今日の国内市況:TOPIX4連騰、債券続伸-ユーロが対ドルで上昇

東京株式相場は上昇し、TOPI Xは約1カ月ぶりに4連騰。米国を中心とした景気回復への期待や過 度な欧州債務懸念の後退で、銀行など金融株、輸送用機器株などが買 われた。不動産は東証1部の業種別上昇率1位。

半面、短期的な相場の過熱感が警戒される中、精密機器や電機、 機械株などは午後になって下げ転換。海運やパルプ・紙なども軟調で、 株価指数は取引後半に伸び悩みが鮮明だった。

TOPIXの終値は前日比2.70ポイント(0.3%)高の929.64、 日経平均株価は2円12銭(0.02%)高の1万512円80銭。日経平均 は終了間際に下げに転じる場面もあった。

欧州連合(EU)設立の欧州金融安定ファシリティー(EFSF) が発行する債券の購入を日本政府が表明したことを受け、11日のニュ ーヨーク外国為替市場ではユーロが円に対し、約6週間で最大の上げ を記録した。きょうの東京時間でも為替動向が落ち着いていたことで、 輸送用機器や内需の出遅れ業種中心に見直し買いが優勢になった。

業種別で上げが顕著だったのは金融株。東証1部の業種別上昇率 上位には銀行、保険、その他金融が入った。TOPIXでは、ミッド 400指数や時価総額が相対的に小さい銘柄で構成するTOPIXスモ ール指数が下げた半面、時価総額や流動性が最も高い30銘柄で構成さ れるTOPIXコア30指数は0.9%高と堅調だった。

TOPIXと日経平均はともに、午前の取引では日中ベースで昨 年5月以来の高値を更新したものの、午後は失速。この日はJVC・ ケンウッド・ホールディングスが値幅制限いっぱいのストップ安、高 岳製作所も急落するなど、直近で値上がりが顕著だった材料株の下げ もきつかった。東証1部の値上がり銘柄数は595と、値下がりの911 を下回る。

東証1部の値上がり、値下がり銘柄数の百分比を示す騰落レシオ (25日平均)は11日時点で152%と、昨年12月15日以来の150%超 の高水準にあった。

債券は続伸

債券相場は続伸。10年債の利回り1.2%付近で投資家の買いが入 ったことを受け、午後の先物市場には売り方の買い戻しが膨らんだ。 一方、あすに30年債入札を控えていることもあって超長期債相場は軟 調な推移が続いた。

東京先物市場の中心限月の3月物は、前日比7銭安い139円95 銭で始まり、いったんは139円84銭まで売り込まれた。その後は139 円90銭付近でもみ合っていたが、午後1時前から買いが優勢となると 一時は20銭高の140円22銭まで上昇。その後も140円10銭台で堅調 に推移して、結局は14銭高の140円16銭で取引を終えた。

きのうの米国債市場では12、13日に実施の10年債と30年債の入 札への警戒感から売りが優勢となり、米10年債利回りは6ベーシスポ イント(bp)高い3.34%付近で引けた。一方、米国株市場では原油高 に伴ってエネルギー株が買われる展開となり、ダウ工業株30種平均 など主要な株価指数は4営業日ぶりに上昇した。

しかし、30年債入札について市場で無難な結果が見込まれるほか、 午前には投資家から10年ゾーンなどに買いが入り、これを受けた先物 市場には買い戻しが膨らんだ。

現物市場で新発10年物の312回債利回りは、11日終値より1bp 高い1.20%で始まった。開始後しばらくは1.20%での横ばい推移とな り、その後に買いが優勢となると1.185-1.195%となった。午後に入 ってさらに買いが膨らむと1.17-1.18%で取引されている。米国の金 利上昇などを手掛かりに312回債には売りが先行したが、市場では10 年債の1.2%台での買いを期待する見方もあった。

一方、超長期債相場は軟調推移が続いて、午後4時10分現在で 30年物の33回債利回りは2.5bp高の2.13%、20年物の123回債も

2.5bp上昇して1.97%となった。

ユーロが続伸

東京外国為替市場ではユーロが対ドルで続伸し、一時、前週末以 来となる1ユーロ=1.30ドル台を回復した。日本政府による欧州支援 や救済基金拡大への期待を背景にユーロ買いが先行した。ただ、海外 時間にポルトガルの国債入札を控えて、警戒感も根強く、午後にかけ てはユーロが上げ幅を縮める展開となった。

ユーロ・ドル相場は朝方につけた1ユーロ=1.2965ドルを日中安 値に一時、1.3017ドルまでユーロ高が進行。午後4時10分現在は

1.2991ドル前後となっている。

一方、ドル・円相場は朝方に1ドル=83円41銭と前日の海外市 場でつけたドル高値(83円49銭)に迫る場面が見られたが、その後 はドルがじり安となり、午後には一時、83円05銭まで値を切り下げ た。

欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のレーン委員(経 済・通貨担当)は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)に寄稿し、 欧州金融安定ファシリティー(EFSF)について「強化され、その 活動の範囲も拡大されるべきだ」との見解を明らかにした。

一方、ドイツ紙ウェルトはユーロ圏各国が救済基金の条件変更を 検討していると報じた。同紙はEUの匿名の外交当局者を引用して、 救済基金の加盟国への融資可能額が拡大されたり、アイルランドへの 融資の金利が引き下げられる可能性があると伝えている。

前日には野田佳彦財務相が、アイルランド救済のためにEUが設 立したEFSFが今月末発行する債券の2割超程度を日本が購入する と表明。中国に続いて域内債務危機の緩和に向けた取り組みに加わっ たことが好感されたほか、欧州中央銀行(ECB)による欧州周縁国 の国債購入観測や、EU各国が4400億ユーロ規模の救済基金の拡大に ついて協議をしているとの米紙ウォールストリート・ジャーナル(W SJ)の報道も懸念の緩和につながった。

半面、ポルトガルの国債入札を控えて、市場では入札の成否を見 極めたいとの声も聞かれた。フィナンシャル・タイムズ・ドイツ版(F TD)は、EUの欧州委員会と欧州の救済基金が、必要になった場合 に最大1000億ユーロの信用保証をポルトガルに提供する方向で準備 をしていると、複数のEU当局者の話を基に伝えている。

ユーロ・円相場は1ユーロ=108円ちょうど前後から一時、108 円36銭と前週末以来の水準までユーロ買いが進行。ただ、午後にかけ ては売りに押される格好となり、108円ちょうどを割り込む展開とな った。

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