債券は下落、株高・米債安で長期金利一時1.2%に-30年入札結果順調

債券相場は下落。前日の米国市場 で株高、債券安となった流れを継続して、円債市場は売りが優勢だっ た。長期金利は一時1.2%に上昇した。午後に発表された30年債入札 結果は順調だったが、相場を押し上げるには至らなかった。

JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長 は、「内外株価が堅調な中で、円債相場は弱い展開。米国では昨年10 月以降に景気回復路線が出ている」と指摘した。もっとも、「ここから 一段と金利が上昇するには、相当に強い景気の見方が出る必要がある。 米連邦準備制度理事会(FRB)が出口戦略の姿勢を示して利上げモ ードに入らないと難しいのではないか」とも語った。

東京先物市場で中心限月3月物は、前日比18銭安の139円98銭 で始まり、直後に139円89銭まで下げた。その後は徐々に下げ幅を縮 小し、午後に入ると、一時は7銭安の140円09銭まで値を戻した。結 局、13銭安の140円03銭で引けた。

12日の米株式相場は続伸。主要株価指数は2008年8月以来の高 値となった。一方、12日の米国債相場は下落して、米10年債利回り は前日比2.5ベーシスポイント(bp)上昇の3.36%程度となった。この 日の株式市場で日経平均株価は続伸して取引を終えた。

RBS証券の福永顕人チーフ債券ストラテジストは、前日にユー ロ圏の危機対策が進展し、株式などリスク資産が上昇したので、債券 相場は軟調に推移したと指摘した上で、「欧州金融安定ファシリティー (EFSF)拡張が議論されている」とも話した。

欧州では、前日にポルトガルの国債入札が実施され、5億9900 万ユーロ(約650億円)規模の2020年償還債は、平均落札利回りが

6.716%となった。昨年11月10日の前回入札では6.806%だった。一 方、欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のレーン委員(経 済・通貨担当)は、EFSFについて、「幾つかの選択肢」が検討され ていると明らかにした。

野田佳彦財務相は11日の会見で、「EFSF債の信認を高めるた めに、主要国の日本が一定割合を購入し、貢献することが妥当」と発 言。複数の政府関係者が12日までに明らかにしたところによると、日 本政府はEFSF債を継続的に購入する方針という。

新発10年債利回り1.19%

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回 りは、前日比2bp高い1.195%で始まり、いったんは1.19%を付けた。 午後1時20分過ぎには2.5bp高い1.20%まで上昇したが、その後は

1.19-1.195%で推移している。

新発30年物の33回債利回りは一時3.5bp高い2.165%に上昇し て、約1カ月ぶりの高水準を付けた。しかし午後に買いが優勢となる と横ばいの2.13%に戻している。一方、新発20年物の123回債利回 りは、午前に3.5bp高い2.005%に上昇し、昨年12月17日以来の2% 台に乗せた。午後に入って若干水準を切り下げ、1bp高い1.98%で推 移している。

日興コーディアル証券の山田聡チーフクオンツアナリストは、「30 年債入札には懸念する向きもあったが、予想より良かった。午後は30 年債に買い戻しが入った一方、20年債は来週20日に入札があるため 相対的に重い」と分析していた。

30年債入札は順調

財務省がこの日実施した表面利率(クーポン)2.0%の30年利付 国債(33回債)の入札結果では、最低落札価格が97円10銭、平均落 札価格は97円16銭となった。

最低価格はブルームバーグが事前に調査した97円00銭を上回っ た。応札倍率は5.77倍と前回の2.95倍から上昇。小さいほど好調と されるテール(最低と平均落札の差)は6銭と前回の26銭から大幅に 縮小した。

バークレイズ・キャピタル証券の徳勝礼子シニア債券ストラテジ ストは、「直前に相場が調整していたので、結果が良かったことは驚き ではなく、相場が上昇に転じるほどでもない」と述べた。

また、RBS証の福永氏は、「入札前に相当調整して迎えたので、 順調に通過した。利回り曲線全体でみると5年債にも売りが出ており、 地合いが強気に転じたとは言えないものの、徐々に底堅くなっている」 と話した。

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