12月の国内企業物価は約2年ぶりの伸び-10年は0.2%低下

昨年12月の国内企業物価指数の前 年比は、アジアの旺盛な需要を背景とした国際商品市況の上昇を受け て、2008年11月以来約2年ぶりの高い伸びとなった。10年通年では 2年連続の低下となったが、過去最大の下落となった前年からマイナ ス幅は大幅に縮小した。

日本銀行が14日発表した12月の国内企業物価指数は前年同月比

1.2%上昇。前月比0.4%上昇だった。ブルームバーグ・ニュースの予 想調査では前年同月比1.0%上昇、前月比0.2%上昇が見込まれていた。 11月確報値は前年同月比0.9%上昇、前月比0.1%上昇。10年通年で は前年比0.2%低下と、前年(5.2%低下)からほぼ下げ止まった格好 だ。

原油先物相場は昨年8月後半に一時70ドル近辺まで下落して以 降、じわじわと水準を切り上げており、足元では1バレル=90ドル前 半で推移している。日銀は前月22日に公表した12月の金融経済月報 で、国内企業物価指数について「国際商品市況の動きを反映して、当 面、緩やかな上昇基調で推移するとみられる」と指摘した。

日銀の愛宕伸康物価統計課長は「12月は輸入物価がアジアの需要 好調による商品市況上昇により値上がりしており、国内企業物価指数 の前月比は石油・石炭製品や非鉄金属、農林水産物を中心にプラス幅 が拡大する展開となっている」と指摘。前年比も「海外商品市況の上 昇に加え、情報通信機器、電子部品・デバイス、精密機器など機械類 のマイナス幅が小幅ながら縮小している」と述べた。

国際商品市況の上昇が続く公算も

モルガン・スタンレーMUFG証券の佐藤健裕チーフエコノミス トは統計発表前、「石油・石炭製品の前年比寄与は前月からやや高まる と見込まれることから、国内企業物価の伸び率は前年比1.0%上昇と 前月からわずかに高まる」と予想。国内企業物価は「当面は前年比1% 台で推移する見込み」としていた。

バークレイズ・キャピタル証券の森田京平チーフエコノミストは 資源の一大消費拠点であるアジア経済の回復が続いていることなどか ら、「今後も国際商品市況は上昇していく可能性を無視できない」と指 摘。原油価格が同90ドル以上で推移すれば、消費者物価指数(除く生 鮮食品、コアCPI)も「前年比プラスに転じる月が増える」とみる。

日銀は昨年10月公表した経済・物価情勢の展望(展望リポート) で、国内企業物価は「為替円高の影響を受けつつも、マクロ的な需給 バランスの改善や国際商品市況の動きなどを反映し、見通し期間を通 じて緩やかな上昇が続く」と指摘。委員の中央値で2011年度は前年度 比0.5%上昇、コアCPIは同0.1%上昇との見通しを示している。

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