債券先物反発、米債高や株安受けて買い優勢-利回り曲線スティープ化

債券市場で先物相場が小幅反発。 前日の米国市場で雇用関連指標の悪化などから債券高、株安となった 流れを引き継ぎ、先物市場で買いが優勢となった。半面、来週に20 年利付国債の入札を控えて超長期債に売り圧力が強まり、利回り曲線 はスティープ(傾斜)化した。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、「米国債市場 は入札を終えて長期金利が落ち着いている。日本の10年債利回りも

1.1%から1.2%を中心にしたレンジで落ち着きつつある」と説明した。

東京先物市場で中心限月3月物は、前日比15銭高の140円18銭 で始まり、直後に5日以来、約1週間ぶりの高値となる140円34銭ま で上昇した。しばらく140円20銭付近でもみ合っていたが、午前の終 了にかけて上げ幅を縮め、結局は2銭高の140円05銭と、この日の安 値で引けた。

損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの平松伸仁シニアイ ンベストメントマネジャーは、「昨日の米国債相場が上昇したほか、国 内株価が反落したことを受けて、先物中心に堅調に推移した」と説明 した。

13日の米国債相場は3日ぶりに上昇した。米新規失業保険申請件 数が予想を大幅に上回ったほか、連邦準備制度理事会(FRB)の米 国債購入が一部トレーダーの予想を上回ったことなどが好感された。 10年債利回りは6ベーシスポイント(bp)低下の3.30%程度。一方、 米株式相場は反落した。

新発10年債利回りは一時1.17%

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回 りは、前日比2bp低い1.17%で始まった。徐々に水準を切り上げ、午 後3時過ぎには1bp高い1.20%に上昇した。その後は1.195―1.20% で取引されている。

みずほ証券の三浦哲也チーフマーケットアナリストは、「来週の 20年債入札絡みで超長期債に売りが出た。生命保険、年金勢、外国人 投資家などは基本的に20年債利回り2%台を望んでいるのではない か。超長期債でヘッジ(損失回避)できないので10年債で調整する動 きだろう」と説明した。

超長期債が安い。来週20日に実施される20年債入札に向けた売 りなどが優勢となり、利回り曲線は期間の長いゾーンの上昇が大きく なってスティープ化した。損保ジャパン日本興亜アセットの平松氏は、 「20年債入札を控えて長いゾーンは重い展開」と話していた。

新発20年物の123回債利回りは、朝方には1.975%に下げていた が、次第に売りが膨らむと、午後3時過ぎには前日比3bp高い2.01% と昨年12月半ば以来の高水準を記録した。また、新発30年物の33 回債利回りは前日比3bp高い2.16%に上昇。前日に付けた約1カ月ぶ り高水準となる2.165%に接近している。

内閣改造、財政再建期待も

菅直人首相はこの日、民主党役員人事と内閣改造を断行した。「た ちあがれ日本」を離党した与謝野馨元財務相(72)を経済財政担当相 に充てたほか、社会保障・税一体改革担当も兼務させた。海江田万里 経財相を経済産業相、仙谷由人官房長官の後任に枝野幸男幹事長代理 (46)、官房副長官には藤井裕久元財務相(78)を起用した。要職に歴 代の財務相経験者を配置することで財政再建路線を重視する姿勢が鮮 明になった。

岡三アセットの山田氏は、与謝野氏の入閣について、「どのように 政策に反映されるか不透明ながら、菅首相を理論的に補強するには適 任で良い選択だと思う。消費税を含めた財政再建に期待感がある。新 内閣の発言に注目している」と語った。

また、損保ジャパン日本興亜アセットの平松氏は、「与謝野氏は、 財政再建に積極的とみられ、海江田氏は環太平洋連携協定(TPP) 推進派で、方向性としては間違っておらず、良い布陣。財政再建は、 財政リスクプレミアムの低下により超長期債の金利低下要因、TPP は全般的には金利上昇要因とみられる」と解説した。

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