円ほぼ全面高、中国利上げ観測でリスク回避―対ドルで5日以来の高値

東京外国為替市場では円が対ドル で今月5日以来の高値まで上昇した。胡錦濤国家主席の訪米を来週に控 えて、中国による早期利上げの思惑が浮上。中国株の下落を背景にリス ク回避の連想が働くなか、円は主要通貨に対してほぼ全面高の様相とな った。

ドル・円相場は1ドル=82円台後半から一時、82円49銭まで円 高が進行。午後4時38分現在は82円56銭前後で推移している。

カナダロイヤル銀行債券為替部の高安佳子部長は、「ユーロ・円は 輸出企業の円買いが活発だったし、きょうは朝からクロス円(ドル以外 の通貨の対円相場)で円買いが出ていた」と指摘。「加えて中国の利上 げの話も出ており、円がじりじりと強くなった。ただ、ドル・円は方向 感を持ってやっている感じはなく、きょうに関してはクロス円につられ ているという感じだ」と話していた。

一方、ユーロは欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁のインフレ 警戒発言などを手掛かりに全面高となった海外市場の流れを引き継いで 始まったが、欧州債務懸念がくすぶるなか、東京時間日中は伸び悩む場 面がみられた。

ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.33ドル台後半から一時、1.3323 ドルまでユーロが反落。ただ、欧州市場に向けては再びユーロ買いが優 勢となり、前日の海外市場で付けた今月4日以来の高値を上回る

1.3389ドルまで値を切り上げている。

中国の利上げ観測

中国人民銀行(中央銀行)の李東栄総裁補佐は、同国はインフレ期 待の高まりに直面しており、資本純流入の状況が続いていることから圧 力は強まりつつあるとの認識を示した。中銀のウェブサイトに14日掲 載された講演内容で明らかになった。その中で李総裁補佐は、中国は引 き続き人民元改革を推進し、同通貨の柔軟性向上を図る意向だと指摘し ている。

14日の中国株式市場で上海総合指数は下落。同国政府がインフレ 抑制を目指し、今日にも利上げと預金準備率引き上げを発表するとの観 測が広がった。

ユーロ・円相場は早朝に前日の海外市場で付けた昨年12月20日 以来のユーロ高値、1ユーロ=110円68銭に並んだ後、一時110円 08銭までユーロ安・円高が進行。一方、欧州市場に向けては110円台 半ば付近まで値を戻している。

カナダロイヤル銀の高安氏は、懸念されていたポルトガルなど一連 の国債入札がとりあえず終わったという安心感もあり、きのうはユーロ の買い戻しが先行したが、「トリシェ総裁が短期的なインフレリスクに 言及したとはいえ、すぐに利上げという状況でもなく、これ以上どんど んユーロを買っていく材料もない」と指摘。「これでユーロショート (売り持ち)はほとんどはけたとみられ、来週は中国の方に目が行きそ うな感じだ」と語った。

国際通貨基金(IMF)の篠原尚之副専務理事は、13日行ったブ ルームバーグ・ニュースのインタビューで、欧州の財政危機問題の域外 への波及と世界経済への影響は限定的だとの見方を示した。同時に、欧 州の財政の持続性に対する市場の疑念は払しょくされていないとして、 財政危機に対する「包括的な」枠組みの構築と、欧州各国による財政赤 字削減や失業率引き下げなどの取り組みが重要だと強調した。

内閣改造、反応なし

一方、菅直人首相はこの日、民主党役員人事と内閣改造を断行。正 午過ぎには新内閣の人事が発表されたが、市場で目立った反応は見られ なかった。

クレディ・アグリコル銀行外国為替部ディレクター、斎藤裕司氏は 「財政立て直しのため、与謝野氏を入閣させ税制議論をしたいのだろう が、4月に統一地方選挙を控えて苦戦も予想されるなか、議論の進展は 期待できない」と指摘。市場への影響は極めて限定的であり、「中国の 利上げのうわさの方がリスク回避の円買いに影響しているようだ」と話 していた。

-- editor:Joji Mochida, Hidnori Yamanaka

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