NY外為:ユーロ上昇、危機抑制への取り組み強化との観測

ニューヨーク外国為替市場では、 ユーロが主要通貨すべてに対して上昇。欧州連合(EU)の指導者が 債務危機の封じ込めに向けた取り組みを強化するとの観測や、スペイ ンの国債入札で需要が好調だったことが背景にある。

ユーロは対ドルでの買いが続き、4日間の上げとしては2009年 3月以降で最大となった。欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁が インフレリスクの高まりを示唆したことも、ユーロの買い材料となっ た。ドルは対円で下落。米失業保険申請件数が増加したことが手掛か り。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの為替ストラテジスト、マー ク・マコーミック氏は、「今週は国債入札がセンチメントを押し上げ ている。ECBからもタカ派的なメッセージが打ち出された。これら すべてがユーロにはプラスに働いている」と指摘した。

ニューヨーク時間午後4時27分現在、ユーロは対ドルで1ユー ロ=1.3354ドルと、前日の1.3131ドルから1.7%高。この4日 間の上昇率は3.6%で、09年3月23日以降で最大の上げ。対円で は1.5%上昇し、1ユーロ=110円61銭(前日109円ちょうど)。 一時110円68銭と、昨年12月20日以来の高値を付ける場面もあ った。ドルの対円相場は0.2%安の1ドル=82円82銭。

ゴールドマン・サックス・グループのストラテジストは、1ユー ロ=1.3180ドルでの「ユーロ買い・ドル売り」を推奨。当面の目 標水準を1.37ドルとしている。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は一時1.3%低下の78.994と、4日以来の低水準を付け た。

失業保険申請

米労働省が発表した8日に終わった1週間の新規失業保険申請件 数(季節調整済み)は、前週から3万5000件増加して44万5000 件となった。この時期は季節調整が難しく、数字は変動が大きくなる ことが多い。より変動の少ない4週移動平均は41万6500件に増加 した。

オンラインでの為替取引を扱うGFTフォレックスの為替調査担 当ディレクター、キャシー・リーン氏(ニューヨーク在勤)は、「失 業保険申請件数は、困難な道のりが待っていることをあらためて示し ただけだ」と述べた。

スイス・フランは対ユーロで、一時1.5%安の1ユーロ=

1.2885フランと、昨年12月14日以来の安値を付ける場面があっ た。安全資産としての需要が後退した。

スペイン国債入札

スペイン政府はこの日、今年初の国債入札を実施し、30億ユー ロ(約3300億円)相当の5年物国債を発行した。需要は前回入札を 上回り、目標額の上限を調達した。応札倍率は2.1倍(前回は1.6 倍)。イタリアは償還2015年と26年の国債を60億ユーロ発行し た。

トリシェECB総裁は、インフレ抑制のために必要ならば利上げ も辞さない姿勢を示した。一方で欧州の指導者らは域内ソブリン債危 機の封じ込めに奮戦している。

トラベレックス・グローバル・ビジネス・ペイメンツの市場アナ リスト、ジョー・マニンボ氏(ワシントン在勤)は「インフレが今後 数カ月、高水準にとどまった場合、ECBは利上げせざるを得なくな るかもしれない」と指摘。「そうなれば、ユーロの投資妙味は一層高 まる」と付け加えた。

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