ポルトガル支援や債券買い戻しを検討-EUの包括案

欧州各国政府は金融危機を沈静 化させる包括案の一部として、ポルトガルへの支援と債券買い戻し、 救済融資の金利引き下げなどを検討している。協議について直接に 知る関係者2人が明らかにした。

同案にはポルトガル向けの600億ユーロ(約6兆4900億円) 前後の融資とギリシャの既発債の購入などが含まれる可能性がある。 政策当局の前例のない取り組みもこれまでのところ市場を沈静化さ せるに至らず、17カ国から成るユーロ圏経済の健全性が疑問視され る中、当局者らは包括的な対応を模索している。

関係者が匿名を条件に述べたところによれば、ユーロ圏の財務 相らは包括案の各項目について来週協議する。ただ、議論の内容は ドイツにとって非常に微妙なため、決定は2月4日に予定されてい る首脳会議まで持ち越される公算だという。

欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のレーン委員(経 済・通貨担当)は12日、ブリュッセルでの会議で、救済システム の「規模と範囲についてあらゆる選択肢を検討する必要がある」と 語った。財政を改善させなければ欧州は「市場の力に翻弄(ほんろ う)される」と戒めた。

昨年、ギリシャとアイルランドを救済受け入れに追い込んだ危 機は今、ポルトガルを脅かしている。

EFSF

ドイツのメルケル首相はこの日ベルリンで、「われわれは必要な いかなる手段も講じる意向であり、あらゆる点について段階を追っ て協議する」とし、「ドイツはユーロの安定を維持するために必要な あらゆる措置を取る」と述べた。

政治家らが救済基金の拡大について議論を戦わせる間、欧州中 央銀行(ECB)はその使命を曲げて債券購入に踏み切り、危機と の闘いで前線に立ってきた。トリシェ総裁は7日にドイツの議員ら に「金融政策は政府が取るべき責任を肩代わりすることはできない」 と述べ、政策面の対応を迫ってきた。

ポルトガルはこの日入札を実施し、10年国債5億9900万ユー ロ を発行した。平均利回りは6.72%と昨年11月入札時の6.81% から 低下し、救済が差し迫っているとの懸念が幾分後退した。

ポルトガルのソクラテス首相は11日、救済が必要になること はないと言明していた。スペインは13日に最大30億ユーロの5年 債の入札を予定している。イタリアも2026、2015両年償還の国債 で60億ユーロを調達する計画。

幾つかの選択肢

レーン委員は欧州金融安定ファシリティー(EFSF)につい て、「幾つかの選択肢」が検討されていると明らかにした。EFSF の規模は4400億ユーロだが、トリプルAの格付けを維持するため の担保要件を満たすため実際に融資できるのは最大2500億ユーロ となっている。

同委員は選択肢の内容を挙げなかったものの、事情に詳しい関 係者らはEFSFの事実上の融資上限を引き上げるための担保規定 変更や救済融資の金利引き下げ、EFSFによる債券購入での債務 償却を可能にすることなどが議論の焦点だと述べた。

EUの一部指導者はこれまでに、救済基金での国債購入や短期 融資を可能にする案を示した。ユーロ圏財務相会合(ユーログルー プ)のユンケル議長(ルクセンブルク首相兼国庫相)は昨年12月 に、そのような措置が検討されているかとの問いに、「その通りだ」 と答えていた。

深刻さ

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS) のストラテジスト、ジャック・カイユ氏は調査リポートで、「政策議 論はユーロ圏全域のより強い危機対応へと向かっているのかもしれ ない」として、「イタリアやベルギー、スペインが脅かされる兆候が 増えるに伴い、欧州の政策当局者らはようやく事態の深刻さを理解 し始めたのかもしれない」と記述した。

基金への拠出額が最大のドイツは柔軟な運用の条件として、債務 上限の規則を欧州各国が憲法に盛り込むことを主張している。ドイツ はまた、ユーロ圏共同債の発行にも反対の立場だ。

EUのファンロンパイ大統領はこの日、2月4日に予定されてい るEU首脳会議の間にユーロ圏17カ国首脳の会議を設定することは容 易だとの考えを示した。

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