TOPIX7カ月ぶり5連騰、欧州懸念後退し金融中心買い

東京株式相場は続伸し、TOPI Xは7カ月ぶりの5連騰。ポルトガルの国債入札結果を受け欧州債務 懸念が後退、世界景気の回復を評価する流れが強まり、幅広い業種が 買われた。海外金融株高が波及し銀行、証券など金融株は軒並み上昇、 その他金融は東証1部の業種別上昇率首位だった。

TOPIXの終値は前日比8.10ポイント(0.9%)高の937.74、 日経平均株価は76円96銭(0.7%)高の1万589円76銭。終値ベー スでTOPIXは昨年5月13日以来の高値。

DIAMアセットマネジメントの平川康彦ファンドマネジャーは、 「13日に予定されるスペインの国債入札の前哨戦だったポルトガル が無事に入札を通過できた意味は大きい。今の相場のリスク要因の1 つである欧州問題は、次の借り換え時期までは安心感が漂う」との見 方を示した。

S&P500種株価指数など、きのうの米国主要3指数はいずれも 52週高値を更新した。景気や企業業績の回復が続く中、欧州に対する 不安材料の後退が背景。日本株市場では、きょう朝方の外資系証券経 由の注文状況は5営業日連続の買い越しだったもようで、テクニカル 的には短期過熱感を抱えながらも、海外株高や海外投資家による買い から終始堅調な動きだった。

海外金融株上昇が波及

ポルトガルが12日に実施した2020年償還債5億9900万ユーロ (約650億円)の国債発行では、平均落札利回りが6.716%と前回の 昨年11月入札の6.806%を下回った。丸三証券の牛尾貴投資情報部長 によると、「国債入札での調達コストが高まらず、ポルトガルの財政改 善に向けた取り組みがそれなりに進むと投資家が見ている」という。

12日の欧州債市場で、ポルトガル債などのドイツ国債に対するプ レミアム(上乗せ利回り)が低下したことを受け、同日の欧米株市場 では米S&P500種の業種別10指数で金融が値上がり1位となるなど、 金融株が上昇。東京市場でも前日に続き、銀行や証券、その他金融が 値上がり率上位に並んだ。「欧州問題は日本の銀行などに直接関係はな くとも、海外金融株高は金融株全体のセンチメントにはプラスに働く」 と、DIAMアセットの平川氏は話していた。

一方、米連邦準備制度理事会(FRB)が12日に発表した地区連 銀経済報告(ベージュブック)は、経済活動は昨年12月にかけて緩や かな拡大が続いたとした半面、全般的にはなお慎重な姿勢が見られた と言及。いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、「景気は緩やかに回 復中で、雇用統計に的を絞ってまだ金融緩和を継続しなければいけな い状況。これは株にとってベスト」と指摘した。

不動産株も高い、指数はやや伸び悩む

金融株と並び、不動産株の上げも顕著だった。景気回復による恩 恵期待やオフィスビルの空室率改善傾向などが評価された。メリルリ ンチ日本証券では、不動産投資信託(J-REIT)の上昇に比べ、 大手不動産株の上昇率は出遅れ感があると見ている。

株価指数は上昇したものの、朝方にきょうの高値を付けた後はや や伸び悩んだ。明和証券の矢野正義シニア・マーケットアナリストは、 日本時間今夜に半導体大手の米インテルの決算を控え、「過去にインテ ルの四半期決算が米相場変動要因になった経緯から、上値を買いにく い」としていた。また欧州では、13日にスペインとイタリアが国債入 札を予定している。

東証1部の売買高は概算で22億6135万株、売買代金は同1兆 5227億円。値上がり銘柄数は1100、値下がり426。売買代金が2日連 続で1兆5000億円を超えたのは昨年10月6日以来、約3カ月ぶり。

電通が反発、ブリヂストは続落

個別の材料銘柄では、会社側の12月単体売上高発表を受け、年度 末に向け売り上げの勢いは堅調に推移する見込みとし、シティグルー プ証券が強気の投資判断を確認した電通が4日ぶりに大幅反発。年内 にタッチパネルなどの部材用の光学フィルム膜を2倍に増産すること が明らかになったリンテックは急伸。四輪はホンダ、二輪は新興国と ともに成長しているとし、ドイツ証券が新規に「買い」としたケーヒ ンは急反発した。

半面、材料高で利益は伸び悩むとし、野村証券が投資判断を「中 立」に下げたブリヂストンは大幅続落。住友ゴム工業や横浜ゴムも安 く、ゴム製品指数は東証1部の33業種で唯一下げた。10年6-11月 連結営業利益が事前の計画を上回ったものの、会社側が通期計画を据 え置いたことが嫌気されたコスモス薬品は下落。午後3時すぎ予定の 四半期決算発表時間を延期したファーストリテイリングは、取引終了 にかけて売りが膨らみ続落した。

ジャスダック指数は5連騰

国内新興市場は上昇。ジャスダック指数の終値は前日比0.5%高 の53.32と5連騰。東証マザーズ指数は3.5%高の474.43と反発した。 専任エリアマネージャー制の効果が出てきたとし、いちよし経済研究 所がレーティングを引き上げたヴィレッジヴァンガードコーポレーシ ョンが急伸。インターネットイニシアティブとクラウドコンピューテ ィング分野で事業提携したデジタルガレージは3連騰。半面、売買代 金上位では日本通信、ユビキタス、フリービットが安い。

--取材協力:久保山典枝Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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