーダー、マノジ ュ・ラドワ氏は、「中国が政策金利を引き上げる1歩手前の措置で、 同国経済の余剰資源を抑制することが狙いだ」と述べ、「市場はま だ方向性を見極めようとしているが、弱気になりつつあるようだ」 と続けた。

14日の西欧市場では、18カ国中9カ国で主要株価指数が下落 した。エクストラータは1.2%安、アングロ・アメリカンは3.2% 下げた。

◎欧州債:独2年債が続落、1年ぶり高利回り-利上げ観測台頭

欧州債市場ではドイツ2年債相場が4日続落。欧州中央銀行(E CB)がインフレ加速に伴い、年内に政策金利を引き上げるとの見方 が強まった。

ドイツ2年債利回りはほぼ1年ぶりの高水準を付けた。この日発 表された昨年12月のドイツのインフレ率が約2年ぶりの高水準とな ったことが背景にある。ECB政策委員会メンバー、ウェーバー・ド イツ連銀総裁はこの日、ユーロ圏の見通しが「大きく」改善したとし、 インフレリスクが高まる可能性があるとの見方を示し、13日のトリ シェ総裁の発言内容を踏襲した。この日はユーロ圏の高債務国の国債 が上昇したことから安全資産の需要が後退したことも、ドイツ国債の 下落要因だった。

バイエルン州立銀行のシニア債券ストラテジスト、マリウス・ダ ハイム氏(ミュンヘン在勤)は、「トリシェ総裁の発言は真剣に受け 止められている」と述べ、「同総裁は注意深く監視している。これは 総裁としての責務であり、驚くことではない。市場はインフレ発言に 反応しているが、やや過剰な反応かもしれない」と続けた。

ロンドン時間午後4時34分現在、ドイツ2年債利回りは前日比 5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し1.16%と、 昨年2月3日以来の高水準を付けた。同国債(表面利率1%、2012 年12月償還)価格は0.095ポイント下げ99.705。ドイツ10年 債利回りは3.04%で前日からほぼ変わらず。3日連続で3%を上回 っている。

ドイツ2年債と10年債のスプレッド(利回り格差)は8bp縮 小し188bpと、昨年11月30日以来の最小となった。

一方、スペイン10年債利回りは前日比2bp低下の5.36%。 ドイツ10年債に対するプレミアム(上乗せ利回り)は229bpと、 先月9日以来の最小に近づいた。イタリア10年債利回りは5bp下 げ4.67%。スペインとイタリアは今週、国債入札をそれぞれ実施し た。ポルトガルも国債を発行した。

◎英国債:週ベースで2週続落-インフレ対策で利上げとの観測

今週の英国債相場は下落し、週間ベースで2週連続安となった。 イングランド銀行(英中央銀行)がインフレ抑制に向け、政策金利を 引き上げるとの懸念が広がった。

英政府統計局(ONS)が14日発表した12月の英生産者物価 統計で、出荷価格指数は前月比0.5%上昇。ブルームバーグ・ニュー スがまとめたエコノミスト15人の予想中央値は0.4%上昇だった。

ロイズTSB・コーポレート・マーケッツ(ロンドン)の債券ス トラテジスト、デービッド・ページ氏は、最新のデータは「英国でイ ンフレ問題が高まりつつあるとの見方をさらに強めたほか、イングラ ンド銀がこれに対応するとの懸念を広めた」と語った。

ロンドン時間午後4時14分現在、10年債利回りは3.61%と、 前日からほぼ変わらず。前週末比では9ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)上昇した。2年債利回りは3bp上げ1.33%。前 週末7日からは10bp上昇。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 楽山 麻理子 Mariko Rakuyama +1-212-617-4903 mrakuyama@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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