米国株:反落、失業保険申請の増加や中国需要への懸念

米株式相場は反落。主要株価指 数は3日ぶりに下げた。米新規失業保険申請件数が予想を大幅に上回 ったことを嫌気。中国の需要鈍化に対する懸念が強まったことも、商 品関連株の売りにつながった。

世界銀行が中国はかなりの追加利上げの余地があるとの認識を示 し、商品価格が下落したことを受けて、アルコアとコノコフィリップ スが大幅に値下がり。医薬品大手のメルクも下落し、ダウ工業株30 種平均の値下がり率トップ。同社の抗凝血剤の臨床試験は中止された。 シティグループの「トップ・ピックス・ライブ」リストから除外され たバンク・オブ・アメリカ(BOA)も安い。

S&P500種株価指数は前日比0.2%安の1283.76。前日は 2008年8月以来の高値に上昇していた。ダウ工業株30種平均は

23.54ドル(0.2%)下落の11731.90ドル。

ハイマウント・キャピタル(ニューヨーク)のケビン・バノン最 高投資責任者(CIO)は「今後も苦しい展開になるだろう」と予想。 「昨年末には米景気が明らかに峠を越したとする熱意の高まりがみら れたが、こうした熱意が一部の経済指標でやや弱まった可能性がある」 と述べた。

S&P500種は09年3月の安値から90%上昇。政府の刺激策 や企業利益が予想を上回ったことが背景にある。同指数構成銘柄の 2010年業績は、これまでに発表された3四半期すべてで市場予想を 上回った。ブルームバーグがまとめたデータによると、アナリストは 企業利益が今年は14%増加すると見込んでいる。

失業保険申請件数

米労働省がこの日発表した8日に終わった1週間の新規失業保険 申請件数(季節調整済み)は前週から3万5000件増加して44万 5000件。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中 央値は41万件だった。より変動の少ない4週移動平均は41万 6500件に増加した。

このほかの米経済指標では、貿易赤字が拡大予想に反して前月と ほぼ同水準にとどまったほか、生産者物価指数は食品とエネルギーを 除いたコア指数が市場予想と一致した。

シマング・キャナル・トラストの上級投資責任者、トム・ワース 氏は、「失業保険統計が悪かった一方、貿易収支統計は良く、生産 者物価指数はどっちつかずの内容だった」と指摘。「平均すれば、こ の日の統計は中立となる。これは株式市場にとって必ずしも好材料と はならない。株価はこれまで大きく上昇した。一段と値上がりするに は実質的な景気改善が必要になる」と述べた。

商品価格は下落。ニューヨーク銅先物相場は3日ぶりに下げた。 世界最大の銅消費国である中国の成長減速で、需要が減少するとの懸 念から売られた。原油も下落したほか、金相場は通常取引終了後の時 間外取引で値下がりした。

かなりの余地

世界銀行のビィクラム・ネルー東アジア大洋州地域担当チーフエ コノミストはこの日、中国は追加利上げの余地がかなりあるとの認 識を明らかにした。世銀は前日夜に発表した世界経済見通しで、中国 の成長率が昨年の10%から今年は8.7%になると予想した。同国は 昨年12月25日に0.25ポイントの利上げを実施している。

米アルミ生産最大手のアルコアは3%安。石油大手のコノコフィ リップスは2.1%値下がり。

ヘルスケア株指数は0.5%安と、S&P500種の業種別10指 数で値下がり率2位だった。メルクは6.6%安。脳卒中になったこ とのある患者への同社の抗凝血剤を使用した臨床試験は中止された。 アナリストの間ではこの抗凝血剤は50億ドルの売り上げをもたらす 可能性があると指摘していた。

BOAが1.5%下げるなか、金融株指数も下落。シティグルー プは、短期のパフォーマンスは住宅ローン買い戻し問題により影響を 受ける可能性があるほか、今年の業績見通しに対する期待は「高過ぎ る」と指摘した。ブルームバーグがまとめたアナリストの予想平均で は、11年のBOAの1株当たり利益は調整後で1.47ドル。

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