通貨の逃避先は外貨建て純資産多い国、金融危機時に-ECB報告書

【記者:Anchalee Worrachate】

1月12日(ブルームバーグ):金融危機の際に投資家は、外貨建て 純資産が比較的多く、公的債務が少ない国の通貨に投資する傾向があ ると、欧州中央銀行(ECB)のエコノミストらが指摘した。

リビオ・ストラッカ氏らはECBのウェブサイトに掲載された報 告書で、通貨間の利回り格差(スプレッド)は逃避先としての地位決 定要因になるほどではないと説明した。先進・新興国52通貨の動向を 過去25年間について分析した。

報告書でエコノミストらは「世界的な金融危機時に低金利通貨が 上昇し、逃避先となる事実を指摘した論文がすでにかなり存在する」 とした上で、「逃避先の地位と確実に関係する要因は極めて少なく、最 も顕著なのは対外的な脆弱(ぜいじゃく)性の指標となる外貨建て純 資産だ」と説明した。

その上で報告書は「先進国ではスプレッドが逃避先の地位と常に 結び付きが見られたが、新興国ではそれはなかった。恐らく、低い流 動性と高い取引コストの反映であろう」としている。

外貨建て純資産のほかには、公的債務が国内総生産(GDP)に 占める割合や、金融面の発達と市場規模の指標となる株式市場の規模 も逃避先の地位を決定する要因になると、報告書は記述した。

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