世銀:2011年の世界成長率は3.3%に-資本流入がリスク

世界銀行は、新興国の景気回復の 原動力となっている資本流入が世界の経済成長にリスクを突き付けて おり、急激な為替相場変動の引き金を引く恐れがあると警告した。一 部の国に「持続的なダメージ」を与えかねないとしている。

世銀は12日発表した世界経済の見通しで、2011年の成長率予想 を3.3%に据え置いた。10年の成長率は3.9%に修正した。新興国の 生産能力の制約や先進国で進行中のリストラを背景に世界経済は今年 減速すると予想した上で、12年には3.6%成長に加速するとした。

世銀のディレクター、ハンス・ティマー氏は同日の発表資料で、 「国際的な資本流入の増加は大方の新興国の景気回復を補強してきた」 と述べた上で、「しかし、特定の中所得国への大量の流入にはリスクが 伴う恐れがあり、中期的な回復を脅かしかねない。特に、通貨価値の 急上昇や資産バブルの発生があった場合にそうだ」と指摘した。

世銀の報告書は、多くの資金を集める国は「十分に発展した債券・ 株式市場」を持つ中所得国だとし、大量の資本流入で「ファンダメン タルズ(経済の基礎的諸条件)で説明できる以上の通貨上昇を招いた り、破壊的な通貨高の防止に向けた緊急措置実施を余儀なくされてい る」と分析。こうした通貨高への抵抗はコストを伴い、その成功は保 証されていないと記した。

政策引き締め

世銀はさらに、新興国には金融政策を含めたマクロ経済政策の引 き締めが必要だと指摘。「これは利上げや規制見直しだけでなく、制御 された通貨上昇を通じて達成され得る」とした。

世銀は昨年の世界経済成長のうち46%を新興国が占めたと試算。 今後も引き続きけん引役になると予想し、11年の成長率見通しを6% とした。10年は7%だったとみている。国別の成長率では、中国が昨 年の10%から今年は8.7%に、インドは9.5%から8.4%にそれぞれ 鈍化すると予測した。

ユーロ圏は11年を1.4%、10年を1.7%とした。ユーロ圏の債 務の持続可能性に関する投資家の懸念については、実体経済には影響 しないとの見方を示しながらも、行き過ぎれば世界経済成長を頓挫さ せる恐れがあるとした。

米国は両年ともに2.8%成長との見方を示した。米経済は引き続 き高い失業率と肥大した住宅セクターの縮小に取り組むことになるも のの、内需が力強く伸びると予想した。日本の成長率は10年の4.4% から11年は1.8%に減速すると予測した。

世銀はまた、一次産品価格の上昇が世界経済成長にとって短期的 に3番目の大きな脅威だとの認識を示した。

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