米JPモルガン、昨年は過去最高益か-引当金戻し入れで決算ゆがむ

資産規模で米銀2位、JPモルガ ン・チェースは過去最高益となる2010年決算を発表する見通しだが、 利益を押し上げたのは将来の損失に備えた引当金の減少だったようだ。 10年通期の利益は約167億ドル(約1兆3900億円)となったもよう。

同行が14日発表予定の10年10-12月(第4四半期)の利益は 42億ドル(1株当たり1ドル)が見込まれる。ブルームバーグ・ニュ ースがまとめたアナリスト予想平均が示した。1-9月の利益の約4 割は引当金の戻し入れによるもので、収入が圧迫されている実態を隠 してしまう。

オッペンハイマーの調査担当マネジングディレクター、クリス・ コトウスキ氏は「1株当たり利益の数字に注目してはならない」と語 る。「引当金の会計手法が利益として計上される数字をゆがめている。 JPモルガンだけではなく、業界全体に当てはまることだ」と説明し た。

引当金は通常、金融機関がそれでカバーする方針だった損失が現 実化しなかったり業績見通しが改善すると、戻し入れ分として利益に 計上される。こうした「戻し入れ益」は、景気回復が続けばことさら に11年の業績を押し上げるものだと、モルガン・スタンレーの銀行ア ナリスト、ベッツィー・グラセック氏は昨年12月1日の調査リポート で指摘していた。

グラセック氏によれば、引当金の戻し入れで12年に最も恩恵を受 けるのはシティグループで、過去の慣行を基に試算すると、同行の1 株利益を19%押し上げる。また、米銀大手では、JPモルガンとバン ク・オブ・アメリカ(BOA)、ウェルズ・ファーゴでそれぞれ、同年 の利益の4%、10%、5%を戻し入れ益が占め、「景気が加速すれば、 11年と12年の1株利益を一段と大きくする」と同氏は指摘した。

引当金は積み増される過程では銀行の利益を損ねる。JPモルガ ンは昨年1-9月期に訴訟引当金に約52億ドルを上乗せしたと発表 している。アナリストらによれば、引当金をめぐる会計によって、銀 行決算は向こう1、2年にわたってゆがんだ状況が続きそうだ。

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