トリシェ総裁の任期最後は「ひどい年」に、ECBの政策に危機の重圧

欧州中央銀行(ECB)のトリシ ェ総裁は任期最後の1年がこれまでで最も厳しい年になりそうだ。ユー ロ圏各国の経済状況の差が広がり、ECBによる域内共通の金融政策に 重圧がかかっているためだ。

ソブリン債危機はポルトガルを巻き込みかねない情勢である上、高 債務国の債券利回りはユーロ導入後で最高に近い水準にある中で、13 日の政策委員会で議長を務めるトリシェ総裁は国債買い取りの中止や銀 行向けの無制限の流動性供給策の解除のほか、インフレリスク抑制に向 けた利上げのタイミングを判断するという課題を抱えている。

BNPパリバのユーロ圏担当チーフエコノミスト、ケン・ワトレッ ト氏は「2011年はECBにとって再びひどい年になる恐れがある」と 述べ、「債券市場のストレスは減退しておらず、ユーロ圏諸国間の差は 拡大しつつある。金融政策の適切な道筋を協議していくことはECBに とって大きな課題になるだろうし、ECB総裁にとっても骨の折れる仕 事だろう」と語った。

国債買い取り決定はECBの政策委員会の分裂を招いており、一部 のメンバーは緊急措置が長期化した場合にECBの主要目標である物価 安定が危険にさらされかねないと警告している。昨年12月のインフレ 率は2.2%に加速し、ECBの目標上限である2%を上回ったが、ブル ームバーグ・ニュースのエコノミスト調査によると、回答者53人全員 がECBは13日の政策委員会で政策金利を過去最低の1%に据え置く と予想した。

政策決定はフランクフルト時間午後1時45分(日本時間同9時45 分)に発表される予定で、トリシェ総裁はその45分後に記者会見を行 う。

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